日本時間2017年4月16日(日)に米国ミズーリ州カンザスシティにあるスプリント・センターで開催されたUFCファイトナイト・カンザスシティ大会プレリミナリーファイトの試合レポート
ヘビー級 5分3ラウンド
アレクサンドル・ボルコフ vs. ロイ・ネルソン
日本時間2017年4月16日(日)に米国ミズーリ州カンザスシティにあるスプリント・センターで開催されたUFCファイトナイト・カンザスシティ大会プレリミナリーファイトのメインイベントにRoad to UFC Japanでもおなじみの人気ファイター、ロイ・ネルソンが登場し、ヘビー級9位のロシアン・ファイター、アレクサンドル・ボルコフと対戦した。
試合は3ラウンドに渡り、追うネルソンに対し、ジャブと前蹴りでこれを突き放すボルコフという攻防が繰り返され、1ラウンドにこそテイクダウンを成功させたネルソンだったが、その後はボルコフのバリアーの様な打撃に阻まれ27-30のユナニマス判定で敗北した。
長身のボルコフがスタンスをスイッチしながら細かなジャブ、インローで距離を取ろうと試みるが、ネルソンは容易に相手に組み付くと相手を金網に押し付ける。残り時間2分40秒、ネルソンが小外がけでボルコフを倒すと、相手の頭にぴったりと頭を押し付けボルコフに立ち上がることを許さない。残り時間23秒、レフリーのダン・マグリオータがやや不可解なブレイクを命じ、攻防がスタンドに戻るとボルコフが猛烈なパンチとヒザの連打で襲い掛かる!ガードを固めたネルソンが、数発カウンターの右を繰り出したところで第1ラウンドが終了した。
ジャブを突きながら距離を取るボルコフに、2ラウンド開始後1分でネルソンが胴タックルを成功させると相手を金網に押し付けがテイクダウンは奪えない。距離が開くとボルコフの固いジャブと前蹴りがネルソンを押し戻し、ネルソンはなかなか組み付けない。時折飛び込みからの右オーバーハンドを見せるネルソンだが、ボルコフは崩れない。第2ラウンドはネルソンの右を数度被弾しながらも、確実に距離を保ちながらジャブを突くボルコフが優勢に終える。
大きな踏み込みからの右とタックルを狙い続けるネルソンをボルコフは丁寧なジャブとインロー、そして突き刺さるような前蹴りで遠ざける。残り時間1分45秒、ネルソンが遠い距離からの両足タックルで決死のタックルを試みるが、これも金網を背にしたボルコフがしっかりと差し上げ突き放す。大きくバックペダリングを続けるボルコフに、ネルソンが大ぶりの右で飛び込んだところでヘビー級戦の終わりを告げるブザーがなった。
なお、この一戦の結果、アレクサンドル・ボルコフは28勝6敗、ロイ・ネルソンは23勝14敗となっている。
バンタム級 5分3ラウンド
パトリック・ウィリアムズ vs. トム・デュケノア
大きく軸をずらしながら左右のパンチで距離を詰めたウィリアムズがテイクダウンを成功させるがデュケノアはすぐに立ち上がる。歩くように距離をつめるデュケノアは強烈な右フックと左のヒザで圧力をかけ続けると、ウィリアムスは自身の右でデュケノアをグラつかせるなど見せ場を作るが次第に苦しそうな表情に。ウィリアムスは終了間際には金網際で左ヒジの連打を被弾し真下に崩れ落ちた。
デュケノアが左右のヒジと左のヒザで一気に前に出る。なんとか相手を押し戻したいウィリアムズに対し、デュケノアは相手の攻撃を意に返さず一方的に距離を詰める。ウィリアムズがデュケノアを押し返そうと、両手で相手の胸を押したところにデュケノアの右のヒジがかぶさるように繰り出され、この一撃がウィリアムズの側頭部をヒット!突っ伏すように崩れ落ちたウィリアムスを確認したレフリーのキース・ピーターソンが割って入り、2ラウンド0分28秒、TKOによる試合の終了を宣告した。
鮮烈なUFCデビュー戦を披露したフランスのトム・デュケノアはその戦績を15勝1敗1ノーコンテストと伸ばし、負傷により約2年ぶりの復帰戦を行ったパトリック・ウィリアムズは8勝5敗となってしまった。
ライト級 5分3ラウンド
