オクタゴンデビューを果たす選手が、初戦から元タイトルチャレンジャーにして華々しい成功を収めてきたファイターと相まみえることは非常に珍しいことだが、今週末にセルゲイ・パブロビッチが迎えるのはまさにそういった機会だ。ルーキーであるパブロビッチはメインイベント直前の試合でアリスター・オーフレイムと対峙する。
身長190cmを越え、12勝0敗のパーフェクトな記録を有するパブロビッチは、2年半前にクロアチアのザグレブでカーティス・ブレイズがフランシス・ガヌーとの対戦で初登場して以来のヘビー級における興味深い新人だ。グレコローマンスタイルのレスリングをベースにするパブロビッチはFight Nights Globalでキリル・シデルニコフやミハイル・モクナトキンらに連続で勝利している。
強敵を倒して12勝を記録したことでその才能は明らかになったものの、パブロビッチが今直面しているのは才能ひしめく深淵であり、後はそこで泳ぎ出せるか沈んでしまうかの二つに一つだ。
近年は苦戦しているとは言え、オーフレイムはベテランの選手にとっても最も危険で経験あるファイターであり、UFCロースターに加わったばかりの新参者にとっては大きな脅威となる。
しかし、乗り越える壁が大きければ大きいほど、成功したときの見返りも大きい。今週末に勝利できれば、パブロビッチは“勝利を積み上げてはしごを上っていく”過程をスルーし、直接ヘビー級の混戦の中心地へ飛び込むことができるだろう。
たとえプロとして初めての黒星をつけられたとしても、強力なパフォーマンスを示すことができればパブロビッチが2019年の注目選手となることは間違いない。いわばウイン・ウインの結果に持ち込むことが可能なのだ。
