UFCファイトナイト・サンパウロ見どころ:ケガの功名、サントス対アンダースのフレッシュ対決実現

UFCファイトナイト 見どころ
UFC 227:チアゴ・サントス vs. ケビン・ホランド【アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス/2018年8月4日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFC 227:チアゴ・サントス vs. ケビン・ホランド【アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス/2018年8月4日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間9月23日(日)に開催されるUFCファイトナイト・サンパウロ。そのメインイベントでは、エリク・アンダース(アメリカ)対チアゴ・サントス(ブラジル)が行われる。

ヘビーヒッター対決実現!

実は当初発表されていたメインイベントは、グローバー・テイシェイラ対ジミ・マヌワのライトヘビー級戦だった。しかし、まずテイシェイラの負傷欠場が明らかになると、本来ミドル級ファイターであるサントスの代打出場が決定。その後、マヌワも欠場することとなり、こちらも本来はミドル級ファイターであるアンダースが、試合のわずか6日前の出場要請を受けてスクランブル発進を引き受けた。こうして本来ミドル級の両選手が、ライトヘビー級戦で矛を交えることとなったのである。サントスは8月4日、アンダースは8月25日に前回の試合をそれぞれ勝利で飾ったばかりだ。

アンダースはMMAデビュー以来10連勝という実績をひっさげ、今年2月のUFCファイトナイト・ベレンで、キャリア初のメインイベントに登場し、地元の英雄リョート・マチダと戦った。この試合を僅差の判定負けで落としたアンダースであったが、8月のUFCファイトナイト・リンカーンではティム・ウィリアムスを強烈なハイキックでノックアウトして早速にも白星街道に復帰している。キャリア11勝のうち、判定勝ちは3つしかないフィニッシャーだ。

マチダ戦での敗北について「いい勉強になった」と振り返るアンダースだが、レジェンド相手にフルラウンド戦い抜いたことは自信につながる経験だったという。

「あの試合で、自分もUFCでやっていけると確信できたよ。ただ、負けは負けだ。試合が終わった時、自分は息も乱れていなかった。そこが間違いだった。フルラウンドを戦ったのなら、ヘトヘトになっていないとおかしい。やはり自分のせいなんだ」

再びブラジルでのメインイベントで雪辱を期すアンダースに立ちはだかるのは、今年に入ってこれが4試合目となる売り出し中のパワーヒッター、サントスだ。4試合連続フィニッシュ勝利の後、デビッド・ブランチにいったんストップされたものの、8月のUFC 227でケビン・ホランドを下してこちらも星を取り戻したばかり。UFC戦績10勝中、8勝がノックアウト勝ちだ。今回が初めてのメインイベント出場となる。

サントスは自身の『Facebook(フェイスブック)』公式ページで「マヌワの欠場には失望したものの、アンダースがこの戦いを受けてくれて、無事にイベントが行われることとなったことをうれしく思う。このメインイベントにぜひ注目していただきたい。自分は集中力を高めて戦い、みなさんの応援に勝利で応えたいと思っている」とコメントしている。紆余曲折の結果、人気、実力とも急上昇中の両選手による、活(い)きのいいメインイベントが実現した。熱い戦いになることは間違いない。

ノゲイラ弟、42歳の再出発

また、メインカードでは日本でもおなじみの元PRIDEファイター、アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(ブラジル)が久々に登場し、“スマイリング”サム・アルビー(アメリカ)と対戦する。

22カ月ぶりの試合となるノゲイラは、2017年10月に薬物検査失格が報じられたものの、その後の調査で汚染サプリメントが原因であったことが特定され、処分が解かれて晴れての出場となる。

42歳になったノゲイラであるが、まだまだ現役続行に意欲的だ。

「(先に引退した)双子の兄のホドリゴは、ヒザやアバラに故障を抱えて戦っていた。その点、自分には大きなケガはない。ランディ・クートゥアもダン・ヘンダーソンも、引退したのは46歳の時だったと思う。自分もまだ、少なくとも1、2年はやれると思っているんだ」

「ただ、キャリアはもう20年近くになる。次の試合は、動き、タイミング、スピード、気持ちなどの面で自分がどれくらいできるのかを確かめるための重要な試合になる」

対するアルビーはミドル級からライトヘビー級に転向して以降、2連勝と好調だ。特に2月のUFCファイトナイト・オーランドでは、マルチン・プラフニオを鮮烈にノックアウト、減量から解放されて、本来の強さを存分に発揮できるようになっている。ちなみにいつもセコンドについている女性は、アメリカの人気リアリティショー、『America’s Next Top Model(アメリカズ・ネクスト・トップモデル)』優勝者にしてアルビー夫人でもあるマッキー・サリバンだ。自慢の奥様に檄(げき)を受けて、笑顔戦士がレジェンド殺しに乗り出す。

今回がファイナルファイト、ダナムとレイチ

元暫定王者カルロス・コンディットに一本勝ちするなど、ウェルター級転向後絶好調のブラジル版“カウボーイ”ことアレックス・オリベイラ(ブラジル)と対戦するカルロ・ペデルソリ(アメリカ)と、元UFCバンタム級チャンピオンであるヘナン・バラオンと拳を合わせるアンドレ・イーウェル(アメリカ)をはじめとして、実に8選手がUFCデビュー戦か2試合目というフレッシュな顔ぶれがそろったUFCファイトナイト・サンパウロだが、一方でエヴァン・ダナム(アメリカ)とターレス・レイチ(ブラジル)は今回をもって現役から退くことを表明している。

フランシスコ・トリナウドと対戦予定のダナム(36歳、MMA戦績18勝7敗1分)は、引退後には自らのジム経営に専念する予定とのこと。2009年にUFC入りして以来、ほとんどの期間をライト級のランカーとして生き抜いてきたベテランだ。今年4月にオリビエ・オーバン・メルシエに負けるまで、4連勝を飾っていた。

ヘクター・ロンバードと対戦予定のレイチ(36歳、MMA戦績27勝9敗)は2006年にUFC入り。2009年には当時のミドル級絶対王者アンデウソン・シウバに挑戦して敗れている。いったんリリースされた後、2013年から再びオクタゴンに参戦していた。

メインイベント以外にも負傷欠場によるカード変更が相次いだ今回のイベントではあるが、それでもピンチを救うべく、ファンファーストな代打出場選手が押っ取り刀で集結した結果、都合14試合というてんこ盛りのカードとなった。先週のモスクワから、今週はブラジル最大の都市へと舞台を大きく移して継続するオクタゴン上のドラマをお見逃しなく。

【文 高橋テツヤ】

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