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ヴェウドゥムが乱戦を制す、リベラはフェイバーから殊勲

日本時間9月11日(日)、アメリカ・オハイオ州クリーブランドのクイックン・ローンズ・アリーナで行われたUFC 203より、セミメインイベントまでのメインカード(CMパンク対ミッキー・ガル戦を除く)の試合レポート。

ヘビー級 5分3ラウンド 
ファブリシオ・ヴェウドゥム vs. トラヴィス・ブラウン




前王者ヴェウドゥムは昨年5月、自信を持ったスタンドで突進したところにスティペ・ミオシッチのカウンターを貰いKO負けでの王座転落、今回が復帰戦となる。ランキングは1位。対するブラウンは7月にケイン・ヴェラスケスに1RTKO負けを喫しており、ランキングは6位。タイトル戦線に残るためにも負けられない両者の一戦となった。

1ラウンド。試合開始と同時に飛び込んだヴェウドゥムのフライングサイドキック(ライダーキック)が顔面にヒット! 効いた素振りをみせないブラウンに対し、さらにヴェウドゥムはシングルレッグへ。それを切られると今度は左右のパンチで突進。ブラウンは冷静に回って距離を取る。するとヴェウドゥムは大車輪キックを見せるが、これも不発。

やがてブラウンが右手を抑えてタイムの仕草。ヴェウドゥムは攻めてゆくがレフェリーがそれを止めると、ヴェウドゥムは抗議。指を脱臼した様子のブラウンだが、やがて試合は再開された。ルールディレクターのマーク・ラトナーは、試合の中断を許したレフェリーの判断は間違っているとコメント。

その後もヴェウドゥムは積極的に前に出て、テイクダウンを仕掛け後ろ回し蹴りを放つが、ブラウンもカウンターを返してゆく。やがてヴェウドゥムの右ストレートがヒットしてブラウンがダウン! そのままハーフの上に乗ったヴェウドゥムはパウンドを連打し、さらにバックへ。そのままチョーク狙いからさらにパウンドを落としてゆくが、ブラウンは終了まで耐え抜いた。

2ラウンド、後ろ廻し蹴りを放ったヴェウドゥムは尻餅を付くが、ブラウンは上から攻めずにスタンドに。グラウンドに絶対の自信を持つが故に、ヴェウドゥムは下になることを恐れず大胆な蹴りを繰り出しているようだ。その後もジャブやローを放つヴェウドゥムに対し、ブラウンは指の負傷も影響してかなかなか手が出ず、ブーイングが響くなかラウンドが終了した。

3ラウンド。なかなか手を出せないブラウンに対し、ヴェウドゥムは左ローやワンツーを当てる。ヴェウドゥムは1ラウンドのような派手な攻撃は繰り出さないものの、細かいパンチや蹴りを当てては、時に飛び込んでのカニばさみを狙う場面も。結局ブラウンは最後まで有効打を繰り出せないまま試合は終了した。

前回前に出てカウンターを貰ったトラウマなどまったく感じさせない大胆な攻撃でペースを握り、終始圧倒したヴェウドゥムは、なんと試合後も興奮収まらずにブラウンのセコンドに前蹴りを繰り出し、あわや乱闘の場面も。とまれ判定は3-0(29-28、29-27、30-27)でヴェウドゥムに。

大きなブーイングを浴びた勝者は「向こうは指が折れたんだと思う。レフェリーがストップと言わなかったから攻撃を止めなかったんだ。ブラウンがそれでも戦いを続けたのはウォリアーだ。尊敬するよ。いい試合だったけど、ここクリーブランドはスティペ・ミオチッシの地元だからね。ひとつ大切なことを言いたい。僕の友人の子供が数日前に亡くなったんだ。酔っぱらった女性に路上で殺されてね。だから頼むから飲んでドラッグをやるのはやめよう。そしてこの試合を全てのブラジルのオリンピック選手に」と語った。


