ウェルター級の頂点を争う戦いを制したのはその名の通り“ザ・チョーズン・ワン(選ばれし者)”だった。 長きに渡りタイトルを保持してきた王者ロビー・ローラーをいとも簡単に下して王座を奪って見せたのはタイロン・ウッドリー。試合前はアンダードッグとして見られていただけに、喜びもひとしおの勝利となった。しかし、ウッドリー本人は試合の結果を数時間前から予想していたと明かす。 試合前の感情についてウッドリーは次のように振り返った。 「緊張していないことが不安だった。でも、試合を楽しむことだけを考えた。格闘技を10年間以上やってきて、試合を楽しんだことがなかった。今日は試合を楽しむ自信があったし、王者になれると分かっていた」 「どのラウンドでもノックアウトできると思っていたし、何度もそれを想像していた。ローラーはオレのレスリングと右パンチを警戒していたはず。それでも右パンチで倒すための作戦を考えていた」
チャンピオンになるための過程は試合の数時間前から始まっていた。ウッドリーは大会が始まる前の誰もいないフィリップス・アリーナを訪れ、オクタゴンに横たわっていたという。 「客席に誰もいない状態のオクタゴンを感じてみたかった。ファンの声援もなく、プレッシャーを感じていない状態でね。本番でオクタゴンに向かっている時も友達や家族が見えた。みんなを視界に入れないで、コーチの言っていることだけに集中できたと思う」 夢をかなえることに成功したウッドリーは、ニック・ディアスやジュルジュ・サンピエールとのビックマッチを要求している。ウッドリーは、自身が長い間思い描いてきたことが実現したことをさぞ喜んでいるはずだ。 UFC 201の論点に迫る。 リマッチの可能性大 今回、見事に勝利を収めたカロリーナ・コバルケビッチと女子ストロー級ランキング3位のローズ・ナマユナスとの一戦は、次期タイトル挑戦者を決める試合と考えられていた。接戦だったものの、コバルケビッチが判定勝ち、プロ戦績を10勝0敗に伸ばしている(UFCでは3勝0敗)。 UFCスポークスマンのデイブ・ショーラーは白星を挙げたコバルケビッチには「かなり高い確率」で現王者のヨアンナ・イェンドジェイチェクと再戦(コバルケビッチが最後に負けた相手)するチャンスが与えられると語った。
コバルケビッチ自身もそれを望んでいる。 「ヨアンナと試合がしたい。準備はできている。私がまだ同じレベルで戦えないと彼女は言うけれど、私としては十分に太刀打ちできるだけの力はあると思っている。ポーランドの実力派同士の試合をしたい」 「私と試合をするのが怖いのよ」 まだまだ戦えることを証明したエレンバーガー UFC 201に至る6戦のうち5戦で黒星を喫したエレンバーガーは、今回のプロ41戦目を節目とし、引退を考えていたかもしれない。しかし、試合後のエレンバーガーはUFC会長のデイナ・ホワイトに引退はせず、もう1度試合がしたいと要求した。 まだ余力は充分に残っているようだ。 わずか数分の間にウェルター級ランキング9位のマット・ブラウンから2度もノックダウンを奪ったエレンバーガーは圧倒の白星を挙げている。 「今までもタフな試合や逆境を乗り越えてきた。ブラウンとの試合は、タフになると分かっていた。UFCで最もタフな男の1人だからな。完璧な戦法でないといけなかった」 ニキータ・クリロフが再び勝利 UFCキャリアを1勝2敗でスタートさせたニキータ・クリロフはその後の試合に負けたことがない。エド・ハーマンから挙げた勝利を含め、5連続フィニッシュという数字はUFC最長連続フィニッシュ記録となっている。 ライトヘビー級において、5連勝はジョン・ジョーンズの13連勝に次ぐ2番目に長い連勝記録でもある。 この勝利によりクリロフのトップ10入りは確実のはずだ。今後の対戦相手は強豪ぞろいとなるものの、今回のハーマン戦で見せたようなパワーで連勝を狙っていくしかない。 クリロフは次のように抱負を述べた。 「次の対戦相手に勝つだけだ」