これまで築き上げてきたボクシングであろうと、今身をおく総合格闘技の世界であろうと、ホリー・ホルムは常に最大のチャレンジを求めている。だからこそ、UFCデビューから2試合しか経験していないにもかかわらず、昨年のUFC 193で最強と言われたロンダ・ラウジーに挑み、チャンピオンベルトを奪うまでに至ったのだ。 さらに言えば、ラウジーとの再戦を待たずして、来る3月に開催が決まったUFC 197でミーシャ・テイトと戦うことに同意もした。おそらく今回も最大の試練となるに違いない。
20日(水)、UFC 197に先立ちラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで実施された記者会見に出席したホルムは「ロンダとの再戦は受け入れるつもりだったの。与えられるチャンスは何だってやってみようと思っていたし、今回はこれが進むべき、よりチャレンジングな道だと思っているわ」とコメントしている。 この発言はラウジーに対するジャブでもなければ見下しているわけでもない。ただ、ホルムは次戦の厄介な相手となるテイトを認めているだけだ。 テイトはプロとしてラウジーよりも9試合多く戦っており、Strikeforceではタイトルも勝ち取った。逆にタイトルも失っているが、その時の挑戦者がラウジーだ。多くのファイターが経験するように浮き沈みを経てきたテイトにとっては戦いの試練を乗り越えながら強さを身に着けてきた。 「(テイトは)たくさんの試合を戦ってきた。とてつもなく濃い経験を積んでトップに上り詰めたのだと思う。それがファイターとして一層脅威に感じる部分じゃないかしら」と語ったホルム。 テイトのモチベーションはオクタゴンの外にも広がっている。2013年のUFC 168でラウジーに敗れて以来、4連勝を続けるテイトは次なるタイトル挑戦の機会をずっと待ち続けてきた。だからこそ、UFC 193でラウジーの相手がホルムになった時にはそれがテイトのハングリーさをかき立てもしたのだ。 テイトは「タイトル(挑戦)のチャンスを軽く見てなんていないわ。試合に出られるとなれば私は腹ペコの野獣のようかもしれない。その美味しそうなステーキを横取りされたら腹も立つでしょ」と語った。 とはいえ、テイトが言うように、運命はうまくまわるものだ。ホルムにとってはまたとないチャレンジの機会を得、テイトにとっては長らく待ち望んだタイトルマッチのチャンスを手に入れた。 UFCが女子バンタム級クラスを創設して以来、タイトルマッチにラウジーの名がないのはこれが初めてとなる。加えて、もうひとつ、事の重大さにつながる要素があるかもしれない。どちらのファイターとも、ラウダーの名が持つプレッシャーにさらされるのだ。 テイトにとってラウジーは安心できる存在ではない。ラウジーの姿を見ることなく、試合までのドラマに付き合わずに済むのは新鮮だとコメントしつつも、ホルムが持つピースはテイトが打ち崩さなければならないまったく新しいパズルであることから、ホルム戦が一層大きなチャレンジになるだろうとも語るテイトは次のように述べている。 「私がラウダと戦う以上に今回の試合に熱心になるものがあるとすれば、それは新しいパズルになること、それから、ホリーのコーチたちはラウダのコーチよりもはるかに優秀だから」
ホルムにとってはラウジーを倒したファイターとしてのプレッシャーが加わる。その期待にホルムは応えられるだろうか? 「プレッシャーはたくさんあるし、前回の試合以降はかなり期待もされている。一発屋になりたい人なんているかしら?」 その答えは3月のUFC 197で分かる。 ハファエル・ドス・アンジョス対コナー・マクレガーのライト級タイトルマッチをメインイベントとするUFC 197は日本時間3月6日(日)に開催される。