ボビー・グリーン vs. ラシッド・マゴメドフ
細かく左手をふりながら、マゴメドフが前後のステップでグリーンの打撃を誘う。ジャブにワンツーを合わされたグリーンは一気に距離を詰めてマゴメドフを金網に押し込むが、ここでマゴメドフのヒザがグリーンの下腹部を直撃し攻防は離れた距離から再開される。グリーンが相手の前足への間接蹴りを放った瞬間にマゴメドフの右ストレートがグリーンをとらえ、グリーンはバランスを崩すがすぐに立ち上がる。残り時間1分、グリーンが胴タックルからマゴメドフを金網に押し込むがテイクダウンは奪えない。
豊富なフェイントで距離を取りながら胴タックルの機会を伺うグリーンに対し、マゴメドフは時折ワンツーで前に出る。マゴメドフによるサミングで試合は一時中断され、再開後に両者は手数を増やし始めるがどちらも決定打は奪えない。残り時間1分10秒、マゴメドフが意表を突く両足タックルを試みるがグリーンはこれをスクランブルに持ち込み立ち上がる。
時折スタンスをスイッチするグリーンにマゴメドフは右のミドルを叩き込むが、グリーンは崩されず、キック、そして良く走るパンチを繰り出しながら何度も胴タックルを繰り返す。残り時間2分、判定を意識してかマゴメドフが手数を増やし始めると、グリーンもこれに呼応する。残り時間50秒、グリーンが一度胴タックルで距離をつめるがここでもテイクダウンを奪えず、両者がスタンドでの出入りを繰り返す中試合終了のブザーがなった。
判定は29-28、28-29、29-28のスプリットでマゴメドフ。二人目の判定がコールされた際には思わず動揺の表情を浮かべたロシアのラシッド・マゴメドフ。自身の判定勝利を確認すると安堵の表情を浮かべるとともに、その戦績を20勝2敗とした。対戦相手のボビー・グリーンはこの敗戦で23勝8敗となり、4連敗と厳しい状況に追い込まれた。
フライ級 5分3ラウンド
ルイス・スモルカ vs. ティム・エリオット
スモルカの細かなジャブをくぐったエリオットが開始後7秒で両足タックルを成功。スモルカをギロチンで脅かしながらサイドに回り込む。スモルカはヒザを被弾しながらも立ち上がり、すぐに払い巻き込みの様に相手をマットに投げつけるが、エリオットはそのまま相手の背後に回り込むようにトップを取り返すと攻防をスタンドに戻す。直後のタックルはギロチンで切り返され下になったエリオットだが、すぐに相手をリフトするとタックルに入り、いとも簡単にトップを取り返す。残り時間30秒、サイドで抑え込まれていたスモルカが、体をひねってスペースを作るとエリオットの背後に回り込みパウンドを落とすがエリオットはこれを振り落とす。
頭の下がったエリオットのタックルをスモルカはギロチンで迎え撃ちトップを奪うがエリオットはすぐに立ち上がる。その後の投げは潰されたエリオットだが、すぐにタックルを成功させるとサイドマウント、そして腹固めと立て続けに有利なポジションを奪って相手を攻め立てる。しかしスモルカは体の柔らかさを活かしてエリオットの抑え込みからスルスルとエスケープし続ける。ラウンド後半にはエリオットのワンアームギロチンがスモルカを捉えたが、これもスモルカはしのぎ切る。
最終ラウンドに入っても、エリオットは一度目のアテンプトでタックルを成功させるがスモルカも難なく立ち上がる。残り時間2分30秒、エリオットがタックルから首投げに繋げると、一気にマウントポジションを奪取。パウンドを落とそうとすると、圧倒的に不利なポジションにも拘わらず、スモルカはするすると立ち上がる。スモルカはそのまま相手の背後に回り込むが、エリオットもこれを切り替えし、すぐにトップを取り返す。その後も両者は攻守を目まぐるしく入れ替え続けるが、エリオットが先手を取るかたちで攻防を主導した。
ジャッジはこのフライ級戦を30-27のユナニマスでティム・エリオットの勝利として評価。15テイクダウンを成功させたフライ級9位のエリオットはこれで15勝7敗1分け。一方の同級12位のスモルカは11勝4敗となった。