UFCファイトナイト・ロチェスター見どころ:階級転向するリーがRDAに挑む!

UFCファイトナイト 見どころ
UFCファイトナイト・ミルウォーキー:公式計量セレモニーに登場したケビン・リー【アメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキー/2018年12月14日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFCファイトナイト・ミルウォーキー:公式計量セレモニーに登場したケビン・リー【アメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキー/2018年12月14日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間5月19日(日)に開催されるUFCファイトナイト・ロチェスターのメインイベントでは元ライト級王者ハファエル・ドス・アンジョス(ブラジル)とケビン・リー(アメリカ)によるウェルター級マッチが予定されている。

リー、ウェルター級転向は吉と出るか、凶と出るか

2014年にUFC入りして以来、最初の11戦で9勝2敗と、ライト級で出世の階段を順調に駆け上がったスター候補生リーだが、2017年10月の暫定王者決定戦でトニー・ファーガソンに、2018年12月にはアル・アイアキンタにも敗れ、トップファイターの壁を打破できないでいた。

そんなリーにとって今回は、ウェルター級転向初戦となる。リーは近年、減量に苦しんでいたとされ、2018年8月のエドソン・バルボーザ戦では軽量に失格していた。

「ウェルター級では身体が小さい方だと思う」とリーは分析している。「でも、スピードやスタミナに関しては、身体の大きさは関係ない。それにこの階級の多くの選手に比べてテクニックでは上回っていると思うんだ」

「最近ではアンソニー・ペティス、ホルヘ・マスビダルなど、ウェルター級に階級を上げてきた選手の成功例が増えてきている。今回の対戦相手のドス・アンジョスだって、もともとはライト級から転向してきた選手だが、ウェルター級でコテンパンにされたわけでもない。UFCで今一番人気なのはウェルター級だから、これから俺がこの階級をかき回してやろうと思っている」

新天地での戦いに自信を見せるリーだが、確かにウェルター級でランカーのドス・アンジョスを下せば、この階級でいきなり台風の目になる可能性もある。減量苦から解放されたリーが、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか、要注目だ。

対するドス・アンジョスはウェルター級に転向して3連勝し、遠からず2本目のベルト獲得かと思わせる勢いだったが、2018年6月の暫定王者決定戦でコルビー・コビントンに敗れ、さらに12月には現王者カマル・ウスマンにも黒星を喫し、現在2連敗中だ。ここでニューカマーのリーに星を落とすようでは、トップ戦線から後退することになる。実力者ドス・アンジョスにとっては負けられない戦いとなる。

サブミッションマスター、オリベイラの妙技さく裂か

一本勝ちの回数で、ダミアン・マイア、ホイス・グレイシーの10回を上回る13回のUFCレコードを持っているのが、まだ29歳のチャールズ・オリベイラ(ブラジル)だ。UFC14勝のうち13勝で一本勝ち(内訳はアナコンダチョーク2回、リアネイキドチョーク4回、ギロチン4回、三角締め1回、カーフスライサー1回、アームバー1回)、KO/TKO勝ちは一度もないというUFC随一の寝業師にして、ポストファイトボーナスを12回も獲得している名勝負製造機でもある。

今回の対戦相手、ニック・レンツ(アメリカ)とは3度目の対戦となる。1回目は2011年6月、オリベイラがいったん一本勝ちを収めたが、フィニッシュ直前にオリベイラの反則のヒザ蹴りが入っていたとしてコミッションの裁定が入り、のちに結果はノーコンテストに変更されている。2回目は2015年5月、第3ラウンドにオリベイラがギロチンで一本勝ちしている。いずれもファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した激しい試合だった。かつては減量に苦しみながらフェザー級で戦っていた両選手が、今回はライト級を新天地と定めての対戦となる。

ここからは、一本勝ち記録を重ねるたびに、前人未踏の領域へと足を踏み入れていく未来レジェンド、オリベイラ。いよいよベルトにも照準を合わせ始めた柔術マスターの妙技を堪能しよう。

ハイニッシュの人生逆転ドラマ

2018年にUFC入りした30歳の遅咲きニューカマー、イアン・ハイニッシュ(アメリカ)には、麻薬密売で懲役刑に服していた過去がある。MMAで人生大逆転を図る男からのコクのあるメッセージを紹介しよう。

「監獄の中は人生で最低の時期だったが、思い返してみれば自分にとっては最高の出来事だったかもしれない。監獄では飲酒も薬物依存も断ち切ることができた。自分はそこでレスリングクラブに入り、ボクシングとムエタイの練習も始め、スペイン語を習い、教会に行くようになった。こうした機会が自分に与えられたのも、神様のおかげなのだと思う」

「ケージファイトではレフリーがいて試合を止めてくれる。でも自分はレフリーなどいない金網の中にいたんだ。もっと怖い状況を経験してきたからこそ、試合を楽しむことができている。マイク・タイソンは言っている。怒っているファイターが勝つんじゃない、楽しんでいるファイターが勝つんだ、ってね」

「MMAは自分を救ってくれた。だから自分も誰かの励みになりたい。暗闇の中の一筋の光になって、本物の人生大逆転をお見せしたい。いつの日かUFCのチャンピオンになり、人々を励ましたい。どんなに最低な状況にある人でも、人生を変えるほどの努力をすれば、必ずそこから逆襲してきて、トップに立てるのだということを示したい。目標さえあれば、年齢も状況も関係ない。限界なんてないんだ」

屈指のフィニッシャー、ルーケの決定力に注目!

2015年にUFC入りしたビセンテ・ルーケ(アメリカ)は、MMA戦績15勝6敗、UFC戦績8勝2敗の27歳だ。注目すべきは試合のフィニッシュ率の高さで、キャリア15勝のうち14勝がKOもしくは一本によるフィニッシュ勝利、UFCでの8勝はすべてフィニッシュ勝利なのだ。

ブライアン・バーバリーナと対戦した前回の試合では(2019年2月)、2人併せて332発の有効打を打ち合う乱打戦の末、判定決着になだれ込む寸前の第3ラウンド4分54秒、ルーケがバーバリーナにキャリア初のノックアウト黒星をつけたのだった。この試合の有効打数は、3ラウンド戦としては、ネイト・ディアス対ドナルド・セラーニ(UFC 141、2011年12月)の334発に次ぐ史上2位だった。

高いフィニッシュ率についてルーケは、「フィニッシュしてやろうと思って試合に臨んでいるわけではない。ただ、フィニッシュのチャンスが見えたら、ごく自然に、本能的に行ってしまう。そこが自分の特徴だと思っている」と述べている。

なお、ルーケの対戦相手だが、当初予定されていたニール・マグニーの急な欠場により、インディ団体で11年間にわたりUFC入りを目指してきたという戦歴34戦の苦労人、デリック・クランツ(アメリカ)と戦う。代打出場のUFCニューカマーを相手に、フィニッシャー・ルーケのパフォーマンスから目が離せない。

【文 高橋テツヤ】
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