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A detail view of the scale reading 155.5 pounds after Charles Oliveira of Brazil failed to make weight, vacating the UFC lightweight championship
計量

UFCの階級を知る

規定体重と許容範囲

総合格闘技(MMA)の世界では、アスリートたちは体重別の階級で戦う。試合日の前日に行われるUFCの公式計量で、アスリートたちは体重を特定の重量、もしくはその周辺に収めなければならない。

現在、UFCには12の階級があり、そのすべてでファイターたちには制限以下に体重を収めることが求められる。一般的に、ファイターたちは要求される重量をクリアしつつ減量を最小限にすべく、正確なリミット通りの体重を目指す。



規定の体重に収められなかった場合、アスリートは一定の割合のファイトマネーを対戦相手に渡すか、相手との合意に基づいて特定の階級にあてはまらない試合として戦うか(キャッチウェイト)、試合そのものがキャンセルになるかだ。

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UFC公式計量は試合日の前日に実施され、各アスリートには現地時間9時から11時の間に計量を行うことが義務づけられる。その州のアスレチックコミッションの規定、ならびに求められる重量のいずれか、もしくは双方によって、計量に失敗した選手には超過した分の重量を減らし、再度の計量に臨むための時間が追加で与えられる。



非タイトル戦については、アスリートたちは各階級のリミットより1パウンド(約450グラム)まで超過可能。一方、タイトル戦では特定の重量ぴったり、もしくはそれを下回るように調整することが義務づけられる。



厄介と思うだろうか――そう、実際にややこしい。UFCの階級を理解する上で重要なポイントを説明する。



ストロー級:115パウンド(約52.2kg)

Zhang Weili of China punches Carla Esparza in the UFC strawweight championship bout during the UFC 281 event at Madison Square Garden on November 12, 2022 in New York City. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
Zhang Weili of China punches Carla Esparza in the UFC strawweight championship bout during the UFC 281 event at Madison Square Garden on November 12, 2022 in New York City. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)

ストロー級は現在のUFCで最も軽量な階級であり、女子4階級の1つでもある。2014年に元女子ストロー級王者であるカーラ・エスパルザがローズ・ナマユナスを下し、初代チャンピオンになった。それ以降、この階級ではヨアンナ・イェンドジェイチェクやローズ・ナマユナスなど、多くのUFCレジェンドたちが活躍している。



非タイトル戦において1パウンドの超過が許されるため、ストロー級のアスリートたちは最大で116パウンド(約52.6kg)に収めればよい。タイトル戦の場合、アスリートたちには115パウンド以内に収めることが義務づけられる。





フライ級:125パウンド(約56.7kg)

Alexandre Pantoja of Brazil awaits the judges decision in the UFC flyweight championship fight during the UFC 296 event at T-Mobile Arena on December 16, 2023 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
Alexandre Pantoja of Brazil awaits the judges decision in the UFC flyweight championship fight during the UFC 296 event at T-Mobile Arena on December 16, 2023 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)

男子と女子の両方にある3つの階級の最初の1つがフライ級だ。男子フライ級と女子フライ級には2023年に新チャンピオンが誕生し、アレクサ・グラッソが3月に実施されたUFC 285で女子のベルトを、アレクサンドル・パントーハが7月実施のUFC 290で男子のベルトを手にした。パントーハはUFC 296でコンテンダーのブランドン・ロイバルを退け、タイトル防衛に成功している。



非タイトル戦においてフライ級のアスリートたちは最大で126パウンド(約57.2kg)に収めればよい。タイトル戦の場合、アスリートたちには125パウンド以内に収めることが義務づけられる。



2020年には元王者のデイブソン・フィゲイレードがジョセフ・ベナビデスとのフライ級タイトルマッチに臨む予定だった。しかしながら、フィゲイレードは計量で127.5パウンド(約57.8kg)と、タイトルマッチ制限を2.5パウンド(約1.1kg)超過してしまった。この試合には勝利したフィゲイレードだったが、計量ミスにより王座に就くことはならず、5カ月後にリマッチの機会を与えられている。



バンタム級:135パウンド(約61.3kg)

Sean O'Malley reacts after his knockout victory over Aljamain Sterling in the UFC bantamweight championship fight during the UFC 292 event at TD Garden on August 19, 2023 in Boston, Massachusetts. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)
Sean O'Malley reacts after his knockout victory over Aljamain Sterling in the UFC bantamweight championship fight during the UFC 292 event at TD Garden on August 19, 2023 in Boston, Massachusetts. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC)

