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Rei Tsuruya reacts after his victory against Carlos Hernandez in a flyweight fight during the UFC 303 event at T-Mobile Arena on June 29, 2024 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images)
アスリート

鶴屋怜の帰還

今から1年以上前、UFC 313で鶴屋怜が最後にオクタゴンに上ってから変化したのは、鶴屋のヘアスタイルだけではない。他にも、多くのことが変わった。

日本の有望株である鶴屋は、肩までの黒髪を短く切ったことについて「ロングヘアに飽きたんですよ」と話している。よりスパイキーなブロンドになった鶴屋が、ルイス・グルレーと拳を合わせるべく、今週末のマカオでオクタゴンに戻ってくる。「トレーニングのときに邪魔だったので、切りました」と鶴屋は言う。

ヘアスタイルが大きく変わった傍ら、フライ級の勢力図も、前回に鶴屋が戦ったときから大きく変化した。前戦のラスベガスでは、無敗だった鶴屋がショートノーティスでブルーノ・シウヴァの代役を務め、ヒューストンからやってきた才能ある若手と対戦した。その名はジョシュア・ヴァンだ。

結果は鶴屋の判定負けだった。鶴屋に大きな差をつけたヴァンは、長時間のグラップリングでの攻防も回避。これにより、鶴屋は無敗という記録を失っている。これがきっかけとなって2025年に快進撃を見せたヴァンは、4度の試合をこなし、フライ級王者として1年を締めくくった。

Rei Tsuruya punches Joshua Van in a flyweight fight during the UFC 313 event at T-Mobile Arena on March 08, 2025 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
Rei Tsuruya punches Joshua Van in a flyweight fight during the UFC 313 event at T-Mobile Arena on March 08, 2025 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)

“ザ・フィアレス”ことヴァンは、今月初めに平良達郎を相手にタイトル防衛に成功。ヴァンが階級トップの座を固めたところに戻ってきた23歳の鶴屋は、この階級に大きな波を起こしつつある多くの才能ある選手の1人に加わろうとしている。

「ショートノーティスだったので、やはり当時はジョシュア・ヴァンについてあまり知りませんでした。でも、今は状況が変わっています」と語る鶴屋。Road to UFCシーズン2のフライ級トーナメントを勝ち抜いてUFCロースターに居場所を手に入れた鶴屋は初戦でカーロス・ヘルナンデスにユナニマス判定勝ちを収めた。「取り残されたくないんです。トップクラスのコンテンダーたち全員に追いつきたい」と言う。

「新しい選手がたくさん入ってきています。だから、俺もその波に乗りたい」と話す鶴屋は、階級内で最年少のファイターであり、3月に23歳になったところだ。2番目に若いヴァンは、10月に25歳になる。鶴屋は「ランキングも毎週のように変わっていきます。俺もそういうランカーやコンテンダーの1人になりたいんです」と語った。

ロニー・カヴァナ、ホセ・オチョア、アルデン・コリア、そしてデイナ・ホワイトのコンテンダーシリーズ(DWCS)出身であるイマノル・ロドリゲスといったコンテンダーたちの仲間入りを果たすための第一歩を踏み出す機会は、今週末のマカオでやってくる。鶴屋の狙いは、グルレーにとって特別な瞬間になるかもしれないものを、台無しにすることだ。

Rei Tsuruya poses on the scale during the UFC 313 ceremonial weigh-in at Michelob ULTRA Arena on March 07, 2025 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)
Rei Tsuruya poses on the scale during the UFC 313 ceremonial weigh-in at Michelob ULTRA Arena on March 07, 2025 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)

当初の対戦相手は同じくDWCSが輩出したヘスス・アギラーだったものの、アギラーは詳細不明の負傷によって試合から除外。その数日前にUFCファイトナイト・ラスベガス117でダニエル・バレスにユナニマス判定勝ちを決めたグルレーが、代役に立つことになった。

同一月内に2勝を挙げた選手は少なく、さらに2回連続のイベントでということになれば“グリム”ことグルレーが初になるかもしれない。だが、鶴屋にそういったことはまったく関係ない。鶴屋はただ、仕事を再開し、再び勝利街道を歩むことだけに集中している。

代役としてマカオまで飛んでくるグルレーに配慮し、バンタム級で試合が行われることについて問われた際、鶴屋は「階級的には何も心配はありません。より試合に集中できます」と笑みを見せた。

Rei Tsuruya puts Carlos Hernandez in an arm bar in a flyweight fight during the UFC 303 event at T-Mobile Arena on June 29, 2024 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)
Rei Tsuruya puts Carlos Hernandez in an arm bar in a flyweight fight during the UFC 303 event at T-Mobile Arena on June 29, 2024 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Chris Unger/Zuffa LLC via Getty Images)

以前には試合間隔が6カ月以上空いたことのなかった鶴屋は「もちろん、俺のキャリアで1番長い空白期間でした」と振り返りつつ「不安になるときもありましたが、たくさんのトレーニングができました。アメリカでもトレーニングできましたし。この1年半の間にたくさんのことを学んだので、それを今週、オクタゴンで見せられたらと思います」と続けている。

負けたいアスリートなどいない。しかし、敗北の持つ重みやその受け止め方は、個人やチームがシーズンを重ね、キャリアを続けていく上で変わっていく。納得の行く敗北だと感じられていたものも、その勝者が調子を崩し、最後に勝った相手が自分という状況になれば、その敗北は飲み込み難いものになるだろう。同様に、最初は自分の限界であるかのように感じられ、勢いを止められた一戦だと捉えていた敗北が、その後の勝者の歩みによって、いかにそのファイターが特別だったかを示すものになるときもある。そして、それはいつか、熟成された上質のワインのような深みを持つようになる。

鶴屋にとって、ヴァンとの一戦がそれだ。ヴァンが王者となった今、ショートノーティスだったことを踏まえ、見方は大きく変わっている。

Rei Tsuruya walks out prior to his flyweight fight during the UFC 303 event at T-Mobile Arena on June 29, 2024 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC via Getty Images)
Rei Tsuruya walks out prior to his flyweight fight during the UFC 303 event at T-Mobile Arena on June 29, 2024 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Cooper Neill/Zuffa LLC via Getty Images)

とは言え、鶴屋には新王者とフルラウンドを戦い抜いたことで満足する気はない。今週末、マカオのギャラクシーアリーナで、鶴屋はついに、再びオクタゴンに立ち、フライ級の未来を担うファイターたちの一角に値することを証明する機会を得る。

再び舞台に上ることについて、鶴屋は苦笑いを浮かべながら「久しぶりですね。緊張するし、不安もあるけれど、それ以上にものすごくワクワクしています」と話した。

「エキサイティングな試合を見せたい。いい形で勝って、次は(ランカーとの試合が)ふさわしいと、みんなに思わせたいです」
 

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