日本時間6月4日(日)、 ブラジル・リオデジャネイロにあるジュネス・アリーナで行われたUFC212におけるプレリミナリーファイト(前座試合)後半戦の試合レポート。
バンタム級 5分3ラウンド
ハファエル・アスンソン vs. マルロン・モラエス

長年バンタム級の上位の座をキープしているアスンソンは、昨年7月に元王者T.J.ディラショーの変幻自在の打撃の前に0-3で敗れたものの、今年の1月にはアルジャメイン・スターリングとの上位ランカー対決を2-1で制し、現在ランキング3位だ。
対するモラエスは、WSOFにて無敵のバンタム級王者として君臨していた男。今回満を持してのUFC初登場となる。 UFCの誇るトップランカーが、鳴り物入りで参戦してくる他団体の王者を迎え撃つ、注目のブラジル人対決だ。
1ラウンド、両者オーソドックス。スイッチを交えながら左右のローを放つモラエスに対し、アスンソンもよく見てジャブを打つ。中盤以降徐々にプレッシャーを強めたアスンソンに対し、モラエスが軽快なフットワークでさばく場面が目立ったが、終盤アスンソンが右ストレートをクリーンヒットさせた。
2ラウンドも、お互いの強打を警戒する両者による緊張感のある打撃の攻防が続く。場内からはブーイングも聞かれるなか、前に出るアスンソンがジャブを当てれば、モラエスもカウンターの左フックをヒットさせた。
3ラウンド序盤、アスンソンの右ストレートがクリーンヒット! 一瞬崩れたモラエスだが、すぐに持ち直すと逆に左フックを返す。モラエスはフェイントを繰り返し、アスンソンにカウンターのタイミングを取らせないが、自らもなかなか有効打を当てられない。残り1分のところでテイクダウン狙いに出たモラエスだが、アスンソンは見事に振りほどく。さらに終盤モラエスは派手なスピンキックやハイキックを狙ってみせた。
3ラウンド続いた神経戦の判定は2-1 (29-28、28-29、30-27)でアスンソンに。難敵から薄氷の勝利を得たアスンソンは「マルロンは他団体の王者で難敵だったよ。ありがとう」と語った。
ミドル級 5分3ラウンド
アントニオ・カルロスJr. vs. エリック・スパイスリー

TUFブラジル3王者のカルロスJr.は最近UFCで2連勝中。対する米国のスパイスリーもまた、現在オクタゴンで2連勝中だ。
1ラウンド、両者オーソドックス。距離を詰めていったカルロスJr.に対して、スパイスリーはタブルレッグでテイクダウンを奪う。立ち上がったスパイスリーに対し、下のカルロスは外側から足を絡めるデラヒーバガードを取ると、そのまま競技柔術で猛威を振るうベリンボロのように横回転。スパイスリーの足の間から頭を出して、足を内側から絡めて50/50のポジションを作って、スパイスリーのバランスを崩してみせた。
お互い足を組んで内ヒールを取られないようにした上体で、鉄槌を打ち合う両者。両者ともにヒールを狙い合い、防ぎ合う攻防がしばらく続いた後でスタンドに。するとすぐにタックルに入ったカルロスJr.は、スパイスリーをケージに押し付け、片足をクラッチすると引いてまわしてテイクダウンに成功。すぐにマウントからバックに移ると、四の字フックからチョークを狙うが、スパイスリーは守り切った。
2ラウンド、距離を詰めて来るカルロスJr.に対してカウンターのテイクダウンを狙ったスパイスリーだが、カルロスJr.はそれを切り返して上に。ハーフガードで胸を合わせるが、スパイスリーは下から身体をずらし、足を絡める。今度はスパイスリーの方から50/50のポジションを作ってみせた。ヒールを狙うスパイスリーに対して、上から足を抜いたカルロスJr.はすぐにバックに。
スパイスリーは動き続けて正対に成功し、下から足を絡めにいくが、カルロスJr.はそれを捌いて再びバックに。さらに四の字フックを作ってチョークを狙い、腕を深く沈み込ませると、3分49秒でスパイスリーはタップした。
見事なグラウンドゲームで勝利を得たカルロスJr.は、「ここで戦えて本当に嬉しいよ。僕は新世代だ。これからも活躍するよ。僕はTUFで優勝する前には3試合しかしていなかったんだ。それからいろいろなことを経験した。それを活かしてこれからも強くなるよ。向こうが寝技で勝負して来たことには少し驚いたけど、そこは僕の本領だから問題ないさ」と語り、さらに「できれば次はダニエル・ケリーとデレク・ブランソンの勝者と戦わせてもらいたいんだ」と、以前敗れたケリーへのリベンジを意識したコメントを残している。
バンタム級 5分3ラウンド
ジョニー・エドゥアルド vs. マシュー・ロペス

ブラジルの36才のヴェテラン、エドゥアルドは前回マニー・ギャンブリアンから2RKO勝利を挙げており、現在ランキング10位。対する米国のロペスも、前回はミッチ・ゲイグノンを判定3-0で下してUFC初勝利を挙げている。
1ラウンド。サウスポーのロペスに対し、オーソドックスのエドゥアルドは強烈な右のインローを入れてゆく。さらにエドゥアルドは強烈な右ストレートを当てるが、ロペスも右フックをお返し。やがてエドゥアルドの右に合わせてロペスは突進し、ダブルレッグでテイクダウンに成功。下になったエドゥアルドは、すぐにスピンしてロペスの足を取ると内ヒールに。形に入ったかのように見えたが、ロペスはエドゥアルドの腕を掴んで防御してパンチを当ててゆく。、そのまま上体を起こして鉄槌を連打!
それでも極めようとするエドゥアルドに対して、ロペスは上体を起こして鉄槌を連打! 完全に動きが止まったエドゥアルドに対して、ロペスはさらにパウンドの雨。打たれるままになったエドゥアルドを見て、2分57秒で試合はストップされた。
敵地で勝利を挙げたロペスは「このリオの人々は僕に本当の良くしてくれた。ここはMMAのメッカだ。トップ10の誰とでも戦いたい」と語った。
バンタム級 5分3ラウンド
ユーリ・アルカンタラ vs. ブライアン・ケレハー

ブラジルの36歳のヴェテラン、アルカンタラは昨年10月にブラッド・ピケットを三角締めで、今年の3月にはルーク・サンダースを膝十字で極めて現在UFC2連勝中。現在ランキング13位だ。対する米国のケレハーは、2014年11月以来6連勝を飾って今回敵地でオクタゴンデビューを迎える。
1ラウンド。オーソドックスのケレハーに対して、サウスポーのアルカンタラは、地元の大歓声に乗って強烈な左ハイを入れると、さらに同じモーションから左ストレートをヒットさせてケレハーのバランスを崩す。立ち上がったケレハーもジャブを出しながら果敢に前に出るが、アルカンタラはカウンターのダブルレッグでテイクダウン。倒れたケレハーがすぐに片腕が一本入った状態のギロチンを仕掛けると、なんとアルカンタラがタップ! 場内が静まり返ってしまうなか、1分48秒でケレハーが勝利した。
会心一本勝ちでUFCデビューを飾ったケレハーは「全く緊張せず、いい精神状態で臨めたよ」とコメント。 やがて場内からブーイングが高まると、ニヤリと笑ったケレハーは「デイナ! トップ10の選手と戦わせてくれ。怪我もしていないから、次のニューヨーク大会で試合を組んでくれ! そしてボーナスもくれ! 僕の人生を変えてくれよ! ブラジルまで来て地元のヒーローを倒したんだぞ!」とアピールしてみせた。