メインコンテンツに移動
/themes/custom/ufc/assets/img/default-hero.jpg

中村K太郎、寝技で健闘もブリーズに惜敗

日本時間2月28日(日)、ロンドンのO2アリーナで行われたUFCファイトナイトのメインカード(セミメインイベントまで)の結果は以下の通り。



セミメインイベント
ミドル級 5分3ラウンド 
ゲガール・ムサシ vs. ターレス・レイチ




PRIDEやDREAMにおける活躍で日本のファンにもおなじみのムサシは、昨年の9月のUFC日本大会において、ユライア・ホールの打撃に不覚を取って以来の登場。対するレイチも、昨年7月にマイケル・ビスピンとの接戦に敗れて以来のオクタゴン復帰戦となる。キックボクシングをベースに持つムサシと、柔術家のレイチ。典型的なグラップラーvsストライカーの対決だ。

1ラウンド開始と同時にタックルに入ったレイチ。ムサシを金網に追い詰め、いったん引き込んでからタックルに移行するが、ムサシは冷静に対処して離れることに成功。その後もパンチから前に出るレイチだが、ムサシはよく見て左ジャブや左のインローを当てる。組み付いたレイチは、再び引き込むように試合をグラウンドに持ち込むが、ムサシはすぐに離れる。その後もムサシが鋭い左ジャブを当てていった。

2ラウンド。ジャブを飛ばすムサシは、さらに前に出てくるレイチに右を合わせる。さらにプレッシャーをかけるムサシに対して、レイチはテイクダウンを狙うがムサシは難なくディフェンスし、ワンツーとインローを用いて打撃のプレッシャーを強めてゆく。打撃戦では不利なレイチは終盤、テイクダウンを失敗した後も背中をマットに付け続け、場内からブーイングを浴びてしまった。

3ラウンド。後のないレイチは前に出て組み付いて引き込み。バタフライガードからカンヌキでムサシの腕を抑えるが、攻撃に転じるためにそのカンヌキを解いたところでムサシはすぐに立ち上がる。その後もワンツーでプレッシャーをかけるムサシが主導権を握るが、レイチが左のスイングを強振するとこれがヒット! 勢い付いたレイチはさらに左右の拳を振り回すが、ムサシは的確なワンツーでカウンター。やがてレイチのタックルを潰したムサシは、ハーフ上で胸を合わせて抑え込んではパウンドを入れてゆく。レイチもガードに戻してオモプラッタを狙うが、ムサシが脇を締めて手堅く防ぐうちに試合が終了した。

判定は3-0 (30-27, 30-27, 29-28)でムサシに。自分の得意分野に試合を持ち込んでの完勝だった。あまり勝利の喜びを表に出すこともなくインタビューに望んだムサシは、「相手も強いから、スマートに戦っただけだよ。前回は狙いにいってああいうことになったからね。僕がスマートに戦えば負けることはない。僕はすでにトップ5 の一人だと思っているよ」と語った。



ウェルター級 5分3ラウンド 
トム・ブリーズ vs. 中村K太郎




日本が誇る裸締め職人、中村K太郎は昨年9月のUFC日本大会にて、リー・ジンジャン相手に大苦戦に追い込まれたものの、3ラウンドに必殺技を炸裂させて念願のUFC初勝利、さらにパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトも獲得してみせた。

対するブリーズは地元英国出身で、デビュー以来9連勝中。その勝利全てで相手をフィニッシュしており、UFCでもすでに2戦してともに1ラウンドKO勝ちを収めている。現在は世界的ジムの一つであるカナダのトライスター・ジムで練習するこの新鋭相手に、中村が再び伝家の宝刀を炸裂させることができるのか、注目の一戦だ。

1ラウンド。オーソドックスの中村に対して、一回り体格の大きいブリーズはサウスポーから鋭いジャブを繰り出す。やがてブリーズのストレートに合わせて組み付いてボディロックを取った中村は、外掛けからテイクダウンに成功! そのまますぐにマウントに。しかしブリーズは腰を浮かせてスペースを作ると下から足関節狙いを仕掛け、さらに上のポジションを狙う。やがて両者は組み合ったままスタンドに。 レフェリーによるブレイクが入った後、ブリーズはワンツーに右の蹴りも交えてプレッシャーをかけてゆく。カウンターの右アッパー等で迎え撃つ中村は、テイクダウンを狙って組み付くがブリーズは難なく突き離してみせた。

2ラウンド。すぐに距離を詰めて組み合った両者。ここから中村が大内刈りでテイクダウンに成功! 腰に低く乗るマウントからパウンドを落とすが、ブリーズは前ラウンドと同じ要領でスペースを作ってインサイド・ヒールフック(ヒールホールド)の体勢に入り、そのまま上に。さらにハーフで胸を合わせたブリーズはマウントを狙うが、中村もそれを許さずシッティングに。しかしブリーズも巧みにプレッシャーをかけて上を譲らないという、極めて高度なグラップリングの攻防が続く。

