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UFCファイトナイト・オタワの注目カード:アルビー対セオドル

 



日本時間6月19日(日)、ウェルター級のトップコンテンダー対決、ローリー・マクドナルド対スティーブン・トンプソンをメインイベントとするUFCファイトナイトはオクタゴンが初お目見えするオタワのTDプレイス・アリーナを舞台に、日本時間7時45分から刺激的な4試合で幕を開ける。

ジアン・エレーラ vs. アリ・バガウティノフ

オクタゴン戦績3勝2敗というアリ・バガウティノフがなぜフライ級のトップ10にランクされているのか、不思議に思う人もいるだろう。しかし、バガウティノフはジョン・リネカー、ティモシー・エリオットら強豪に勝っている一方で、黒星を喫した相手といえばデミトリアス・ジョンソンとジョセフ・ベナビデスだというから納得である。バガウティノフには確かな実力があり、スタイル的には誰と戦っても脅威の存在になり得る選手なのだ。このことは新人のジアン・エレーラにはありがたくないニュースだ。しかし、フロリダ出身のエレーラはUFCデビュー戦こそ、ショートノーティス(試合直前になってからの出場依頼)のオファーを引き受けてレイ・ボーグに負けてしまったものの、昨年12月にはジョビー・サンチェス戦を勝利で飾って体勢を立て直し中の逸材。マッチメーカーのショーン・シェルビーも、彼ならこの大きなステップアップのチャンスをつかんでくれるだろうと、その高い潜在性に期待をかけている。経験値ではバガウティノフに一日の長(ちょう)があるが、エレーラが期待通りの試合を見せてくれれば、結果はおのずとついてくることだろう。



コルビー・コンビントン vs. ジョナサン・メウニエ

理論上は、誰しもショートノーティスのUFCデビュー戦で、コルビー・コンビントンと戦いたいとは思わないものだ。アメリカン・トップチームの逸材コンビントンは、フィニッシュ狙いの勢いのあるレスラーで、前回は新星ワーレイ・アウヴェスに一本負けを喫したものの、それも自分の肥やしにしているはずで、決して失速してしまうような負けではなかったのだ。

そのコンビントンと対戦するのがケベック・シティー出身のジョナサン・メウニエ、トライスターのチームメイト、アレックス・ガルシアの代打出場である。MMA戦績は7勝0敗、全試合をフィニッシュさせており、うち5試合がノックアウト、ニックネームはアンデウソン・シウバにちなんで”ザ・フレンチ・スパイダー(フランスのクモ)”だ。実績は申し分ないものだが、こうした試合では通常はレスラー有利、つまりこの場合であればコンビントンが有利だとされるものだ。コンビントンのUFCでの経験を加味すると、メウニエにとっては厳しい一戦となるだろう。ただし繰り返すが、あくまで理論上はそうなる、ということである。メウニエのコーチはMMA業界随一の切れ者、フィラス・ザハビであることを思えば、この新人が技術的にもすでに十分仕上がっていることも期待できる。あとは実行あるのみだ。



ジョセリン・ジョーンズ・ライバーガー vs. ランダ・マルコス

ジョセリン・ジョーンズ・ライバーガーもまた、ショートノーティスの試合を引き受けることで、UFCファイターとしての居場所をつかみ取った選手である。UFC 194ではテシア・トーレスに負けてしまったものの、今回のランダ・マルコス戦ではオクタゴンで勝ち星を拾うチャンスだ。ジョーンズ・ライバーガーには派手さはないが、肝が据わっていて勝ち方を知っているという意味で、ミーシャ・テイトに似たところがある。コーチのジョン・クラウチと、所属先のアリゾナ州MMAラボのおかげもあって、ジョーンズ・ライバーガーはストロー級を騒がせる存在になる素質十分だ。といいつつも他方で、おそらくランダ・マルコスほどハングリーなファイターはこの階級に他にはいない。過去3戦で2敗を喫しているマルコスは、これからタイトル挑戦を目指すためにも、今回はどうしても勝っておきたいところだ。マルコスはカナダでは4勝0敗とホームアドバンテージがある。もっとも、トライスターで1試合を行った後、ミシガン・トップチームにフルタイムで復帰したことは、彼女の復調につながるのかどうか。あと数日で答えが出る。



サム・アルビー vs. エリアス・セオドル

アーリープレリムは好試合必至だ。ミドル級屈指の2人のカリスマによる試合前の話題作りが楽しかったから、ということだけではない。サム・アルビーはデレク・ブランソンにノックアウト負け、エリアス・セオドルはチアゴ・サントスに判定負けと、両者とも前回の試合は負けているのである。敗戦は選手にいろいろな形で影響をおよぼすことがある。アルビーは鉄のアゴを破壊されてしまい、セオドルはブラジルのノックアウトアーティストとの根性あふれる3ラウンド戦を堂々と戦ったものの、キャリア初の黒星を喫してしまった。今回2人はどんな戦い方を見せるだろうか。セオドルは慎重さ(とグラップリングゲーム)を忘れてアルビーと打ち合うのだろうか。アルビーは今回初めて、用心深い試合をすることになるのだろうか。セオドルはプロ初黒星を引きずってはいないだろうか。アルビーはさらなるノックアウト勝利を積み上げて、ミドル級での出世街道に戻れるだろうか。かねがね指摘しているように、最高の試合とは、いろいろな疑問が湧いてくる試合のことをいう。この試合はその基準を十分に満たしている。

UFCファイトナイト・オタワの模様はすべてニコニコ生放送で完全生中継される。