女子バンタム級はここ8カ月で激しい変化を見せている。長きに渡り女子バンタム級タイトルを保持していたロンダ・ラウジーはUFC 193でホリー・ホルムに敗れて以来、オクタゴンには上っていない。
ラウジーを撃破して女子バンタム級の顔となったホルムだが、王者としての期間は短いものだった。“ザ・プリーチャーズ・ドーター”ことホルムはミーシャ・テイトに王座を明け渡し、テイトもその後に行われたUFC 200でアマンダ・ヌネスに敗れ、タイトルを手放している。ホルムの不調はUFCファイトナイト・シカゴでも続き、ワレンチナ・シェフチェンコを相手にユナニマス判定(49-46、49-46、49-46)で黒星を喫してしまった。
今回の敗北により、キャリア初めての連敗を味わったホルム。王座獲得以降の8カ月で2連敗したとあってはランキングの後退は避けられないだろう。
「ボクシングであろうと、MMAであろうと、自分が頂点に立ったと思ったことは一度もない。いつも誰かしら頂点を目指している人がいる。階級を制したと思ったことはないし、頂点にとどまるって考え方をしてきた。常に自分よりハングリーで、自分より上達しようとしている人がいる。競争心が高い女子ファイターが多くいるのは分かっている。特にバンタム級はそれが厳しい」
総合格闘技は容赦のないスポーツだ。
対するシェフチェンコはUFC2勝目を手に入れ、唯一の負けを喫している相手である王者アマンダ・ヌネスとの再戦を要求した。
大荒れとなっている女子バンタム級はヌネス、ラウジー、ホルム、テイト、そして今大会で大金星を挙げたシェフチェンコが主に存在感を発揮している。ジュリアナ・ペーニャも外せない。
女子バンタム級は競争が激化する一方と言っていいだろう。
UFCファイトナイト・シカゴの論点に迫る。
シェフチェンコとホルムの今後の方向性
女子バンタム級ランキング2位につけていたホルムに勝利し、現王者のヌネスとも接戦を繰り広げた経験を持つシェフチェンコはこれでまたタイトルに一歩近づくことになった。
シェフチェンコにとっての問題は、タイトル挑戦を求めているコンテンダーが多くいることだろう。今年中に復帰がささやかれているラウジーだけでなく、キャット・ジンガノとの対決に勝利し、現在UFC無敗記録を誇るペーニャもタイトル挑戦権を狙っているファイターだ。
しかし、シェフチェンコの目標は明確だ。
「アマンダとは一度対戦しているし、あの時は彼女が強かったから負けたのではなくて、私が彼女にチャンスを与えすぎただけ。次に対決する時は必ず倒す」
ボクシングの世界王者に18度輝いているホルムは早いペースでMMAに慣れていったものの、まだまだ総合格闘家として学ぶべき点は多い。
打撃を中心に攻め立てるホルムは、サイズのわりには動きがスローな部分がある。シェフチェンコはスピード面での利点を生かし、ホルムのコンボ技をすべてカウンターで返していた。当たれば効果的なホルムのキックだが、その命中率は改善が必要だ。
ホルムはニューメキシコ州アルバカーキに戻り、次戦の前に自分を見つめ直す時間が必要になるだろう。いずれにせよ次戦に敗れることは許されない状況に追い込まれている。
蹴りで勝利を引き寄せたバルボーザ
前Strikeforce王者のギルバート・メレンデスの足を徹底的に痛めつけたエドソン・バルボーザに対し、第3ラウンド終了後のメレンデスは片足で歩くのが精いっぱいであった。
どの偉大なピッチャーにも得意な球種があるように、バルボーザにも得意な蹴りがある。それが相手のヒザをアザだらけにするキックだ。驚異的なパワーとスピードを持つバルボーザの足技は相手をさまざまな角度から攻撃することができる。
豪快なスタイルで直近2試合に勝利しているバルボーザはこれでライト級のトップレベルの仲間入りを果たしたと言っていいだろう。前試合では元王者であるアンソニー・ペティスも下している。
バルボーザの次なる対戦相手として考えられるのは現在ランキングトップ3に入っているハビブ・ヌルマゴメドフ、ハファエル・ドス・アンジョス、またはバルボーザに一度勝利しているトニー・ファーガソンだろう。
3戦連続でKO白星を挙げたフランシス・ガヌー
フランシス・ガヌーの飛び抜けた肉体の凄さは一目見れば分かるはずだ。
ガヌーの活躍は一気にヘビー級ファイターの注目を集めることとなった。

短時間でボヤン・ミハイロビッチを沈めて見せたガヌーは3試合連続でKO勝利を飾っている。オクタゴンの外からガヌーの試合を観戦していた同じ階級のベン・ロズウェルは、ガヌーがまだ本物の実力を持ったヘビー級ファイターと対戦していないと語り、感心していない様子だった。
ロズウェルは正しいかもしれない。キャリア通算8試合しか経験していない29歳のガヌーの実力はまだ開花の過程にある。有望株を欲していたヘビー級にとってガヌーの活躍には今後も期待していいはずだ。
復帰戦に勝利し、女子ストロー級での地位を取り戻したヘリッグ
フェリス・ヘリッグがジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン20を経験したファイターとして女子ストロー級で活躍していたのはそう昔の話ではない。
ヘリッグの性格や見応えのあるファイティングスタイルは彼女を人気者に押し上げた。しかし、ペイジ・ヴァンザントに喫した痛い敗北後にヘリッグは、個人的な問題の処理や格闘技に再び集中するためにオクタゴンを離れていた。
女子ストロー級で活躍するファイターにとって長い間のブランクは深刻な問題となる。まだ若い同階級で、ヘリッグの経験と才能は生きてくるはずだ。一度はトップ10入りを果たし、ケイリン・カランを相手に女子ストロー級史上2番目に早いサブミッション勝ちを決めたヘリッグのランキング上昇を期待しよう。