やがてパウンドも交えて再びハーフの体勢で中村を抑えたブリーズは、中村のガードの中に。そこから強烈な左右のエルボーを繰り出してゆく。すると中村はブリーズの左腕を捕らえてオモプラッタの体勢に! 上体を立てて振りほどこうとするブリーズを崩すことに成功した中村は、そのままサイドを奪取。上の体勢でこのラウンドを終えた。

3ラウンド。距離を詰めて来るブリーズに、中村はシングルレッグに。ブリーズを金網に詰めてボディロックに移行し、そのまま前に出てテイクダウンを狙うが、ブリーズはその勢いを利用して前転して足狙いの体勢を作り、そのまま上を狙う。しかし足を使ってブリーズを跳ね上げた中村が上に! そのままポジションを安定させたい中村だが、ブリーズは下から動きつづけ、なんと前転から肩抜き後転に移行しながら足で相手を高々と浮かせるトルネードスイープ! 体を浮かされた中村は倒立しながらバランスを取り、ブリーズの足に組み付くが、上から中村の背中に体重をかけたブリーズは変形の三角締めをロック。上から肘を打ち下ろすうちに、この見応え満載のグラップリング戦は終了した。

判定は3-0(30-27, 30-27, 29-28)でブリーズに。10連勝を飾ったものの、キャリア初の判定勝利となったブリーズは不満げな顔で「自分にイライラしてしまったよ。以前から言ってたけど、今回の相手は本当にタフだったんだ。でも僕も自分の戦いにはがっかりしているよ」と語った。

不利が予想されるなか、試合を何度も得意の寝技に持ち込み、大いにその力を発揮した中村。しかしそこでも互角以上に渡り合い勝利を収めたブリーズが、大器の片鱗を見せた一戦だった。また、この高度なグラップリングの攻防において鍵となったのが、トライスター・ジムのフィラス・ザハビ指導の足関節技によるポジションの入れ替えや、複雑なスイープからの上を取る技術であったことに、MMAの今を感じさせもした。

バンタム級 5分3ラウンド 
フランシスコ・リベラ vs. ブラッド・ピケット




常に激闘を繰り広げる地元ロンドン出身の人気者、強打者ピケットは現在三連敗中。対するリベラも前回はジョン・リネカーのギロチンに屈しており、ロンドン大会メインカードのオープニングは、ぜひ白星の欲しい両者による戦いとなった。

1ラウンド。オーソドックスから強烈なローを飛ばし合う両者。頭を振りながら距離を詰めて強振するピケットに対し、 リベラはよく見てカウンターを狙ってゆく。やがて前に出たピケットにリベラの左フックがヒット! フラッシュダウンを喫したピケットだが、すぐに立ち上がる。その後もピケットは果敢に前に出て、タックルのフェイントも交えて必殺の右ストレートを狙うが、リベラも強烈な左右で迎え撃つ。終盤はお互い有効打を入れ合い、場内を大いに沸かしてみせた。

2ラウンド。打撃に前に出続けるピケットだが、ここで趣向を変えてシングルレッグでテイクダウンに成功! リベラの片足を超えるが、ピケットもエビで距離を取って立ち上がることに成功した。その後もスタンドの攻防が続くなか、今度はリベラがダブルレッグでテイクダウン。しかしピケットもすぐに振りほどく。終盤、前に出たピケットの左ボディフックがリベラの下腹部に当たるアクシデントが見られて試合は中断したが、リベラはすぐに復活した。

3ラウンド。前に出たピケットはテイクダウン狙いで組み付き、リベラを金網に押し付けては太ももにヒザを入れてゆく。リベラはギロチンのカウンターを狙うが、うまく反応したピケットは体を横に移動し、サイドポジションで抑え込むことに成功。その後ハーフ上のポジションを取ったピケットはさらにポジションを進めようとするが、ここでレフェリーが試合をブレイクし、試合はスタンドに戻された。

その後も体を振って前に出るピケットだが、今度はリベラがカウンターのダブルレッグでテイクダウン。しかしすぐに立ち上がったピケットは、逆に深くダブルレッグに入ると、高々とリベラを抱え上げて豪快に叩き付けてのテイクダウン! そのままサイドで抑え込んだまま試合終了の時を迎えた。

激闘の判定は、2-1 (29-28, 28-29, 29-28)でピケットに。1ラウンドにリベラのカウンターをもらったものの、2ラウンド以降は冷静にテイクダウンを交えて体勢を挽回。そして最終ラウンド終盤の勝負所で、豪快なテイクダウンから抑え込んでみせたことが勝因となった。

勝利を告げられた瞬間、マットに崩れ落ち感涙にむせんだピケットは、「これまでいろいろと辛いことがあったんだ。勝てて本当に嬉しいよ。相手は本当に強かった。もうなんといいのか分からないくらい気持ちが高ぶっているよ。僕はこれからも戦い続けるよ。この地元のロンドンで勝てたというのは本当に大きいんだ。労働者階級出身だから、これからも家族を養うためにハードワークを続けるよ」と、3連敗を乗り越えて地元で勝利した喜びを噛み締めた。