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UFCファイトナイト・ロンドンの論点に迫る:ビスピンとシウバ

 

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ロンドンのオクタゴンで繰り広げられたマイケル・ビスピンとアンデウソン・シウバの激闘は多くのファンに期待されていた対戦カードであったものの、数年前に行われるべき試合だったのは間違いない。

とはいえ、待望のマッチアップにしては珍しく、タイミングに関係のない素晴らしい試合内容だったと言えるだろう。

 



ロンドンだろうと40歳を迎えようと、今なお軽快な守備が健在であることを示したシウバは相変わらずのシウバだった。確かにフットワークは多少遅くなり、100%の状態とは言えなかったが、80%であれ、オクタゴンに一歩足を踏み入れればシウバが偉大なるファイターであることに変わりない。

母国イギリスでの試合を前に、いつもと同じくメディアを通して着実にシウバに心理戦を仕掛けていったビスピンは秘策を持っているようでもあった。冷静さと集中力を維持したビスピンはこれまでの全キャリアを通して無縁だった大金星を勝ち取るべく、虎視眈々(こしたんたん)と準備に励んでいたのである。

オクタゴンではシウバが彼らしい、引いたり押したりを繰り返す立ち技を駆使した試合展開を見せ、ビスピンとの真っ向勝負に挑んだ。結果は判定に委ねられたものの、第1ラウンドと第2ラウンド、さらに第4ラウンドを制したビスピンが3人のジャッジによる満場一致のユナニマスデシジョンで勝利を手に入れている。

UFCファイトナイト・ロンドンの論点に迫る。

シウバを相手に夢の勝利をつかんだビスピン

いつもの“論点に迫る”シリーズでは大会中に起こった重大なシーンを取り上げていくのだが、今回は一点に限られる。

地元ファンの前でアンデウソン・シウバから勝利を収めたことの意味について聞かれると、涙をこらえきれなかったビスピン。何しろ今回の勝利は“ザ・カウント”ことビスピンにとって、最も意味のある勝利だったのだから。

しかも、これ以上ない場所と最高のタイミングで。

「あのアンデウソン・シウバを相手に、地元のO2アリーナで、満員のお客さんの前で試合するなんて、子供のときの夢がかなったみたいだ。試合自体は戦争みたいなものだったけどね。でもファンも楽しんでくれたと思うし、オレもすごく楽しく試合ができて、その上勝つことができた。これ以上のことはないよ」

 



試合の最大の争点は第3ラウンドが残り数秒になった場面、ビスピンがマウスピースを落とした時に起こった。ビスピンがレフェリーのハーブ・ディーンに試合の一時停止を求めたものの、ディーンはそれを無視。

ビスピンがまさにレフェリーを見つめたその時、シウバが飛び蹴りを食らわせ、ラウンド終了の合図と同時にビスピンをマットに沈めたのだ。勝ったと思い込んだシウバは勝利の仕草を見せる。何とも凄まじいシーズンだったとはいえ、長い話をまとめて言えば、レフェリーのディーンはビスピンにマウスピースを戻すために試合を止めるでもなく、飛び蹴りを決めたシウバを勝者と見なすのでもなく、次のラウンドに進ませた。結果、ビスピンは第4ラウンドで巻き返しを図るチャンスを得る。

膝蹴りによるダメージを残しつつも、ビスピンは試合続行を決意していた。

試合後に「もちろん試合を続けたかったさ」と語ったビスピンは「体の中に息が残っている間は必ず戦い続けるよ。第3ラウンドが終わった時に、正直何が起こったか分からなかったんだ。“頼むからこれで終わらせないでくれ、オレはまだ大丈夫だから”って思っていたよ」と振り返っている。

ビスピンは試合前、シウバは卑怯者であり、二度と昔のようには戦えないだろうと罵倒している。それもすべて彼の戦法の一つなのかもしれない。

妥当な戦法だと言っていいだろう。偉大なファイターであり、UFC史に名を残してきている、かのアンデウソン・シウバが相手だからだ。そんなビスピンも、試合終了後には自身が総合格闘技を始めた頃から、シウバをアイドルのように尊敬していたと明かした。

「試合前にはいろいろ言ったかもしれない。でもアンデウソン・シウバには尊敬しかないよ。彼は過去最高のファイターだし、自分にとってもこの試合はチャレンジだった。確実に今までで一番デカい勝利だよ」