男子と女子の両方に置かれたもう1つの階級がバンタム級。この階級には世代を代表する数名のアイコニックなアスリートが存在し、壮大な試合が行われてきた。女子MMAのパイオニアの1人であるロンダ・ラウジーは、そのレガシーを女子バンタム級で築いている。タイトル防衛6回を数えるのみならず、ラウジーは女子バンタム級の初代王者だった。



男子ではUFC 299で元王者アルジャメイン・スターリングを第2ラウンドでテクニカルノックアウトした“シュガー”ことショーン・オマリーがタイトルを保持。オマリーはUFC 299で“チト”ことマルロン・ヴェラを相手に初の防衛戦に臨む。



非タイトル戦においてバンタム級のアスリートたちは最大で136パウンド(約61.7kg)に収めればよい。タイトル戦の場合、アスリートたちには135パウンド以内に収めることが義務づけられる。



フェザー級:145パウンド(約65.77kg)

Alexander Volkanovski of Australia reacts to his win over Yair Rodriguez of Mexico in the UFC featherweight championship fight during the UFC 290 event at T-Mobile Arena on July 08, 2023 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
Alexander Volkanovski of Australia reacts to his win over Yair Rodriguez of Mexico in the UFC featherweight championship fight during the UFC 290 event at T-Mobile Arena on July 08, 2023 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)

男子と女子の両方に存在する最後の階級がフェザー級だ。その起源は2010年にWECの145パウンド級を吸収したことにある。UFCフェザー級はファンからの期待がきわめて高い試合が行われてきた階級であり、その中には初代フェザー級王者のジョゼ・アルドと、アイルランドのスーパースターであるコナー・マクレガーによるタイトル戦などがある。現在はアレキサンダー・ボルカノフスキーが男子のタイトルを保持しており、直近で女子フェザー級チャンピオンだったのは引退したアマンダ・ヌネスだ。



非タイトル戦において、フェザー級のアスリートたちは最大で146パウンド(約66.22kg)に収めればよい。タイトル戦の場合、アスリートたちには145パウンド以内に収めることが義務づけられる。



ライト級:155パウンド(約70.30kg)

 Islam Makhachev of Russia reacts after his knockout victory against Alexander Volkanovski of Australia in the UFC lightweight championship fight during the UFC 294 event at Etihad Arena on October 21, 2023 in Abu Dhabi, United Arab Emirates. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
Islam Makhachev of Russia reacts after his knockout victory against Alexander Volkanovski of Australia in the UFC lightweight championship fight during the UFC 294 event at Etihad Arena on October 21, 2023 in Abu Dhabi, United Arab Emirates. (Photo by Chr

UFCライト級は才能ある選手の層が最も厚い階級の1つとして知られている。近年はUFC殿堂の一員であり、元チャンピオンのハビブ・ヌルマゴメドフが引退したことで、広く注目を集めてきた。



現ライト級王者のイスラム・マカチェフはUFC 280でチャールズ・オリベイラを倒し、王座に就いている。その以前、ライト級チャンピオンは空位となっていた。これは、オリベイラがUFC 274に組まれたジャスティン・ゲイジーとのタイトルマッチの計量で規定を0.5パウンド超過(155.5パウンド)して試合に臨み、ゲイジーが勝利していればゲイジーが王座奪取を決めていたが、結果的にオリベイラが勝利したことで空位のままとなった。



マカチェフは以来、UFC 284とUFC 294に組まれたアレキサンダー・ボルカノフスキー戦で2度のタイトル防衛に成功し、トップの座を守っている。



非タイトル戦においてライト級のアスリートたちは最大で156パウンド(約70.76kg)に収めればよい。タイトル戦の場合、アスリートたちには155パウンド以内に収めることが義務づけられる。



ウェルター級:170パウンド(約77.1kg)

 Leon Edwards of Jamaica faces Colby Covington in the UFC welterweight championship fight during the UFC 296 event at T-Mobile Arena on December 16, 2023 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
Leon Edwards of Jamaica faces Colby Covington in the UFC welterweight championship fight during the UFC 296 event at T-Mobile Arena on December 16, 2023 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)

