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UFC 200への歩み:魔性の男、ユライア・フェイバー

 



マンハッタン中心部にあるジムは剣や盾、やりなどのアイテムであふれ、MMAというよりはカンフー映画の上映でも始まりそうな雰囲気だった。しかし、そこには確かにリングがあり、サンドバッグもいくつかつり下げられていて、ひとまずWECのフェザー級王者、ユライア・フェイバーのプロモーションが行われるのだと理解することはできた。

時は2007年。ズッファが2006年に買収を完了し、WECは国際的な注目を集め始めていた。その宣伝の前面に押し出されたのがフェイバーだった。理由は至って単純だ。

「いろいろなことが組み合わさっての結果だ。オレの試合を見れば、誰だって興奮する」とその日彼は豪語した。「大学でレスリングをしている時もそうだった。試合中のオレはいつでも100%で戦っている。それが観客にとってはエキサイティングなんだよ。オレは話がうまいし、見た目もイケてる。このスポーツじゃそれは結構珍しいから、ポイントが高いんだろうな。その上オレは強い。話ができるやつなら他にもたくさんいるし、見た目のいいやつ、タフなやつもたくさんいるだろう。でも、それを全部併せ持っている人間はかなりレアだぜ」

(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)(Photo by Al Bello/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)Faber reignites his long-running feud with Dominick Cruz at UFC 199 on June 4 (Photo by Donald Miralle/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)

そのレアな条件を併せ持ったフェイバーは、今でも選ばれし者として存在している。だからこそ彼は人気を維持し、9年たっても格闘技の世界で地位を確立しているのだ。日本時間6月5日(日)、彼はUFC 199で世界バンタム級タイトルを賭けてドミニク・クルーズと対戦する。だが2007年に時間を巻き戻すと、彼はクルーズとの初戦に勝利し、チャンス・ファーラーとの対戦に備えていた。

この頃彼は、自身の試合の宣伝だけではなく、所属プロモーションとフェザー級以下の軽量級を世間にアピールする役割を担っていた。当時のUFCは155ポンドのライト級へ移行してまだ日が浅く、フェザー級とバンタム級は存在すらしなかった。そこに現れた“ザ・カリフォルニア・キッド”ことフェイバーは、145ポンドで圧倒的強さを持ち、メディア対応がうまく、優れたルックスを持っていた。彼はフェザー級、バンタム級とフライ級の扉を開く存在だった。

「オレたちの階級を見たらとりこになるぜ」と彼は述べた。「テンポが速くてエキサイティングなんだ。フェザー級やライト級の連中の多くは、もっと重い階級のファイターたちとも渡り合えるだろうけど、それは認められていない。その速さ、爆発力がいかにエンターテイニングか分かるはずだ」

彼は正しかった。2010年の終わりに、UFCはフェザー級とバンタム級の導入を発表。続いて2012年にフライ級が追加され、スポーツは大きく変化した。その証拠にUFCのパウンド・フォー・パウンドのランキングを見るといい。ランキング入りしている15人のうち、7人(デメトリアス・ジョンソン、ドミニク・クルーズ、コナー・マクレガー、ジョゼ・アルド、フランキー・エドガー、ヨアンナ・イェンドジェイチェク、T.J.ディラショー)は145ポンドかそれ以下の階級に属している。

フェイバー自身は、彼の階級がUFCに誕生した時にはフェザー級のタイトルを失っており、その奪還に2度失敗しているが、WECでのジェンス・パルヴァーやジョゼ・アルドとのスーパーファイトはプロモーションの人気を爆発させるきっかけを作った。彼はチーム・アルファメールの代表として満足してここで立ち去ることもできた。そうしたとしても、スポーツにインパクトを与えた数少ない1人として胸を張ることができたはずだ。

しかし、フェイバーは現役を続行。バンタム級に転向すると、オクタゴンで12試合を戦い、9勝を挙げた。また、自身のチームを通してだけでなく、ジ・アルティメット・ファイターで2度のコーチを務めて次世代のファイター育成にも携わっている。スポーツのアンバサダーである“ザ・カリフォルニア・キッド”にとって、その仕事には終わりがない。それは彼自身が熱心に取り組んでいる活動でもある。

しかし、彼が最終的に目指す地点は2007年のニューヨークにいた時も、2016年の今も変わらない。

「オレのゴールは自分の名前をこのスポーツで伝説級のものにすることだ」と当時のフェイバーは語っていた。「まだこのスポーツは若い。MMAの顔とも言える大物たちが今でもまだ戦っている。オレは世界のベストMMAファイターの1人としてスポーツ史に自分の名を残せるんじゃないかと考えているんだ。それがこのスポーツには必要だ。オレは軽量級でそれを成し遂げる最初のファイターになりたいんだよ」

Faber has been a coach on 'The Ultimate Fighter' twice (Photo by Brandon Magnus/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)(Photo by Christian Petersen/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)(Photo by Nick Laham/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)