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UFCファイトナイト・タンパの論点に迫る:戦線一歩前進

 

UFCファイトナイト・タンパにはタイトルマッチがなかった・・・いやはや、そんなことは問題ではない。

大会の2週間前から度重なるカード変更に見舞われたが、それでも同大会で行われた試合は結果的に、各階級の今後のタイトル戦線に大きなインパクトを残すこととなった。

グローバー・テイシェイラ、ローズ・ナマユナス、ハビブ・ヌルマゴメドフはいずれもきっちりと勝利を収めて将来のタイトル挑戦に踏みとどまり、マイケル・キエーザとジョン・ドッドソンは決定的なフィニッシュで今後のビッグファイトを手中にしたのだ。

UFCファイトナイト・タンパの論点に迫る。

1.戦線一歩前進

ライトヘビー級の花といえば、普通はジョン・ジョーンズ、ダニエル・コーミエ、アンソニー・ジョンソン、アレクサンダー・グスタフソンのことを指す。しかし、今回グローバー・テイシェイラは自分の存在も忘れるなと世界にアピールした。

テイシェイラは元王者のラシャド・エバンスをメインイベントの第1ラウンドでノックアウト、地味ながらもUFCでも最も優秀な戦歴に、さらなる重要な白星を付け加えた。

テイシェイラはUFCでは元王者ジョン・ジョーンズ戦を含み2敗を喫しているが、ライトヘビー級ランキングの上位を維持し続けている。そのジョーンズは日本時間4月24日(日)開催予定のUFC 197で、オヴィンス・サン・プルーを相手に暫定王座戦に臨み、さらにその勝者がコーミエに挑戦することが濃厚だ。テイシェイラがタイトルに挑戦する機会は近い将来にはなさそうだが、彼には彼の考えがある。

 



「”ランブル”ことアンソニー・ジョンソンも待ちぼうけはしたくないだろう。だから一緒に踊ろうじゃないか」とテイシェイラは語っている。「”ランブル”にもタイトル挑戦の資格はある。でも、コーミエとジョーンズの昼メロを見てみろ。待っていても、これから何が起きるか分からんぞ」

ジョンソンに勝つこととなれば、テイシェイラのタイトル再挑戦は確実なものとなるだろう。

2.爪痕を残す

ジ・アルティメット・ファイター・シーズン20のフィナーレでカーラ・エスパルザに敗れて以来、ローズ・ナマユナスの道をさえぎるものは何もなくなった。テシア・トーレスも例外ではなく、ナマユナスは前回負けたトーレスにユナニマス判定勝ちで借りを返した。リズムに乗るために必要だったのは、わずか1発の打撃で、ナマユナスは強烈なジャブでトレスに衝撃を与え、ファンを煽(あお)って総立ちにさせたのだ。

「今回の合宿では生涯最大の猛練習をしてきた」とナマユナスは明かしている。「おかげで自分を信じることができるようになった」

この勝利でナマユナスは女子ストロー級のタイトル挑戦権を確保したとみる向きも多い。もちろん彼女は、ヨアンナ・イェンドジェイチェク対クラウディア・ガデーリャ戦の結果を待たなければならない状況だ。とはいえ、トップ7の2人の選手に勝ち、さらにスタンドでのリアネイキッドチョークという珍しい技でアンジェラ・ヒルを締め落としたとなれば、ナマユナスの名前が次期タイトル挑戦者リストの一番上に来ないとおかしい。

エスパルザ戦敗退以降の彼女の成長は明らかだ。試合を派手にフィニッシュする能力ではおなじみのナマユナスだが、今回の試合で見せた辛抱強さや戦略的なゲームプランは、ある意味これまでで最もコンプリートなでき映えだったといえるのかもしれない。

3.ドッドソン、強烈なる復帰

高い期待が集まっていたUFCファイトナイト・タンパでのジョン・ドッドソンのバンタム級復帰戦。元王者T.J.ディラショーに土を付けた、たった3人の選手の1人であるドッドソンは、ベテランのマニー・ガンブリヤンを1ラウンド、わずか36秒でノックアウトし、期待にこたえて見せた。

これでドッドソンのこの階級での可能性は大きく広がり、次の試合にあらゆる選択肢が開けた。ドミニク・クルーズとユライア・フェイバーがUFC 199でベルトをかけて戦う間、ドッドソンにはディラショーとの再戦なり、別のトップクラスの選手との対戦なりが組まれることだろう。

試合後にインタビュアーのジョー・ローガンから今後のいろいろな可能性について尋ねられたドッドソンは次のように答えている。「いろんな可能性とか、一体どうしてキミはそんなことを言っているんだ? キミの隣に立っているのは新王者なんだよ。ディラショーはずっと、あれはまぐれだったと言っているが、あれはまぐれなんかじゃない。今度は永遠に眠らせてやるよ」

ドッドソンが新しいUFC公式ランキングで何位に付けることになるのかが楽しみだ。

4.キエーザに遠慮なし

昨年12月にジム・ミラーを下したマイケル・キエーザはトップ10クラスの対戦相手とやらせろとアピールしていた。今大会で願いがかなえられたキエーザは、驚異の結果を出して見せた。ライト級ランキング7位のベニール・ダリウッシュに、キャリア初の一本負けを味わわせたのだ。

これでキエーザはリアネイキッドチョークで5勝を飾ったことになる。これは史上第2位の記録だ。キエーザは現在3連勝中で、試合後にはオクタゴン上でまたしても、UFCマッチメーカーに注文を付け、次のようにぶち上げたのだった。「トニー・ファーガソン! 貴様とオレとでメインイベントだ。やろうじゃないか!」

この階級の上位6位までの選手で、今のところ対戦相手が決まっていないのはファーガソンだけだ。キエーザがこの試合で勝つことになれば、さらなる高みへと上っていくことになる。彼の願いは再びかなえられるだろうか?

5.相変わらずの仕事ぶり

さすがのハビブ・ヌルマゴメドフも目の前にいない人と戦うことはできない。ランキング4位のトニー・ファーガソンと拳を交えることができなかったヌルマゴメドフは、名人級のパフォーマンスで代役ダレル・ホーチャーを2ラウンドのテクニカルノックアウトに葬った。

 



ヌルマゴメドフの戦績はこれで23勝0敗、今回が2度目のフィニッシュ勝利である。もっとも、王者ハファエル・ドス・アンジョスはすでにエディ・アルバレス戦が決まっており、ヌルマゴメドフの今後は不透明だ。今回のヌルマゴメドフは2014年4月以来の試合となったが、その前回の試合で彼が下したのがドス・アンジョスであった。

ヌルマゴメドフはさらに勝ち星を重ねるべきであろうか、それとも階級2位というポジションを維持したまま、タイトル挑戦を待つべきなのだろうか。

「身体が休息を求めている」とヌルマゴメドフは明かしている。「6月にラマダン(断食月)が始まるから、次の試合は9月か10月がいい。あるいは、ニューヨークには数百万人のロシア系住民がいるから、ニューヨークの大会に出場するのもいいね」