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ウッドリー、残り40秒のラッシュで薄氷の王座防衛

日本時間3月5日(日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスにあるT-Mobileアリーナで行われたUFCのメインイベントのUFCウェルター級タイトルマッチ、タイロン・ウッドリー vs. スティーブン・トンプソンの試合レポート。

メインイベント
UFCウェルター級タイトルマッチ 5分5ラウンド 
タイロン・ウッドリー vs. スティーブン・トンプソン




昨年11月、5ラウンドの大激闘を展開した末にドローとなった両者によるリマッチ。前回は、王者ウッドリーが1 ラウンドの強烈なパウンドと4ラウンドの右ストレートで大ダメージを与えれば、トンプソンも驚異的な耐久力と回復力を発揮。アメリカン・カラテをベースにした独自のスタンスから繰り出す打撃でペースを取り返している。お互いの力を肌で知った両者がいかに前回から戦い方を進化させているか、注目の決着戦だ。

1ラウンド、広いスタンスでサウスポーに構えたトンプソンは、プレッシャーをかけながら前足の横蹴り。対するウッドリーはオーソドックスでその周りを回り、飛び込むタイミングをうかがう。前回の教訓からかローは使わず、前手と前足のフェイントで距離を詰めようとするトンプソンだが、ウッドリーが反撃の仕草を見せるとすかさず距離を取り、お互い有効打が出ないままラウンドが終了した。

2ラウンド。プレッシャーをかけるトンプソンは軽い右ジャブや左ストレートを放つ。対するウッドリーは回りながら距離を取る。前手前足でフェイントを放つトンプソン。なかなか手が出ないウッドリーは、たまに飛び込んでの右を狙うがトンプソンはすかさず距離を取る。前に出ているのはトンプソンだが、両者有効打の無い展開に場内のブーイングが大きくなっていった。

3ラウンド、トンプソンの前足めがけてシングルレッグに入ったウッドリーは、そのままトンプソンを金網まで詰めると、改めてダブルにスイッチし、さらにボディロックでクラッチを組んでテイクダウンに成功! 金網にトンプソンを押し付け胸を合わせたウッドリーは、背中越しにトンプソンの右手を取ってパウンドを放ってゆく。やがて金網を背に立ち上がったトンプソンに対し、ウッドリーは頭を抱えて膝。しかしトンプソンは距離を取ることに成功した。

スタンドに戻ると、再びプレッシャーをかけるトンプソンはフェイントから素早い左ボディやストレート。ウッドリーの方も右ボディストレートを返す。終盤スイッチしたトンプソンは左フックをヒットさせた。

4ラウンドも、半身でじりじりとプレッシャーをかけるトンプソンとサークリングするウッドリーという展開が続く。ウッドリーはタックルのフェイントから右を当てる。トンプソンは右の上段後ろ廻し蹴りをヒット。トンプソンは、飛び込んできたウッドリーの右ストレートに合わせて右フックを狙うが、ウッドリーも誘いにはのらない。終盤トンプソンは、ウッドリーのガードの上から左ハイを当ててみせた。

ここまでほとんど有効打のない両者だが、ウッドリーがテイクダウンを奪った2ラウンド以外、常にオクタゴン中央を取って攻撃を仕掛けているのはトンプソン。ウッドリーのセコンドのディン・トーマスは王者に「フィニッシュするしかないぞ!」と声をかけて送り出した。

ブーイングの中で開始した5ラウンド。ウッドリーは距離を詰めて右を狙うが、トンプソンは距離を取る。ウッドリーはガードを固めて前に出ようとするが、フェイントを繰り返すトンプソンのカウンターを警戒して入れない。ウッドリーが前に出るとサークリングでかわすトンプソン。



残り40秒、このままトンプソンが逃げ切って新王者誕生の空気が濃厚となったところで、ウッドリーの右ストレートがヒットしてトンプソンがダウン! すぐに立ち上がったトンプソンだが、ウッドリーがさらに連打を放つと再び膝から崩れ落ちる! さらに背後から覆い被さって連打を放つウッドリーだが、トンプソンも執念で立ち上がると、身体を振ってパンチを返して距離を取ることに成功。そのままトンプソンは下がりながらウッドリーの追撃をかわし、ラウンドが終了した。 

ラウンドの大部分でプレッシャーをかけてジェネラルシップを支配したトンプソンと、テイクダウンと右の強打で大ダメージを与えたウッドリー。まさに初戦と同じような展開となった決着戦の判定は、2-0(48-47, 47-47, 48-47)でウッドリーに。苦しみ抜いた上で最後の40秒に必殺の右を当ててみせた王者が薄氷の逆転勝ちを果たした。

ブーイングの中でインタビューを受けた王者は「判定を待っている間は本当に心配だったよ。スティーブンはもの凄く上手く僕をケージに詰めて、距離を詰めさせてくれなかった。最終ラウンドはもう倒しに行くしかなかったんだ。もっと前のラウンドでできれば良かったけど。すごく僅差なのは分かっていたから、ベルトを守るのに必死だったんだ。1ラウンドは取られて、2ラウンドは僅差。テイクダウンを取った3ラウンドは僕が取ったとわかっていた。最後はフィニッシュしたかったけど、とにかく勝てて良かったよ。この試合は世界のトップの二人によるチェスマッチだったんだ。いくつかいいのをもらったし、注意深く戦うしかなかったんだ」と語った。

一方、あと一歩のところで王座を逃したトンプソンは「僕は最強の相手と戦ったんだ。タイロンは、確かな理由があって王者なんだ。みんなありがとう。最後はフラッシュダウンをもらってしまったけど、立ち上がることができた。僕の方がいい打撃を当てたから勝ったと思ったけど、仕方ない。判定をジャッジに委ねてはいけないんだ」と語った。