日本時間4月23日(日)、 アメリカ・テネシー州ナッシュビルにあるブリヂストン・アリーナで行われたUFCファイトナイト・ナッシュビルのプレリミナリーカード(前座試合)後半戦の試合レポート。
ミドル級 5分3ラウンド
ターレス・レイチ vs. サム・アルビー

柔術黒帯のレイチは前回はクリストフ・ヨトコに敗戦を喫し、現在ランキング11位。対する強打者の”スマイリン”こと アルビーは、今年1月にネイト・マーコートに勝って4連勝を記録。現在ランキング13位だ。
1ラウンド開始早々、サウスポーのアルビーにレイチがインローを放ち、アルビーがバランスを崩す。さらにレイチは右ハイ、ミドル、ローと蹴り込んでゆくが、対してアルビーはじっくり見ながら必殺の左を狙う。その後もレイチのインローより、アルビーが顔を歪める場面が目立った。
インターバル中にアルビーは「最初の蹴りをもらった時に足首を痛めちまったよ」とセコンドに語った。
2ラウンドもインローを当てるレイチ。対するアルビーは距離を詰めて右フックから左ストレートを狙うが、レイチは距離を取る。やがて前に出たアルビーの左が当たるが、レイチは組み付くと母子ロックからテイクダウンに成功。アルビーはすぐに立ち上がるが、レイチはその背後に回ってみせた。
3ラウンド、前に出て捕まえたいアルビーに対し、レイチは左回りでアルビーの左を避け、右ミドルやローを当ててゆく。アルビーは足を引きずりながらも殺気を漂わせた表情でレイチを追うが、レイチはサークリングを続け、終盤はシングルレッグから組み付いて試合を終えた。
判定は3-0(三者とも30-27)で、ローでダメージを与えたレイチを支持した。柔術家として知られるレイチだが、打撃もできるトータルファイターとしての側面を見せつけた。
フライ級 5分3ラウンド
ダスティン・オルティス vs. ブランドン・モレノ

地元テネシー州出身のオルティスは前回ザック・マコウスキーに2-1の判定勝利を挙げており、現在ランキング9位だ。対するメキシコ出身のモレノは、TUFでは一回戦負けを喫したものの、昨年10月にランカーのルイス・スモルカにギロチンで一本勝ちという衝撃のUFCデビュー。さらに12月にもライアン・ベノワに判定2-1で勝利し、現在UFC2連勝中だ。ランキングは10位。
1ラウンド、両者オーソドックス。すぐに詰めて組み付いたオルティスは、モレノをケージに押してバックに回る。モレノはキムラロックで切り返そうとするが、オルティスはそれを許さず一度テイクダウンに成功。しかしモレノも立ち上がって振りほどく。
スタンドに戻ると、モレノの蹴り足の着地に合わせてオルティスがダブルレッグでテイクダウンに成功。モレノは立ち上がってからキムラグリップを作り、そのグリップを保ったままガードに引き込み、そのままスイープでマウント奪取に成功! しかしオルティスはリバーサルを取り返してみせた。
2ラウンド、距離を詰めるオルティスに対し、モレノは右のローやストレートのカウンターを当てる。オルティスも右を返してからダブルレッグでテイクダウンに成功。立ち上がるモレノの背中につくが、モレノも振りほどく。スタンドに戻ると、モレノの左ハイがヒットしてオルティスがダウン! さらに鉄槌を当てたモレノはすかさずバックを取るとチョーク狙い。アゴを引いて守るオルティスにパウンドを入れてから腕を食い込ませ、4分6秒で勝利を得た。
敗れたオルティスは、地元の観衆の前で「人生ではこうやって打ち倒されることもある。でもタフに戦い続けるんだ。今日はこの若者を称えようぜ!」とアピール。 一方辛抱強く戦い、チャンスを逃さない圧巻の攻撃力を見せてUFC 3連勝を飾ったモレノは、歓喜の表情で「ダスティン・オルティスは本当に強かった。1ラウンドは大変だったけど作戦を変えたんだ。今日や明日や来月ではないかもしれない。でも僕はいつかチャンピオンになるよ!」と語った。
ライト級 5分3ラウンド
スコット・ホルツマン vs. マイケル・マクブライド

