ヴァンダレイ・シウバが2024年度のUFC殿堂メンバーに

UFC
ヴァンダレイ・シウバ【Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images】
ヴァンダレイ・シウバ【Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images】
現地17日(土)、UFCが元PRIDEミドル級王者のヴァンダレイ・シウバを2024年にUFC殿堂のパイオニア部門に迎えることを発表した。2024年UFC殿堂入りセレモニーは今夏にラスベガスで行われ、『UFC FIGHT PASS(UFCファイトパス)』によって独占ストリーミング配信される。

UFC会長のデイナ・ホワイトは「ヴァンダレイ・シウバはMMAというスポーツの真のパイオニアのひとりだ」と述べている。

「ヴァンダレイは容赦ない選手で、格闘技史上最も記憶に残るファイトを披露したことで知られる。ミルコ・クロコップ、チャック・リデル、ダン・ヘンダーソン、ブライアン・スタンとは伝説的な戦いを繰り広げ、リッチ・フランクリンとの数々の試合はまさに戦争だった! 彼はまた、PRIDE初期のスーパースターのひとりであり、MMAファンを世界的な規模に成長させることに貢献した。この夏に彼をUFCの殿堂入りに迎えることができて光栄だ」

シウバはパイオニア部門の19人目のメンバーとしてUFC殿堂入りを果たす。パイオニア部門は(総合格闘技の統合ルールが承認された)2000年11月17日以降にプロに転向し、35歳以上、または引退から1年以上が経過したアスリートを対象としている。

22年間のMMAキャリアで51試合を戦ったベテランのシウバは、35勝14敗1分ノーコンテスト1回(UFCとPRIDEで27勝11敗1分ノーコンテスト1回)を記録し、UFCの殿堂メンバーである桜庭和志、マイケル・ビスピン、ダン・ヘンダーソン(試合部門)や、UFC®13のライト級トーナメント優勝者であるガイ・メッツァー、元UFCライトヘビー級王者の“ランペイジ”ことクイントン・ジャクソン、パンクラスミドル級、ライトヘビー級、無差別級の王者である近藤有己、元ストライクフォースミドル級王者のユージーン・ジャクソン、元WEC®ライトヘビー級チャンピオンのブライアン・スタンから白星を奪っている。

シウバは1996年11月1日に実施されたブラジリアン・バーリトゥード・ファイティング6でMMAのプロデビューを飾った。第1ラウンドで相手をノックアウトで破り、その後5試合中4試合に勝利してからUFCに参戦している。

シウバは1998年10月16日にブラジルのサンパウロで開催されたUFCブラジル:アルティメット・ブラジルでUFCデビュー。UFC 12のヘビー級トーナメント王者で、のちにUFCライトヘビー級王者となるヴィトー・ベウフォートと対戦し、第1ラウンド開始44秒で打撃によって敗れている。

ベウフォートに敗れたシウバはバーリトゥードに戻って2勝を挙げてから、1999年5月7日に開催されたUFC 20:BATTLE FOR THE GOLD(バトル・フォー・ザ・ゴールド)でオクタゴン®に復帰し、トニー・ペタラを第1ラウンドでノックアウトしている。

シウバはUFCを離れ、そこから日本の伝説的なMMAプロモーションであるPRIDE(プライド)で3戦3勝をマーク。その後、オクタゴンに復帰し、空位になっていたUFCライトヘビー級王座を懸け、UFC 25:アルティメット・ジャパン3のメインイベントで未来のUFC殿堂入りファイターであるティト・オーティズと対決した。フルラウンドの戦いの末、オーティズがユナニマス判定でタイトルを勝ち取っている。

UFCライトヘビー級のタイトルを逃したシウバは、それから7年の主な活動拠点を日本のPRIDEに定める。この間、シウバは日本で25試合に登場し、2001年に行われたPRIDE 17では、後にUFC殿堂に迎えられる桜庭和志を倒してPRIDEミドル級王者となった。シウバは4度のタイトル防衛に成功し、王者として君臨した期間は1,939日におよぶ。これはPRIDE史上、最長の期間だ。

ミドル級タイトルを手にしている間、シウバはPRIDE GRANDPRIX 2003にもミドル級ファイターとして出場。桜庭のほか、柔道の世界チャンピオンで3度のオリンピックメダリストである吉田秀彦、元UFCライトヘビー級王者のクイントン・ジャクソンを下して、グランプリチャンピオンに。2005年と2006年のPRIDE GRANDPRIXにも参加し、いずれの年も準決勝に進出した。

2007年に再びUFCに戻ったシウバは、元UFCライトヘビー級チャンピオンのチャック・リデルとUFC 79:NEMESIS(ネメシス)のセミメインイベントで相まみえる。ユナニマス判定で敗れたシウバだったが、その戦いぶりはファンの胸を打ち、この試合は複数のメディアによって“ファイト・オブ・ザ・イヤー”に選ばれた。

それから6年の間、シウバはUFCミドル級とライトヘビー級でトップコンテンダーたちと戦っている。2013年3月3日には、元WECライトヘビー級王者のブライアン・スタンをUFC on FUEL TV:シウバ vs. スタンのメインイベントでノックアウト。これが、シウバのUFCラストファイトとなる。2018年9月29日に引退するまで、オクタゴンの外で2試合に登場した。

シウバは下記のような見事な業績を残して、UFC殿堂に迎えられる。

UFC
『Zuffa(ズッファ)』歴代(PRIDE/UFC/WEC/Strikeforce)最多ノックアウト:19回
『Zuffa(ズッファ)』歴代(PRIDE/UFC/WEC/Strikeforce)最多ノックダウン:27回

PRIDE
PRIDE歴代最多勝利:22勝
PRIDE歴代最多ノックアウト:15回
PRIDE歴代最多ノックダウン:18回
PRIDE歴代最多有効打:720回
PRIDE歴代最長の連続無敗記録:20試合(18勝0敗1分 ノーコンテスト1回)
ミドル級王者としてPRIDE歴代最長の在位期間:1,939日
PRIDE歴代最多タイのサッカーキック/ストンプによるノックアウト:4回

オクタゴンの外で、シウバはキャリアを通じて数々の栄誉に浴してきた。2004年にはPRIDE 28でのクイントン・ジャクソンへのノックアウトが『Sports Illustrated(スポーツ・イラストレイテッド)』誌の“ノックアウト・オブ・ザ・ディケイド”に選ばれている。2008年はUFC 79でのチャック・リデルとのバトルがファイト・オブ・ザ・イヤーに選出されたのに加え、UFC 82のキース・ジャーディン戦で決めたノックアウトが『Fighters Only(ファイターズ・オンリー)』誌の“ワールドMMAアワード”でノックアウト・オブ・ザ・イヤーに輝いた。2020年にはシウバの生涯をつづった『Sem Coleira(セム・コレイラ)』が出版されている。

ブラジル・クリチバ生まれのシウバは、シュート・ボクセ・アカデミーでムエタイやキックボクシングのトレーニングを開始。ブラジル陸軍に入隊し、ブラジリアン柔術のトレーニングにも着手した。現在は妻や子どもたちと共に、クリチバに暮らしている。
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