序盤から積極的にピアソンが頭を振りながら距離を詰め、パンチの手数を繰り出すと、フッカーはロー、ハイ、それに前蹴りと多彩なキックを豊富に繰り出し相手の踏み込みを封じて次第に距離を支配し始める。しかし、経験豊富なピアソンも片足タックルにローキックとパンチにはこだわらずにさまざまな攻撃を織り交ぜて相手に主導権を渡さない。残り時間1分、フッカーが両足タックルに飛び込んだものの、ピアソンは容易にこれを跳ね返している。
素晴らしいヘッドムーブで距離を詰め続けるピアソンにフッカーは無数にジャブを繰り出すがピアソンはつかまらない。フッカーのジャブの連打をスリップでかわしつつ、その打ち終わりにジャブで飛び込むピアソンの左が何度もフッカーの顔面をとらえ、フッカーの鼻には出血も確認された。
ピアソンが試合の主導権を握ったかと思われた瞬間、フッカーが相手の飛び込みに合わせて右ヒザを突き上げる。この一撃が猛烈な衝撃音と共に完璧にピアソンの顎をとらえ、ピアソンの口からはマウスピースが弾け飛んだ。強烈な一発を食らってマットに大の字に倒れ込んだピアソンをさらに追撃するフッカーの前にレフェリーが飛び込み、2ラウンド3分02秒にKOによる試合の終了を宣告した。
KO! @danthehangman aka Dan Hooker with the vicious knee to the face of Ross Pearson! #UFCAuckland https://t.co/UNoNsijsuz
— FOX Sports: UFC (@UFCONFOX) 2017年6月11日
6インチのリーチ差を有するにもかかわらず、ピアソンの巧みなヘッドムーブをなかなかとらえ切れずに何度も相手の飛び込みを許したフッカーだったが、2ラウンド中盤過ぎにピアソンに合わせた完璧なヒザ蹴りを命中させ、その一撃で英国の実力者を粉砕している。
この結果、フッカーは通算15勝7敗と戦績を伸ばし、負けたピアソンは21勝14敗となった。