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UFCファイトナイト・ラスベガスの論点に迫る:トンプソン飛躍、パンク正念場

 

ファイトウイークに入ってからのスティーブン・トンプソンは、必ずジョニー・ヘンドリックスに勝つ、なぜなら元ウェルター級王者は自分のような選手と対戦したことがないからだ。そう繰り返し語っていた。

そして彼は約束を守った。まず、ヘンドリックスがテイクダウンを決めても、トンプソンは立ち上がる。そして、ヘンドリックスが突進してきた時には、その場にいないという、天才的な動きで相手を疲れさせる。その上でトンプソンは知能的かつ効果的に打撃を放ち、最終的にはヘンドリックスを圧倒、ノックアウトに追い込んだのだった。

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「あのキックは厄介だった」とヘンドリックスは大会後の記者会見で認めている。「トレーニングでは、自分が距離を詰めると、相手は打撃で応戦してきた。でもトンプソンは応戦してこない。ひたすら、動き続けたんだ」

MGMグランド・ガーデン・アリーナに入場してきた”ワンダーボーイ”は、退場するときには栄光を目指すハングリーなスーパースター、”ワンダーマン”に成長していたのである。

今回のラスベガス大会の論点に迫る。

1.スター誕生:ワンダーボーイ

トンプソンがヘンドリックスに勝ったことだけが論点なのではない。その勝ち方こそが論点なのである。プロ戦歴20戦の”ビッグ・リグ”ことヘンドリックスをフィニッシュした選手はこれまでにいなかった。それなのにトンプソンは、ヘンドリックスをすっかり粉砕してしまったのである。

試合が始まるといきなり、ヘンドリックスはトンプソンを押し倒し、顔面を数発殴りつけた。しかし”ワンダーボーイ”はひるむことなく、立ち上がるとすぐにペースを取り戻す。

 



「ヘンドリックスにケージに押し込まれたけれど、そこからいったん脱出したら、それからは安心して戦うことができた」とトンプソンは語っている。「あのテイクダウンに対応できて、スタンドに戻せるのであれば、僕の勝ちだと思っていた。まさにそれをずっと練習してきたし、試合で実行したんだ」

そこからはめくるめくような展開だった。トンプソンは空間を制し、ヘンドリックスの体勢を崩し続け、強烈な打撃をヒットさせる。いつものようにキックも素晴らしかったが、今回ヘンドリックスを完全に圧していたのは、堅い左ストレートと、キレのあるコンビネーションの猛攻撃だった。

試合後のトンプソンはタイトル挑戦をぶち上げている。元チャンピオンをノックアウト葬。このようなパフォーマンスこそ次期挑戦者にふさわしい。今後の発表を待つ必要があるものの、”トンプソン vs. ロビー・ローラー”、確かに悪くない。

「ジョニー・ヘンドリックスを倒した。トップランカーで、元ウェルター級チャンピオンだ。だから僕はタイトル挑戦に名乗りをあげたい」とトンプソンは語った。「挑戦者がほかにたくさんいることは知っている。でもこんな試合をした以上、僕にも資格があるだろう」

2.CMパンクの対戦相手がついに決定

ミッキー・ガルがマイク・ジャクソンを下して、元WWEスーパースター、CMパンクとの対戦を決めた後、パンクはバックステージでUFCレポーターを務めるミーガン・オリビのインタビューに応じた。

パンクがMMA転向を発表してから14カ月が経過。やっと対戦相手が決まったことにホッとしているとパンクは語っている。

「2月なのにクリスマスみたいな気分だよ。燃えてきた。ミッキー・ガルにはおめでとうと言いたい。本当に気分の良い若者のようだ。まあ、これから顔面を殴り合う相手にこんなことを言うのもヘンだけどね。楽しんでいるかいと彼に尋ねてみたら、それはもう、大騒ぎで楽しんでいます、ということだった。それが何より大事なことだ」

 



