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新王者誕生! クルーズがディラショーを下し王座奪還

日本時間18日(月)、マサチューセッツ州ボストンのTDガーデンで開催されたUFCファイトナイト・ボストンのメインカード結果は以下の通り。

日本時間18日(月)にマサチューセッツ州ボストンのTDガーデンで開催されたUFCファイトナイト・ボストン大会のメインイベントで実現したUFCバンタム級タイトルマッチでT.J. ディラショーを5ラウンドのスプリット判定で退けUFCバンタム級王者に返り咲いたドミニク・クルーズはジョー・ローガンのインタビューに応じ、こう語った。

「試合勘が鈍るだって? 何度だって言うけどそんなものは存在しない。ハードな練習さえしていればな」

2011年以降立て続けに三度の膝前十字靭帯を断裂すると言う悲劇に見舞われ、この4年間で僅か一試合しか戦っていないクルーズがそう語るのであれば、それは否定のしようも無い。少なくとも新たなUFCバンタム級王者にとって、それが真実なのだろうが、そのことはクルーズが困難を乗り越え成し遂げた偉業の凄さを一層際立たせるに過ぎない。

2011年に現UFCフライ級の絶対王者、デメトリアス・ジョンソンを判定で下した元WEC&UFCバンタム級王者のドミニク・クルーズはユライア・フェイバー、イアン・マッコール、ブライアン・ボウルズ、そしてジョセフ・ベナヴィデス等の同級のトップファイター達を軒並み撃破し、その“ドミネーター”と言うニックネーム通り、膝靭帯の損傷により戦線離脱を余儀なくされるまでに同級の支配者として君臨していた。

しかしクルーズの戦線離脱中に当時の王者ヘナン・バラオンを下し王座に就いたT.J. ディラショーは、バラオンとの再戦にも4ラウンドでTKO勝利を収める等、史上最高のバンタム級王者としての地位を固めつつあった。

クルーズとのグローブを合わせずに試合を開始したディラショーがパンチと共に前に出るが、クズーズは軽やかな足取りで左右に動きながらディラショーの突進をいなす。試合開始後1分30秒、ハイキックでスリップしたディラショーにクルーズが覆いかぶさるが、ディラショーはこれを振りほどき立ち上がる。戦前の両者の感情的なやりとりが影響したのか、珍しくディラショーは口を開きやや息があがった様に見える。変幻自在なフットワークで上体を大きく揺らしながら動くクルーズは時折すれ違いざまにディラショーの顎先に左右のフックを叩き込む。残り時間1分少々、呼吸を落ち着かせたディラショーがじりじりと前に出始めるがクルーズを捉える事は叶わない。残り時間10秒、ディラショーがテイクダウンに飛び込み、クルーズがこれを金網際で受け止めたところで緊張感漲る1ラウンドが終了した。

デンバー州コロラドの高地でトレーニングを積み、スタミナに絶対の自信を持つディラショーは積極的にプレッシャーを掛け続けるが、クルーズは変幻自在なフットワークでディラショーのプレッシャーをいなし続ける。残り時3分、作戦を変え左に下がり始めたディラショーを今度はドミニクが追い始めるが共にクリーンヒットは許さない。クルーズの左右の動きを断ち切りたいディラショーは豊富にハイキックを繰り出し、時折これがクルーズの側頭部を捉える。残り時間2分、パンチで飛び込んだディラショーをクルーズが完璧なダブルでテイクダウン!暴れて即座に立ち上がったディラショーを再びテイクダウンしたクルーズだったがディラショーを寝かせ続ける事は出来ずに攻防はスタンドに戻される。二度のテイクダウンでやや息の上がったクルーズはその後は無理をせずにポイントの挽回を狙うディラショーを大きく回っていなしながら第2ラウンドの終了を迎えた。

3ラウンドに入ると、やや足を止めながら前に出るディラショーに対し、クルーズのフットワークは変わらない。動きながらパンチを繰り出し続けるクルーズだが、その口は大きく開き呼吸はやや苦しそうだ。一方動きを抑えたディラショーは要所要所でガードをしっかりと固めてしっかりとしたペーシングを見せる。残り時間2分、ディラショーのローキックに合わせ、またもクルーズがテイクダウンに成功。起き上がろうと暴れるディラショーにスピニングチョークを狙うもののこれは不発。再び両者がスタンドで攻防を再開すると、金網際まで退がったクルーズのコンビネーションがディラショーの顎を捉え、場内から大歓声が沸き上がるがディラショーはダメージの様子を伺わせない。

チャンピオンシップラウンドが始まってもクルーズは豊富な運動量を見せる。ややべた足で直線的に相手を追うディラショーはなかなかクルーズを捉える事ができない。残り時間3分30秒、ディラショーの右ローキックがクルーズの左膝上部を捉えると、クルーズの足が大きく流れる。この一撃を嫌がったクルーズは即座にテイクダウンに飛び込みこれを成功させたかに見えたがディラショーは立ち上がる。攻防がスタンドに戻るとクルーズは何度も足を揃えて真上に飛ぶ等、左足から体重を抜くそぶりを見せるようになる。 残り時間1分50秒、クルーズに組み付き金網際まで詰めたディラショーがこの試合で初めてテイクダウンに成功し、立ち上がろうとするクルーズの横から何度もヒザ蹴りを叩き込む。クルーズは左の足を攻撃される事を嫌がる様子を見せる。なんとかこれを振りほどいたクルーズだったが、ディラショーが圧力を強める中、ラウンド終了のブザーが鳴った。

最終ラウンドが開始後40秒、ディラショーのパンチ、そしてミドルが立て続けにクルーズに命中するが、クルーズはパンチの連打でディラショーを押し戻しなんとか試合の主導権を取り戻そうと食い下がる。ディラショーの右ローを嫌がるクルーズは左右の動きが封じられ苦しそうだ。時折パンチの連打で飛び込むクルーズだが、試合序盤に見せていたすれ違いざまのフックはもう見られない。ディラショーもしっかりとガードを上げ、頭を振りながら前に出るものの、動きを止めないクルーズを捉える事が出来ないまま最終ラウンドの終了を迎えた。

ジャッジの判定は48-47、49-46そして46-49のスプリット判定でクルーズを勝者として支持。バンタム級では未だに無敗、そしてその連勝記録を12と伸ばしたクルーズ(21勝1敗)が見事な王座の奪還劇を披露した。一方、王座から陥落し戦績を12勝3敗とおとしたT.J. ディラショーは、「俺の方が積極的だったし強い打撃も当てていたんだが。彼のファンにはなれないけど、今夜はおめでとうと言っておくよ。再戦させて貰いたいね」と悔しさをにじませた。