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UFC 199の論点に迫る:ビスピン、クルーズ、ヘンダーソンが大活躍

 

UFC 199はメインイベントとセミメインイベントのタイトルマッチ2試合を前にして、すでに近年で最も盛り上がりを見せた大会の1つとなっていた。引退を示唆したダン・ヘンダーソンの強烈なエルボーKO、UFC 202で実現することになったネイト・ディアス対コナー・マクレガーの再戦告知、そしてブロック・レスナーがUFC 200の宣伝の最後に姿を現すシーンもあった。

そこに加えて最後のとどめとなったのが2つのタイトルマッチだ。まずはその2試合から始めよう。UFC 199の論点に迫る。

勝負を分けた一発

UFC 199を迎えるまでの2週間、UFCに所属するファイターの中で最も自信に満ちあふれていたのがマイケル・ビスピンだ。とはいえ、ビスピンの家族やチーム以外で、どれだけの人が彼を信じていただろうか。ラスベガスの下馬評では圧倒的な差でルーク・ロックホールドが勝利すると予想されていた。大多数がいずれロックホールド対クリス・ワイドマンの再戦になると確信していたようにも見える。しかし、ビスピンがたった一発のパンチで世界に衝撃をもたらした。

「一生をかけて(タイトル獲得を)追い続けてきたし、ずっと実現できると思っていた。だけど、みんなが疑うのも分かる。重要な試合に負けてきたからね」と明かしたビスピン。

 


試合開始早々から、これまでのキャリアと同じように、全力で攻撃を仕掛けたビスピンは、優れたパンチ力に欠けると非難してきた評論家たちを黙らせた。そして、第1ラウンド終盤、ロックホールドのアゴを左フックでとらえ、そのまま王者をマットに沈めている。

今年のビスピンの飛躍はUFC史上最も輝かしい活躍の1つとして歴史に刻まれるだろう。ベテランとして現役10年目を迎えるビスピンは常に大一番で白星を飾ることのできない選手として知られていた。

ロックホールドは「全然(ビスピンを)尊敬していなかった。普段だったらやらないようなことをしてしまった」と語った。「運命というのはどうやら本当らしい。再戦のチャンスをもらえるのなら、その時はもっと尊敬する。でも、勝つのはオレだ」

いつも通りのクルーズ

“ザ・ディシジョネイター”は健在だった。この呼名はドミニク・クルーズの愛称である“ザ・ドミネーター”と、デシジョン(判定)を掛け合わせたもの。クルーズらしい試合運びでジャッジを味方につけ、判定勝ち(50-45が2人、49-46が1人)でバンタム級タイトルを防衛した。

対戦相手のユライア・フェイバーは試合後に「何も言えることはない。やられたよ」と言い残している。

ライバルである2人の意見が初めて一致した。ゆったりとした出だしながら“ザ・カリフォルニア・キッド”ことフェイバーの出方を探ったクルーズは、試合序盤にテイクダウンを奪われる場面もあった。しかし、それ以降は12連勝を誇る通常通りのクルーズが実力を発揮。フェイバーのパンチが空を切る中、ユニークな戦法でフェイバーを攻め立てていく。フェイバーに接近して左パンチを放ったり、2度もノックダウンを奪う場面があったりしたものの、惜しくもフィニッシュを逃している。

クルーズは「オレの威力を理解していないような気がしたから、アイツから仕掛けさせた。相手の強みをねじ伏せて、無力にするんだ」と語った。

寄る年波

タイトルマッチが2試合も組まれた大会で、一瞬にして大歓声を一身に浴びたのがダン・ヘンダーソンだ。殿堂入りが確実視されるヘンダーソンは、第1ラウンドでヘクター・ロンバードにKO負け寸前まで追い詰められていた。しかし、会場のザ・フォーラムに集まった熱狂的な観客の“ヘンドー”という大合唱が後押しとなったのか、45歳のヘンダーソンがロンバードのこめかみをとらえる見事なエルボーでKO勝利を収めたのだ。

If this is your last, THANK YOU @DanHendo for giving us fans everything you had over the years! #UFC199 https://t.co/Zsto9JvUpg

— UFC (@ufc) June 5, 2016



もし今回が最後の試合になるのなら... 数々の感動と名勝負をありがとう✨@danhendo #UFC199 #UFCニコニコ https://t.co/87wQOWWLMV pic.twitter.com/k7LiSRIt9i

— UFCジャパン (@ufc_jp) 2016年6月5日


会場全体がスタンディングオベーションでヘンダーソに拍手喝采を浴びせる中、レフェリーのハーブ・ディーンがヘンダーソンの手を挙げ、もしかするとこれが現役最後となるかもしれない勝利を告げた。ヘンダーソンは今回の試合前、そして戦い終えた後にも、これを機に引退する可能性を示唆しており、もし事実となれば、これ以上ない最高のノックアウトで選手人生を締めくくることができたのではないだろうか。

「まだ気持ちの整理ができていないけれど、これが最後になる確率は十分にある。どんな選択肢があるのかによるよ」とヘンダーソンはコメントしている。

決断の時

とりわけ直近3試合が顕著だが、マックス・ホロウェイはキャリアを通して試練と立ち向かってきた。今回、拳を合わせたリカルド・ラマスはホロウェイが過去に対戦してきた中で最も高いランキングにつけると同時に最も手強いレスラーとあって、ホロウェイにとってはまたしても大きなチャレンジだった。それにもかかわらず、ラマスのテイクダウンを幾度となく避け、いとも簡単にユナニマス判定(全ジャッジが30-27)で白星を飾って見せた。距離を保ちながらラマスの攻撃をことごとく回避したホロウェイの試合展開はまさに圧巻。

これで9連勝をマークしたホロウェイはフェザー級タイトルの次期挑戦者候補として名を挙げたことになるだろう。UFC 200で暫定王者の座をかけて対決するジョセ・アルドとフランキー・エドガーの勝者が王者マクレガーと対戦することを考えると、少しの間はがまんが必要かもしれない。

「(連勝を)10にしないといけないって言うんなら、やってやる」とホロウェイは宣言している。

ついに開花

ブライアン・オルテガの才能がついに開花した。チアゴ・サントス戦とディエゴ・ブランダオン戦と白星を重ね、フェザー級ランキング12位まで上り詰めた“Tシティ”ことオルテガ。ベテランのクレイ・グイダをKOで下し、階級にその名をとどろかせた。

過去2戦とも第3ラウンドで試合を決めたオルテガはこの流れがパターン化しているようだ。第1ラウンドは多少ためらいがちに見えつつも、アグレッシブだったオルテガが10-9で制す。以降、リズムをつかんだオルテガがグイダの攻撃をカウンターで攻め込み、最終ラウンドで勝負あり。過去2勝利同様、第3ラウンドまでもつれ込んだが、今回は数分を残してヒザで白星を呼び込んだ。

オルテガにはこの先、トップ10入り、またはトップ10ファイターとの試合が現実化してきそうだ。