まだ肌寒い季節の昨年10月中旬、ニューメキシコ州アルバカーキ郊外にジョナビン・ウェブはいた。次の試合の発表を2カ月後に控ええていたウェブは、故郷から遠く離れた土地でB.M.Fランチ(ジム)のリーダーであり、良きライバルのドナルド・セラーニと共に淡々とトレーニングに励んでいたのだ。 セラーニが建てたポール建築の倉庫風ジムに備えられた板金屋根に強風が吹き付ける中、UFCで名を挙げてきた数々のファイターたちが大音量の音楽を流しながら熱気ムンムンにスパーリングを重ねていた。 練習が終わりに近づくと、壁にもたれながら、セラーニがミットを使った打ち込みに取り組む様子をジッと見つめるウェブ。野獣のような表情をしながらセラーニを食い入るように観察する。それでも、UFCで生き残りをかけて戦う彼にとってはこの環境が最適だと認識したかのように、時間が経つにつれて笑顔を見せ始めた。 トレーニングを終えたウェブは「ランチ(ジム)で、"カウボーイ"と一緒にトレーニングできるのは自分にとってすごく良いチャンスだし、ここ以外でトレーニングするなんて考えられない」と語っている。「最初はポール・フェルダーと一緒に、このジムに来たんだ。ここだと地元ではできないような、幅広くて密度の濃いトレーニングができる。激しくトレーニングした分、思いっきり遊ぶのがここのモットーだから退屈することもないしね。何より、このアルバカーキで世界最強のファイターたちとトレーニングできて、ものすごく自信がつくようになった」 関連情報:ジョナビン・ウェブのプロフィール | ウェブ対コイ【対戦カード】日本時間22日(月)に開催されるUFCファイトナイト・ピッツバーグでネイサン・コイとの試合を控えたウェブはジムでのトレーニングを切り上げ、大会の開催地でもあるピッツバーグにもそう遠くない、地元のニュージャージーに帰省した。約10カ月もの間、オクタゴンに上がっていないウェブにとって、今回の大会は家族や友人の前でエキサイティングな試合を見せ、実力を証明するチャンスとなる。 「オレが育った地域はニュージャージーの中でも、フィラデルフィア側の地域だから、大勢の地元の人に来てもらえると思う。同じジムの"カウボーイ"と、この大会に向けて一緒にトレーニングできたのはすごく良い刺激になった。試合が楽しみだ」 当初は"バムバム"ことブライアン・バーバリーナと対戦することになっていたが、バーバリーナが他の選手と戦うことになり、ネイサン・コイとの試合が決定した。精通したベテランでさえ対戦相手の変更には戸惑いがちだが、ウェブに一切、戸惑いはなかったという。 来る日も来る日も休むことなく、セラーニのような"いつでも、どこでも"戦えるメンタリティーを持ったファイターと同じジムでトレーニングを重ねてきたことで、ウェブも対戦相手の変更に対応できる力を学んだのであろう。 「21日(現地時間)にオレとの試合を受けてくれる人がいただけでありがたいよ。自分にとってはそれが何よりも重要なんだ。コイが契約書にサインしてくれて本当に良かった。レスリング経験者みたいだけど、"カウボーイ"とトレーニングしていると、結局そんなことは関係なくなってくるんだ。大切なのは、自分がどんなパフォーマンスをするか。ファンのために最高のパフォーマンスをして、ファイトマネーを獲りにいくだけだよ」 「おととしは6試合も出場したのに、去年はたった1試合にしか出られなかったからね。今年は最低でもあと3、4試合はこなして、トップ20には入りたい。もうすぐ子供が生まれるし、家族を養っていかないといけないから、しっかりUFCで自分の強さを証明していきたい」