日本時間1月3日(日)、ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナにて開催されたUFC 195のメインカード(セミメインイベントまで)の結果は以下の通り。
ヘビー級 5分3ラウンド
スティペ・ミオシッチ vs. アンドレイ・アルロフスキー
この日のセミメインイベントにして、ヘビー級王座の次期挑戦者を占う重要な戦いとなったこの一戦。昨年5月、マーク・ハントに完勝したクロアチア系アメリカ人のスティペ・ミオシッチが、実に10年前の2006年にUFCヘビー級王者に就いていたベテランのアンドレイ・アルロフスキーに強烈な右をヒットして1ラウンドKOに葬り、タイトル挑戦を強烈にアピールしてみせた。 
1ラウンド。まずはオーソドックスに構えて距離を取り、ジャブや前蹴りを飛ばしていた両者だが、やがて距離を詰めたミオシッチの右ショートストレートが炸裂! ぐらついたアルロフスキーに、ラッシュをかけたミオシッチがさらに右ストレートをヒット! たまらずダウンしたアルロフスキーに、さらにミオシッチが追いかけようとしたところでレフェリーが試合をストップ。僅か54秒の出来事だった。 勝った瞬間に雄叫びをあげ、続いてリングサイドのデイナ・ホワイトUFC代表に「俺にタイトル挑戦させてくれ!」と叫んだミオシッチは、インタビューでも再びホワイト代表に
「カマーン! タイトル挑戦させてくれ! 」
とアピール。さらに
「右で勝てると予想してたわけじゃないよ。アンドレイ・アルロフスキーは元王者でタフだからね」
と試合を振り返った。
ウェルター級 5分3ラウンド
ロレンツ・ラーキン vs. アルバート・トメノフ
現在2連勝中のラーキンと、強烈なハイキックを武器に現在UFC4連勝中のロシア人ファイター、トメノフの一戦は、期待に違わぬ白熱の打撃戦となった。ラーキンの変幻自在のローに苦しめられたトメノフだが、3ラウンド前に出て、プレッシャーをかけ続けた結果、判定2-1で辛勝した。 
1ラウンド、両者ともにオーソドックスで構える。オクタゴン中央を取ったトメノフは、鋭いジャブでプレッシャーをかけてゆくが、ラーキンも右ジャブや右ローで対抗。さらに前蹴りと横蹴りの中間のようなオブリック・キックをボディに当てる。トメノフは左右のパンチからハイにつなぐコンビネーションを見せるが、ラーキンもうまく距離を確保。ラウンド終了まで、前に出るトメノフと、回りながらカウンターを当てて捌くラーキンの攻防が続いた。
2ラウンド。パンチでプレッシャーをかけ続けるトメノフだが、ラーキンは鋭い右ローで迎え撃つ。トメノフは距離を詰めて左ボディフックを連打するが、ラーキンも強烈な右ローを返し、それが効いたかトメノフはしばらくスタンスをスイッチすることに。その後スタンスを戻したトメノフは、今まで受け流していたラーキンの右ローを、左足を上げてチェック(スネでブロック)しながら前に出るようになり、ローのダメージが蓄積していることを伺わせた。
3ラウンド。またしても前に出るトメノフだが、ラーキンのローをもらってまたスタンスをスイッチ。やがてスタンスを戻すと、自分がスイッチしたラーキンはなんと下段への後ろ廻し蹴りを連打し、トメノフの左足にカカトを打ち付ける。さらにその後ろ廻し蹴りをフェイントにしてパンチを当てるラーキンは、またしても右ローや下段後ろ廻しをヒット。トメノフは明らかに足を効かされながらも、不屈の闘志で前に出て、ワンツーから右アッパーのコンビネーション。その後も左足を狙い続けるラーキンは、終了寸前にテイクダウンを狙うが、トメノフが凌いで逆にテイクダウンを狙ううちに激闘が終了した。
じわじわ効かせていったラーキンのローと、トメノフの常に前に出た姿勢とパンチ、ジャッジがどちらをより評価するかが注目された判定は、2-1(2928 28-29 29)でトメノフに。勝者は
「ラーキンは素晴らしい選手で、本当にタフな試合だった。でも僕はアインシュタインという渾名を持っていて、それには理由があるんだ。今後もどんどん強くなってゆくよ」
と語った。
フェザー級 5分3ラウンド
ディエゴ・ブランダオン vs. ブライアン・オルテガ