バンタム級 5分3ラウンド 
ユライア・フェイバー vs. ジミー・リベラ




37歳のフェイバーは、6月に宿敵ドミニク・クルーズのベルトに挑戦するも、二度ダウンを奪われて判定0-3で完敗。現在ランキング2位だ。対する27歳のリベラは、UFC登場以来3連勝中、総合戦績も19勝1敗というホープ。現在ランキング12位。

リベラとしては大物食いの大チャンス、タイトル戦をことごとく落としているフェイバーとしてはここが正念場となる。

1ラウンド、両者オーソドックス。フェイバーはいつもの広いスタンスから蹴りやジャブを繰り出し、フェイントをかけながら距離を詰めようとのに対し、リベラはよく見て左右の強烈なカウンターを狙う。お互い目立った攻撃はないままこのラウンドは終了した。インターバル中にフェイバーのセコンドからは「カウンターを打たせて、そこに逆にカウンターを合わせろ」との指示が。

2ラウンドも距離を詰めようとするフェイバーだが、リベラの左右のカウンターや強烈な右ローが当たる。リベラの右ローを被弾する場面が続くフェイバーは組み付きにいくが、リベラは振りほどいてさらにローを当てていった。

3ラウンドもリベラの右ローが当たり、フェイバーの左足が流れるシーンが目立つように。フェイバーの伸ばした左手の指がリベラの目に入るアクシデントが起こるが、やがて再開。その後もフェイバーは距離を詰めパンチを振るうが、リベラの鋭い左右のカウンターとローに阻まれて状況を打開できない。場内からはブーイングも聞かれるなか、試合は終了した。

判定は3-0(3者とも30-27)で、終始カウンターで主導権を譲らなかったリベラに。キャリア最大の勝利を挙げた勝者は、感激の涙を流しながら「聞いてくれ、相手はユライア・フェイバーだぞ! 僕は彼を見て育ったんだ! この試合を受けてくれて本当にありがとう。1、2ラウンドと調子を上げていけたけど、3ラウンドに右目を突かれて以来、今も見えないんだ。ドクターに『頼むから最後まで試合をやらせてくれ』と頼んだんだ。ユライアがテイクダウンをあまり狙って来ないことには驚いたけど、そこで2ラウンドから作戦を変えたんだ。でも3ラウンドに目を負傷してしまい、みんなの望むような試合はできなくて申し訳ない。ローが効いているのは分かったから、そこを攻めていったんだ」と語った。

女子ストロー級 5分3ラウンド 
ジェシカ・アンドラージ vs. ジョアン・コールダウッド




ブラジルのアンドラージは、前回ジェシカ・ペネに2ラウンドTKO勝利し、現在ランキングは6位。対するスコットランドのカルダーウッドは、前回ヴァレリー・ルトーノーを3ラウンドTKOに下しており、ランキング7位に付けている。

1ラウンド、両者オーソドックス。リーチに勝るコールダウッドは前足の蹴りを飛ばすが、飛び込んで組み付いたアンドラージは高々と抱え上げてのテイクダウンを決め、そのままサイドに付く。やがてガードに戻したコールダウッドだが、アンドラージは再びコールダウッドをリフトして金網際で叩き付ける。

パウンドからパスに成功したアンドラージに対し、コールダウッドはハーフから脇を差してのスイープを狙うがアンドラージはオーバーフックで差し替えしてバランスをキープし、パウンドを繰り出してゆく。やがてコールダウッドが脇を差して立ってタックルに移行したところで、アンドラージがアームインギロチン! そのまま締め上げると4分38秒、コールダウッドがタップした。

グラウンドで強さを見せつけたアンドラージは、「全てはチームのおかげ。コーチたちの言う通りに戦って勝てた。スタンドで戦うつもりだったけど、向こうは予想以上にリーチがあったから柔術に頼らざるを得なかった。そして柔術が私を助けてくれた」と語った。