UFCファイトナイト・ロンドン見どころ:ウェルター級スターウォーズ、ティルが復権のノックアウト宣言!

UFCファイトナイト 見どころ
UFC 228:公式計量セレモニーに登場したダレン・ティル【アメリカ・テキサス州ダラス/2018年9月7日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFC 228:公式計量セレモニーに登場したダレン・ティル【アメリカ・テキサス州ダラス/2018年9月7日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間3月17日(日)に開催されるUFCファイトナイト・ロンドンには、4人のウェルター級トップファイターが集結し、激動のウェルター級の今後を占う重要な試合に臨む。メインイベントではリバプール出身でウェルター級ランキング3位につけるダレン・ティル(イギリス)が同11位のホルヘ・マスヴィダル(アメリカ)と対戦する。

ティルの最強へのこだわり

ティルは昨年9月に行われたUFC 222で、UFC戦績わずか6戦目にしてタイトルマッチにたどり着いたものの、当時の王者タイロン・ウッドリーの牙城を崩せず、キャリア初黒星を喫した。

「みっともない敗戦だった。パンチを放つことができなかった。これから一生背負っていくほどの悔しさだ。この試練を超えて、人として、ファイターとして進化していかないといけない」と試合を振り返るティル。それでも、「1度負けたからといって、僕の目標は変わっていない。僕はより強くなって戻ってくる」と、強い気持ちで試合に戻ってくることを宣言している。

「僕はお金を稼ぎたいわけでも、チャンピオンになりたいわけでもない。僕の目標は、引退する時に、君こそ最強のファイターだったと言われることだ。チャンピオンになることは、そのための手段にすぎない」

「僕にとって今回が4度目のメインイベントになる。誇りに思っている。ここからまた、僕は自分の王国を築き直していく。記録を破り、メインイベントに出続ける」と気分一新で母国のリングに帰還するティルは、マスヴィダル相手に大胆不敵なフィニッシュ予告をぶちあげている。

「この試合は、第1ラウンドでフィニッシュできなかったら満足できないね」

「最上のバイオレンスを約束する」マスヴィダル

対するマスヴィダルは、日本でも幾度となく戦ったことのあるキャリア15年、戦歴45戦のベテラン喧嘩(げんか)師だ。これまでコンスタントに試合をこなしてきたマスヴィダルだが、2018年にはついに1度も戦わなかった。内定していたニック・ディアス戦が流れてしまったからだ。

「ニック戦はやる気満々だっただけに、中止になってひどく落ち込んだよ。ただ、おかげでニック戦に勝るとも劣らないチャンスを得ることができた。ティルはランキング3位の選手だからね。とにかく早く戦いたくて仕方がない」

「オレのキャリアは次の次元に進んでいる。もう、お子様の相手はしている暇はないんだ」と、骨のある対戦相手との戦いにこだわりを見せるマスヴィダルは今回の試合について、「ティルの頭を身体から吹き飛ばしてやる。試合は短期決着になるだろうが、仮にフルラウンドになったとしても、オレはオレの大好きなダンスをたくさん踊るだけのことさ」と、あふれる自信はティルに勝るとも劣らない。

1歩たりとも引くことを知らない両者だが、ティルが「マスヴィダルのことなら庭で遊んでいた子どもの頃から知ってる。僕と同じ勝負師だから、この試合にはくだらない舌戦は無用だ」と言えば、マスヴィダルも「ティルの気概は悪くない。とにかく、ファンには最上のバイオレンスで、入場料分をしっかりお返しするよ」と応じるなど、この試合が激しい決闘になることでは両者の意見が一致している。

ネルソン、いよいよ本領発揮へ

UFCファイトナイト・ロンドンのセミメインイベントでは、バーミンガム在住のレオン・エドワーズ(ジャマイカ ウェルター級ランキング10位)が、グンナー・ネルソン(アイスランド 同13位)と対戦する。

2012年9月のUFCデビュー以来、鮮やかなグラウンドワークとカリスマ性ある個性で未来の王者として期待されてきたネルソンだが、UFCデビューから4連勝した後は4勝3敗、大事なところで星を落とすなど、いまだその潜在力を十分に発揮するには至っていない。ヒザの故障が癒えて、UFC 231(2018年12月)で17カ月ぶりに復帰したネルソンは、第1ラウンドにアレックス・オリベイラに攻め込まれながらも、第2ラウンドにリアネイキドチョークで執念の逆転勝ちを収めた。

「コンディションが最高だったんだ」とネルソンは昨年から取り入れたコンディショニングとストレングスのトレーニングに手応えを感じている。「ラウンドインターバルで体力があっという間に回復した。前回の自分は過去最強だったが、今回はさらに万全の姿をお見せする。今の自分には勢いがついている。この調子でどんどん戦っていきたい」

対戦相手のエドワーズについては、次のようにクールに分析している。

「レオンはおそらく、スタンドで戦いたがるだろう。グラウンドもできる男だけど、俺相手では分が悪いだろうからね。こちらとしてはいつものように、相手が何をしてこようが、捕まえてフィニッシュするだけだ。判定勝ちは考えていないよ」

一方、3年前に現ウェルター級王者カマル・ウスマンに判定負けを喫した後、ビセンテ・ルーケ、ブライアン・バーバリーナ、ドナルド・セラーニらを下して現在6連勝中と絶好調、いつの間にかトップ10入りを果たしていたエドワーズ。ニックネームの“ロッキー”が物語るように、もともとは打撃中心の選手だったが、試合を重ねるごとにオールラウンドのMMAファイターへと進化を遂げている。イベント前記者会見でのエドワーズはネルソンだけでなく、メインイベントに出場のティル、マスヴィダルに対しても強烈なトラッシュトークを浴びせるなど自己主張しており、こちらもまた、時の勢いと上位進出への意欲は十分だ。

3月のUFCはウェルター級祭り!

3月のUFCはまさに春のウェルター級祭りの様相を呈している。何しろ王者を含む公式ランキングトップ15のうち、実に10選手の試合が組まれているのだ。すでに先々週のイベントでは新王者ウスマンが誕生し、さらにデビュー戦を勝利で飾ったベン・アスクレンがいきなり6位にランクインするなど戦線は風雲急を告げている。来週は、ランキング4位のスティーブン・トンプソンが、ライト級から転向した強豪アンソニー・ペティスを迎え撃つ。今やUFC最激戦区になったウェルター級、3月が終わる頃には新たな方向性が見えてくることになろう。

ロンドンで戦う4選手にとっても、出世競争まっただ中のヒリヒリするような試合となるが、こうした厳しい戦いこそ、ファンにとっては愉悦が深い。世界最高峰の戦い模様は今が旬、UFCファイトナイト・ロンドンを見逃してはならない。

【文 高橋テツヤ】
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