TUF 27フィナーレ見どころ:ロクサン・モダフェリ「私はスーパーヒーローになりたいんです!」

TUF 見どころ
TUFシーズン26フィナーレ:公式計量セレモニーに登場したロクサン・モダフェリ【アメリカ・ネバダ州ラスベガス/2017年11月30日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
TUFシーズン26フィナーレ:公式計量セレモニーに登場したロクサン・モダフェリ【アメリカ・ネバダ州ラスベガス/2017年11月30日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間7月7日(土)に開催されるジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン27フィナーレに、かつては日本に8年間在住し、日本女子格シーンでも大いに存在感を示したロクサン・モダフェリ(アメリカ)が出場し、バーブ・ホンチャック(アメリカ)との試合に臨む。2013年にアメリカに帰国して以来、レジェンドの座に甘んずることなくファイターとしてますます進化を遂げ、UFCやInvicta FCでタイトルに挑戦するなど大活躍の”ハッピー・ウォリアー”ことモダフェリに、近況や今回の試合への意気込みを聞いた。モダフェリ選手は取材に対してすべて流ちょうな日本語で答えてくれている。

連敗中によぎった”引退”の2文字

Q: モダフェリさんはもともと、どうして日本に行こう、日本で暮らそうと思うようになったのですか。

モダフェリ:
子どもの頃からアニメが大好きで、大学で日本語を専攻しました。翻訳者・通訳者になろうと思っていたんです。でも、大学の4年間の勉強だけでは、よい翻訳・通訳をするには不十分だと感じた。そこで、英語教師の職を得て、渡日したんです。

Q: では格闘技をやるきっかけは何だったのですか。

モダフェリ:
アメリカで『秘密戦隊ゴレンジャー』を見て、スーパーヒーローになりたい! という思いが高まり、テコンドーを始めました。その後、柔道、キックボクシングを経て、大学生の頃から総合の練習を始めることになります。『ドラゴンボール』にも影響を受けました。フリーザのように戦いたい、強くなろうと思ったのです。

Q: 日本時代で一番思い出に残っている試合はどれですか。

モダフェリ:
K-GRACEという大会で、無差別級のワンデイ・トーナメントに出場し、1日3試合に勝ち抜いて優勝したことです(注:2007年5月27日、イ・ヒジン、藪下めぐみ、マルース・クーネンに連勝)。それから、赤野仁美選手に判定負けしたのが、自分では勝ったかなと思ったので、すごく悔しかったことも覚えています(注:2011年7月)。

Q: 日本での最後の頃には、6連敗をするなど、不調な時期もありました。これは何か原因があったのですか。

モダフェリ:
練習はがんばってしていたのだけれど、技術的な面で上達が頭打ちになっていました。正直、勝てないことが続くと、もうやりたくないな、と思う時もありました。それと、ハードな練習をしていたので、身体もボロボロでした。ちょうどそんな時に、TUFシーズン18のお話が来たので、チャレンジしてみることにしたのです。

TUF出場が飛躍のきっかけに

Q: では日本を離れてアメリカに帰国なさったのはTUF 18出場のためだったのですね。

モダフェリ:
そうです。そして、TUFの合宿所で実際にトレーニングをしてみて、アメリカのコーチはこんなふうに教えてくれるんだ、ということを経験して、これならまだ自分は成長ができると考え、現役を続けることにしたんです。TUF 18の撮影が終わった頃、日本での仕事を辞めて、本格的にアメリカに帰国し、シンジケートMMAというジムに入会しました。

Q: ではTUF 18の撮影中は日本での仕事はまだ辞めていなかったんですか!

モダフェリ:
そう。上司に「ちょっと6週間ほど休んでいいですか」とお願いしてね(笑)。私は『ベルリッツ』で教えていたんですけれど、本当にいい学校だったので、辞めないといけないのはつらかったです。

Q: モダフェリ選手はTUFシーズン26にも出場されましたが、これはどういう事情だったのですか。

モダフェリ:
UFCに復帰するためにはTUFに出演することが一番の近道だから、ちょっと大変だったけど、割り切って参加しました。やっと私の階級であるフライ級ができたわけですから、どうしてもUFCで戦いたかったんです。

ポジティブ思考でさらなる高みへ

Q: アメリカ帰国後の戦績は6勝2敗。最近では強烈なパウンドでTKO勝ちするなど、モダフェリさんはまだまだファイターとして進化を続けておられますが、長年にわたってどのようにモチベーションを維持されているのですか。

モダフェリ:
毎日の練習や試合で、これまでに学んだことを試してみたい、新しいことに取り組んでみたい、という気持ちを持っていることでしょうか。マーシャルアーツでは、毎日少しずつでも上達したい、という気持ちが必要だと思います。

Q: モダフェリさんは、『How to be positive: Mental Training』というモチベーションの本を書かれていますね。例えばどんなことが書かれていますか。

モダフェリ:
「ネガティブな考えを止めることはできないけれど、それをポジティブな考えに置き換えることはできる」といった教訓が書いてあります。足が痛くて練習できない時でも、頭を切り替えて、パンチの練習をすればよいのです。私はスーパーヒーローになりたいから、本を通して他の人を助けたい。だから私は本を書くのが大好きなんですよ。

Q: 前回はUFC女子フライ級タイトルに挑戦されました。特に第5ラウンドのアームバーはあと一歩でしたね!
(注:2017年12月のTUF 26フィナーレでは、ニコ・モンターニョとシジャラ・ユーバンクスによる王者決定戦が組まれていたが、ユーバンクスの欠場に伴い、モダフェリが代打出場を果たした。結果はモンターニョの判定勝ち)

モダフェリ:
あれは残念でした。試合は計量の日の午前2時、私が寝ている間に決まりました。もっときちんと準備をして試合に臨みたかったという気持ちもありますが、ラッキーな経験でした。

Q: そして今回の対戦相手、ホンチャックにつては、モダフェリさんはかねて戦いたかった相手だとおっしゃっています。

モダフェリ:
前回、7年前に対戦した際には、リアネイキドチョークで負けました。今回はリベンジしたいと思います。彼女はレスリングが強いのですが、私も最近はレスリングを練習しています。打撃からレスリング、そして柔術へとつないで勝ちたいと思っています。スクランブルに注目してください。

Q: これまでのUFC戦績は0勝2敗です。

モダフェリ:
そう、だからこそ、今回は勝たなきゃならないです。

Q: 最後に日本のファンに一言、メッセージをお願いします。

モダフェリ:
日本の皆さん、私のことをずっと応援してくれて、どうもありがとうございます。日本語でも書いていますので、是非ソーシャルメディアで声をかけてください!

【文 高橋テツヤ】
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