地元テネシー州に拠を置くホルツマンは現在UFCで2勝2敗。マクブライドは前回のUFCデビュー戦でニク・レンツに2ラウンドKO負けを喫している。
1ラウンド、両者オーソドックス。ホルツマンは軽快なフットワークから飛び込んでの右を当て、さらに組み付くがマクブライドはスタンドでのキムラロックで切り返す。しかし結局上になったホルツマンはパウンドを当てて離れてみせた。スタンドに戻ると、ホルツマンは飛び込んでの左フックをヒット! ダウンしたマクブライドを立たせてスタンド戦を要求する。
さらにスタンドで強烈なコンビネーションを当てるホルツマンに対し、マクブライドはダブルレッグでテイクダウンを奪う。ホルツマンがスクランブルから上になると、マクブライドは下からのキムラロックで切り返して上になってラウンドを終えた。
2ラウンド、ローも交えてスタンドで主導権を握ったホルツマンは、マクブライドの蹴り足を取って倒すとパウンド。マクブライドは下から横回転して足を絡めると、背を向けて逃げようとしたホルツマンのバックに。そのままグラウンドに引きずり込もうとするマクブライドだが、ホルツマンは正対してガードの中に入ると、パウンドを放って離れて再びスタンドを要求。その後、ダメージの蓄積したマクブライドのテイクダウン狙いを切ったホルツマンは、仰向けになるマクブライドにローからパウンドを放っていった。
3ラウンド、マクブライドはスタンドで前に出るが、ホルツマンは身体を振りながら左右のカウンターを当ててゆく。ホルツマンがシングルレッグに入ると、マクブライドはすかさずキムラロックで切り替えそうとするが、ホルツマンはサイドに回って上をキープ。さらにパウンドを当てて優位な体勢で試合を終えた。
判定は3-0(30-27、30-27、30-26)で、マクブライドのサブミッションを防いで一方的に打撃を当てたホルツマンに。地元の大歓声を浴びたホルツマンは「まるでガンビー(粘土でできたアニメキャラクタ−)と戦っているみたいだったよ。滑り易くて掴みにくいし、距離を取るのも難しかった。ナッシュビル! 盛り上がってるかい!」と喜びの声をあげた。
女子ストロー級 5分3ラウンド
ジェシカ・ペネ vs. ダニエル・テイラー

ペネは一昨年6月に絶対女王ヨアナ・イェンドジェイチェクの王座に挑戦して3RTKO 負け。一年後にジェシカ・アンドラージと対戦するもこれも2RTKO 負けを喫してしまい現在2連敗中、ランキングは14位だ。対するテイラーは前回ハム・ソヒに判定2-1で辛勝している。
1ラウンド、両者オーソドックス。リーチで勝るペネがオクタゴン中央を取ってジャブでプレッシャーをかけてゆくのに対し、テイラーはサークリングしながらインローや右を返してゆく。常に動きを止めないテイラーのカウンターの右が当たる場面が目立った。
2ラウンドも距離を詰めたいペネと、回りながらカウンターを狙うテイラーという展開が続く。終盤テイラーが強烈なカウンターのワンツーを入れると、上背に勝るペネはそれを捕まえてクリンチからの膝を当てていった。
3ラウンドも同様の展開が続く。中盤ペネはダブルレッグでテイクダウンを奪取。背中を向けて立ち上がったテイラーのバックに付くが、テイラーは振りほどくことに成功。終盤前に出てくるペネにテイラーはカウンターの左フックを入れるが、それでも前に出たペネはクリンチから小外刈りでテイクダウンに成功。最後は上を取って試合を終わらせた。
接戦の判定は3-0(三者とも29-28)でテイラーに。リーチ差をスピードでカバーし、アウトボクシングを貫いて勝利したテイラーは「本当に嬉しいわ。ママにこの勝利を捧げたい。コーチやチームメイトにも。勝利への鍵はムーブメントよ。角度を作ったり頭や身体を振ったり。それが小さい私が中に入れた唯一の理由なのよ」と語った。