UFC 217見どころ:豪華3大タイトルマッチで燃え上がる!

UFC PPV 見どころ
UFC 217:ジョルジュ・サン・ピエール【Photo by Brandon Magnus/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images】
UFC 217:ジョルジュ・サン・ピエール【Photo by Brandon Magnus/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images】
コナー・マクレガーのライト級タイトル奪取に沸いた昨年11月開催のUFC 205。伝統のマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行われたUFC初イベントは観客動員数2万人、ゲート収入はMSG新記録の1,770万ドルを記録するなど、大成功のうちに終了した。そして今年もUFCはタイトルマッチ3試合を擁する年間最大のイベント、UFC 217(日本時間11月5日開催)でビッグアップルに乗り込む。



ウェルター級王座9回連続防衛、GSPが4年ぶりに復帰

メインイベントはUFCミドル級タイトルマッチ、王者マイケル・ビスピンに、4年ぶりのオクタゴン復帰を果たすMMA史上最強王者の1人、GSPことジョルジュ・サン・ピエールが挑戦する。

極真空手をバックグラウンドに持ち、日の丸に必勝と書かれたハチマキ姿で入場することでおなじみのGSP。オールラウンダーのカーロス・コンディット、喧嘩(けんか)屋ニック・ディアス、天才B.J.ペン、寝業師ジェイク・シールズなど、とんでもない難敵を次々に撃破し、7年間に渡ってウェルター級王座を9回連続防衛していたGSPは、2013年のジョニー・ヘンドリックス戦後の勝利者インタビューで、「いろいろ考えたんだけど、しばらくグローブを外すことにする」と唐突に宣言、32歳の全盛期にして長い沈黙期に入ってしまった。

キャリアを中断した理由の1つとしてGSPは、「MMAにドーピングが横行している。常時抜き打ちで行う薬物検査を導入すべき」と主張していた。その言い分は、当時の状況ではあまりにも理想郷的に映り、GSPは潔癖過ぎるのではないかと指摘する向きもあったほどだった。しかし、ご存じの通り、今のUFCにはGSPが主張した通りの薬物検査プログラムが導入されている。

さらに最近になって、GSPは長い休暇をとった別の理由を次のように赤裸々に語っている。

「当時のウェルター級は、選手層がすごく厚くて、次から次へと殺し屋が送り込まれてきて、息もできなかった。他のスポーツとは違い、これは本物の生存競争だ。だって、本当に死ぬかもしれないんだ」

「試合前になると僕は車に乗って出かけていき、普通の人々の普通の生活を眺めるのが好きだった。スーパーから紙袋を抱えて出てくるおばあさんは、僕が土曜日の夜に戦うことなんか知らない。彼女にとって、僕なんか、どうでもいい存在だ。僕のことを気に掛けている人は、世界のほんの一握りの人だけであって、僕の試合なんて些細(ささい)なこと・・・そう思うとプレッシャーが和らいで、気分が良くなった。長期間チャンピオンを続けることはきつい。世界がずっと自分中心に回っているように感じられるからだ。僕にはエネルギーを補給する時間が、本当に必要だった」

GSPは今回、ウェルター級ではなくミドル級で復帰を果たす。勝てば史上4人目の2階級制覇だ。「ビスピンは僕には勝てない。保証する。水は濡(ぬ)れる。火は燃える。そして僕はビスピンに勝つ。こんなにはっきりしていることはない」と自信を見せるGSP。1,449日ぶりのオクタゴンで、かつての強い姿を見せてくれるのか、それともやはり時の流れは無情なのか。謎と不安と期待の答えはまもなく、いやがおうにもさらけ出される。

大器晩成マイケル・ビスピン、舌戦では圧勝

受けて立つ王者ビスピンは、お得意のトラッシュトークがいつも以上にさえ渡る。

GSPがかつて、エイリアンに拉致されることを常に警戒して暮らしていると明かしたことを揶揄(やゆ)したビスピンの口撃はこうだ。

「GSPが姿を消したのはヘンドリックスに頭を殴られ過ぎたせいで、エイリアンに拉致されたと勘違いしたからだろう。お前が今日、電波の受信を防ぐためのアルミ箔(はく)の帽子を被っていないのは驚きだ。今回、オレはお前のことをコテンパンに殴りつける。お前はついに、自分がマザーシップに連れ去られたと勘違いすることになる」

「ヤツの身体は見たこともないほど肥大化しているが、それでもオレがこれまで戦ってきた選手の中では最小サイズだ。オレはライトヘビー級で15勝0敗(本人談)、ミドル級では世界チャンピオン。それに引き換えヤツは肥満体のウェルター級にすぎない」

「お前の試合はいつも、ジャブ、ジャブ、ダブルレッグ・テイクダウン。だからみんな退屈して寝てしまう。オレもコーヒーを飲んで頑張るんだが、やはり寝てしまう」

「試合中のGSPより、クリスマスショッピング中の女房の方がよほどアグレッシブだ」

過小評価されがちのビスピンだが、UFC戦績26試合目での戴冠という史上最も晩成の王者で、38歳にして現在5連勝と好調だ。英国出身の唯一の王者が、GSP復活祭を台無しにすることをもくろんでいる。

コーディ・ガーブラント、因縁戦を制し王者の証明なるか

UFC 217ではまた、バンタム級タイトルマッチ、王者コーディ・ガーブラント対挑戦者T.J.ディラショーの因縁の一戦も行われる。かつてはチーム・アルファ・メール(TAM)で同門だった2人だが、ディラショーの離脱をきっかけに抗争が勃発。

ガーブラントが「カリフォルニアを離れ、コロラドも離れ、お前はまるで街角に立ってジムを渡り歩く商売女だ」とこき下ろせば、ディラショーは「少なくともオレはお前と違って新しいことを学んでいる」と応戦、熱は高まる一方だ。

背後では「ディラショーがTAMのチームメイト、クリス・ホールズワースをわざとケガさせたらしい」といったうわさから「ガーブラントはかつてスパーリングでディラショーをノックアウトしたらしい」などとささやかれている。虚実ない交ぜのバックストーリーに加えて、両選手の実力や勢いも踏まえると、ファイト・オブ・ザ・イヤー級の激戦も期待できる、マニアにとっては裏メインといってもいい垂涎(すいぜん)のカードだ。

さらに女子ストロー級王者ヨアンナ・イェンドジェイチェクにローズ・ナマユナスが挑むタイトル戦も組まれた。イェンドジェイチェクは今回勝つと、ロンダ・ラウジーの持つ女子のタイトル連続防衛記録(6回)記録に並び、名実ともに絶対女王の称号を固める。

この他、ジョニー・ヘンドリックス、スティーブン・トンプソン、ホルヘ・マスビダルら人気選手も登場する好カードぞろいのUFC 217を震えて待て!

【文 高橋テツヤ】

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