階級の間が15パウンド飛ぶのは、ライト級からウェルター級の間が最初だ。最近はこの階級にコンテンダーたちが台頭しつつある。2022年に実施されたUFC 278のメインイベントでは、レオン・エドワーズが元ウェルター級王者で元パウンド・フォー・パウンド王者のカマル・ウスマンを第5ラウンドでノックアウトして格闘技界を驚かせた。ハムザト・チマエフとベラル・ムハマッドもこの秋の勝利によって、それぞれトップ5の地位を確固たるものにしている。



UFC 296ではエドワーズがコルビー・コビントンとの5ラウンドにわたる激闘を制し、2度目のタイトル防衛を成功裏に終えた。



ひとつ下の階級とは大きく間が開くものの、非タイトル戦においてウェルター級のアスリートたちに許されるのは、やはり最大で171パウンド(約77.6kg)。タイトル戦の場合、アスリートたちには170パウンド以内に収めることが義務づけられる。



ミドル級:185パウンド(約83.9kg)

Sean Strickland battles Israel Adesanya of Nigeria in the UFC middleweight championship fight during the UFC 293 event at Qudos Bank Arena on September 10, 2023 in Sydney, Australia. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
Sean Strickland battles Israel Adesanya of Nigeria in the UFC middleweight championship fight during the UFC 293 event at Qudos Bank Arena on September 10, 2023 in Sydney, Australia. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)

シドニーで行われたUFC 293のメインイベントで、ショーン・ストリックランドがイズラエル・アデサニヤとの5ラウンドにおよぶ死闘を制し、UFCミドル級チャンピオンとなった。



ストリックランドはUFC 297でドリカス・デュ・プレシを相手に初めてのタイトル防衛に臨むことになっている。



非タイトル戦においてミドル級のアスリートたちは最大で186パウンド(約84.4g)に収めればよい。タイトル戦の場合、アスリートたちには185パウンド以内に収めることが義務づけられる。



ライトヘビー級:205パウンド(約93kg)

 Alex Pereira of Brazil punches Jiri Prochazka of the Czech Republic in the UFC light heavyweight championship fight during the UFC 295 event at Madison Square Garden on November 11, 2023 in New York City. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)
Alex Pereira of Brazil punches Jiri Prochazka of the Czech Republic in the UFC light heavyweight championship fight during the UFC 295 event at Madison Square Garden on November 11, 2023 in New York City. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)

ミドル級より20パウンド(約9.1kg)増えるライトヘビー級では、UFC史上、最も偉大な才能の1人であるジョン・ジョーンズの活躍が顕著だろう。“ボーンズ”ことジョーンズは2011年から2015年と、2018年から2020年にかけて、チャンピオンベルトをその身に巻いていた。この間、タイトル防衛成功は11回を数える。UFC 295でイリー・プロハースカに第2ラウンドノックアウト勝ちを収めたアレックス・ペレイラが、現在のベルト保有者だ。



非タイトル戦においてライトヘビー級のアスリートたちは最大で206パウンド(約93.4g)に収めればよい。タイトル戦の場合、アスリートたちには205パウンド以内に収めることが義務づけられる。



ヘビー級:265パウンド(約120.2kg)

Jon Jones reacts to his win in the UFC heavyweight championship fight during the UFC 285 event at T-Mobile Arena on March 04, 2023 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
Jon Jones reacts to his win in the UFC heavyweight championship fight during the UFC 285 event at T-Mobile Arena on March 04, 2023 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)

これぞ醍醐味。ヘビー級はUFCにおいて最も自由な階級であり、アスリートたちはときに規定の体重を数パウンド下回ることもある。



たとえば、2022年に行われたUFCファイトナイト・パリでは、シリル・ガーンがタイ・トゥイバサとのヘビー級マッチ(非タイトル戦)の計量を247パウンド(約112kg)でパスしたが、対するトゥイバサは266パウンド(約120.7kg)だった。ヘビー級ファイターの中では、各々のスキルセットやファイトスタイルによって、スピードの増加やストレングス上のアドバンテージを活用すべく、こういった開きをあえて選択することがある。



ジョン・ジョーンズの復帰が待たれる中、UFC 295でトム・アスピナルがセルゲイ・パブロビッチを相手に第1ラウンドでテクニカルノックアウト勝ちを収め、暫定王座に就いている。



非タイトル戦においてヘビー級のアスリートたちは最大で266パウンド(約120.7kg)に収めればよい。タイトル戦の場合、アスリートたちには265パウンド以内に収めることが義務づけられる。