正統エリオ派グレイシー柔術を武器に10戦無敗のオルテガと、TUF 14優勝、前回は日本の菊野克紀を得意の開始早々のラッシュで秒殺したブランダオン。注目の一戦は3ラウンド、それまでやや劣勢に見せたオルテガがアナコンダチョーク、ギロチンチョーク、三角締めと流れるような絞め技のコンビネーションで見事にタップを奪ってみせた。 
1ラウンド。UFC創始者のホリオン・グレイシー次男、ヘナー・グレイシーとともに入場したオルテガ、ブランダオンともにオーソドックスで構える。ブランダオンは得意のロングフックのラッシュで前進すると、組み付いてテイクダウン。オルテガは三角締めで反撃を見せるが、ブランダオン難なく脱出してスタンドを誘う。その後再びブランダオンが組み付いてのテイクダウンに成功。グレイシー柔術式護身術の基本通りにブランダオンの頭を抱えて下げさせるオルテガだが、ブランダオンは背筋を伸ばしてパウンドを当てると、立ち上がって再びスタンド戦を要求。オルテガのワンツーとブランダオンの左右のロングフックの強打が交錯するうちに、ラウンドが終了した。
2ラウンド開始早々、プレッシャーを強めてゆくブランダオン。しかしスタミナを消耗したか、やや爆発力が落ちた模様。逆に動きに軽快さを増したオルテガはワンツーからミドルで攻撃。しかしブランダオンも要所で強打を放ち、オルテガに主導権は握らせない。スタンドの攻防が続くなか、ラウンドが終了した。
3ラウンド、また開始早々のラッシュを見せたブランダオン。オルテガはカウンターのテイクダウンに入るが、受け止めたブランダオンは逆に組み伏せて上に。数発パウンドを落とすと、スタンドを要求する。その後、オルテガはギロチン狙いを見せるが、すっぽ抜ける形で下に。再び試合がスタンドに戻ると、ブランダオンがヒジを強振! それをかわしたオルテガは長身を活かしてスタンドで上からがぶると、アナコンダチョークのグリップを作ってグラウンドに引きずり込む。さらにマウントからワンアーム・ギロチンに移行するオルテガ。ブランダオンが必死でリバーサルを試みると、それに合わせて今度は三角締め! 角度を付けてブランダオンの足を内側から抱えて強烈に締め上げ、1分37秒見事にタップを奪った。
見事な絞め技の連続攻撃で正統派グレイシー柔術の強さを見せつけたオルテガは、ブランダオンを称えた後、
「いつも(ヒーロン、ヘナー等の)グレイシー兄弟と練習をすると、向こうは毛布のように僕に多いかぶさって来るから、僕も同じことをしたんだよ。こうやってチョークからチョークからチョークからチョークへの連携は、僕がいつもグレイシー・アカデミーで練習していることなのさ! 僕が「T-City」の渾名を持っているのは伊達じゃないんだ。これはトライアングル・シティの略なんだから!」
と語った。
ウェルター級 5分3ラウンド
アベル・トルヒーヨ vs. トニー・シムズ
前回、グレイソン・チバウ相手に、タップをしていないにもかかわらず一本負けを宣告されてしまったトルヒーヨ(後にチバウの薬物使用が発覚。今後結果はノーコンテストに変更されると思われる)と、前回はオリビエ・オービン・マルシエに判定負けのシムズ。後のない同士のサバイバルマッチは、1ラウンド、見事な流れで得意のギロチンチョークを極めたトルヒーヨに凱歌が上がった。 
1ラウンド、オーソドックスに構えて、オクタゴン中央を取ってプレッシャーをかけようとするトルヒーヨに対し、シムズはスイッチを繰り返して回りながらカウンターを狙ってゆく。やがてトルヒーヨはテイクダウン狙いを見せるが、シムズが防御。その後、トルヒーヨが前に出てパンチを打って来たところに、見事なタイミングでシムズが組み付いてテイクダウン。しかしトルヒーヨはギロチンでカウンターに。さらにトルヒーヨはバタフライガードを利用してシムズの体をリフト、そのまま上に付くことでより良い状態から締め上げて、3分18秒でタップを奪った
前回の納得いかない敗戦を、今回見事に払拭してみせたトルヒーヨは
「向こうも強いストライカーだけど、僕は総合力で優れているんだ。最後のギロチンは相手がチャンスをくれたようなものだった。ギロチンは、肩固めと並んで僕の最も得意な技の一つなんだ」
と語った。