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新たな武器を生かして連勝を狙うスワンソン

 

 

カブ・スワンソンは強かった。長期に渡り、カリフォルニア州パームスプリングス出身のスワンソンが持つ打撃力は格闘技界トップを争うほどだったと言える。その実力はジョージ・ループ、ロス・ピアソン、チャールズ・オリベイラ、デニス・シバーとの対決を見ても明らかだ。

ダスティン・ポワリエやジェルミー・スティーブンスのようなファイターでさえ、フィニッシュを決められなかった。スワンソンは、他のファイターにはできない攻め方、打撃の正確さ、威力を持っていた。波に乗っていたスワンソンだったが、2014年終盤から、スワンソンの柔術黒帯の実力は脅威ではないとささやかれるようになった。打撃でやり合うか、負けるか。スワンソンの立ち技を回避してしまえば勝利が見えてくると敵は考えるようになったのだ。

スワンソンは当時を次のように振り返っている。

「キャンプでもチームメイトやマネジャーから“誰もオマエとの打ち合いに挑んでくるファイターはいない”って言われていた。技を減らしたりしてリスクを少なくしようとしたんだけど、その分クリエイティブではなくなった」

フランキー・エドガー、マックス・ホロウェイから立て続けに黒星を喫したスワンソン。気付けば6連勝が、2連敗になっていた。ホロウェイ戦ではアゴと手を骨折し、ケガを増やしてしまった。1年のブランクを経て復帰した今年4月には、これまでの不安を拭い去るべくオクタゴンへと足を踏み入れ、アクラン・ディアスとの対決に挑んでいる。

「不安がなかったわけではないけど、自信があったし、自信を持って試合をしないといけなかった。今回、ダメな試合をしたら他の人生を考えないといけない、そう言い聞かせて試合に臨んだ。ケガもしながら長いこと戦ってきたし、最高の戦いができないのに自分の体を痛め続ける意味がない。試合に出るたびに強くなろうとしているし、負けるだけなら辞めたほうがマシだ」

スワンソンのようなファイターは他に類を見ない。情熱と気迫を持って戦うスワンソンは、目的もなしに戦うことを決してしない。自分自信にはとことん正直なのだ。現在のフェザー級を代表するファイターとして活躍してきたスワンソンにも、戦いを続けるかどうかを悩んだことがあると言う。しかし、ディアスとの試合に勝利したスワンソンは十分余力を残しているように見えた。そして今回はソルトレイクシティで川尻達也とのビックマッチに挑む。

スワンソンは運悪く敗れてきた試合の影響で評判を落としてきたが、その評価に悔しさを感じることはあったのだろうか。

「もちろん悔しいと感じた時はある。2連敗した時も、他のファイターが楽な道でオレより金を稼いで、悔しいことはあった。でも、悔しがってばかりいる性格はオレには合わない。そういった感情はブロックして、落ち着きながら自分のことだけに集中した。どんな状況に置かれてもベストを尽くす。それがオレの生き方なんだ。自分のコントロールがきくこと以外は無理に強要しない。それに気付くのに時間がかかった。苦労を重ねてここまで来たし、タイトルに挑むチャンスを与えられるということはオレにとってものすごく意味のあることなんだ」


与えられている機会に感謝できていないファイターが多くいると32歳のスワンソンは考える。そんなスワンソンは後悔を残さないようにしているようだ。

「簡単な道を行く者もいれば、険しい道を行く者もいる。それだけだ。引退した後に、“あの時こうしておけばよかった”って思いたくないし、言い訳したくない。毎回自分のベストを尽くして、成功を収めていきたいんだ」

日本時間8月7日(日)に行われる試合では本気のスワンソンが見られるはずだ。打撃と柔術だけでは勝つことができないと考えるスワンソンは、完璧なMMAファイターとして、かつてフェザー級を圧倒した姿を取り戻したいところだ。

「進化を続けながら、クリエイティブで、威力のある戦いをするにはどうしたらいいのか試行錯誤を繰り返した。場所を問わずに練習して、どこでも戦える自信をつけた。それがオレの進化だと思っている」

自分に集中すること以外は、すべて成り行きに任せているという。自分に正直なスワンソンはファンからも忠実な支持を受けており、彼らのサポートに感謝していると述べた。

「ファンが戦うことを楽しくしてくれる。無理やり戦わせられているわけでも、自分が特別なわけでもない。オレはカリフォルニア出身のガキだ。オレが持ち合わせているのは粘り強さと闘魂だけ。ファンは負けても、はい上がってくるオレみたいなファイターを尊敬してくれる。ファンは本当のオレを見てくれている、本当に感謝しているよ。みんながオレのモチベーションなんだ」