ガルのデビュー戦を見守ったパンクはセコンド目線で見ても、試合時間が短すぎて、ほとんど情報は得られなかったと述べている。パンクは、おそらく両選手とも、似たようなゲームプランを持って今回の試合に臨んだのではないかと分析した。

「彼も僕も、お互いにナゾだよね」とパンク。「彼も僕への対策はできないだろうから、自分がやるべき練習をするだけなんだろうと思う。それはこちらも同じことだ」

名コーチ、デューク・ルーファスのもと、ルーファス・スポーツで練習をしている37歳のパンクにとって、ここからが正念場だ。パンクはこう明かす。

「これからすべてが変わっていく。すべての技術を使いこなせないといけないし、僕の集中力も変わってくる。毎日ジムに行くことは今でも楽しいけれど、これからは新たな段階に入ってくると思う」

3.ミッキー・ガル、CMパンク戦のチケットを確保

UFCファイトパスのリアリティ番組“デイナ・ホワイトが行く、戦士を探せ”でCMパンクを挑発して以来、ミッキー・ガルは大きなプレッシャーを背負ってきた。

マイク・ジャクソン戦を控えたファイトウイークのガル(戦績1勝0敗)は、スポットライトには関心がなく、自分のファイターとしてのスキルを信じているという態度を崩すことがなかった。そしてラスベガスでのジャクソン戦本番で、ガルはそのことを証明したのだ。

 



「今回の経験全体がとても楽しかった。メディア対応でさえね」とガルは語っている。「UFCデビューにあたっては、嫌がられるよりも多くの愛を受け取った。CMパンク戦の準備はもうできている」

元WWEスーパースターのパンクはオクタゴンのサイドでガルの45秒の一本勝ちを観戦、試合後にはオクタゴンに上がってガルと言葉を交わし、記念撮影をして将来の試合を誓い合った。

「パンクと話ができたことは本当にクールだった。でも、もう練習に戻らないと。ジムに行くのは大好きなんだ。全然飽きない。すぐにでも戻るつもりだよ」とガルは述べている。

4. ジョセフ・ベナビデスが”本領発揮”

現在4連勝中、過去8戦で7勝している選手に向かって、さらに進歩せよとはなかなか言えることではない。しかし、ジョセフ・ベナビデスは自分自身に、本来の自分が発揮できていない、と言い聞かせてきた。

 



だからこそ、ベナビデスはチーム・アルファメールを離れ、地元サクラメントからニューメキシコ州アルバカーキーに向かい、そこからコロラド州デンバーに赴いたのだった。精彩を欠いていたと自己評価している数試合を経て、すべてを作り直すために、そして本領を発揮できるようになるために。

「4連勝中なのにうまくいっていない感じがするなんて、自分でもある種クレイジーだとは分かっているんだよ」とベナビデスは語っている。

「確かに僕は対戦相手よりは強かった。でも、最高のジョセフ・ベナビデスよりは弱かったんだ。ベストな自分を出せていなかったからね。今回の試合では、その部分で少しは進化した姿をお見せしたつもりだ」

確かにベナビデスのフットワークは鋭く、打撃もここ数年で最高の出来だった。新たな気持ちで試合に取り組めたことについて、ベナビデスは元コーチのデュエイン・ラドウィッグのおかげだと語っている。

ベナビデスは今後もラドウィッグをはじめとするトレーニングパートナーたちと引き続き高め合っていきたいと述べた。

「遠慮しないで言うと、気分はとてもいい。今回のようなキャンプをやってみた甲斐があった。デュエインとの打撃練習は、いつもいい感じなんだ、これからもずっと、選手としてベストだと思うことをやっていくつもりだ」

「チーム・アルファメールの仲間たちはこれからも変わらず家族だと思っているし、みんなも僕がたとえ別の場所で練習しようとも支えていてくれる。ただ、僕はコロラドでのトレーニングでいい感触を得ている。特にキャリアの現時点では、進化を続けること、技術を総合していくこと、慣れ親しんだ居場所に甘えないことが大事になってくるからね」