プロとして8戦8勝のマドセンは、ライト級の新入りとして非常に興味深い人物だ。
有望株の中では35歳と年齢が高めだが、無敗のデンマーク人ファイターはオリンピックに3度の出場経験があり、2016年のリオデジャネイロオリンピックではレスリングのグレコローマンスタイルで銀メダルを獲得した。それ以前からMMAに移行し始めてはいたものの、マドセンがMMAに“専念”したのはリオ以降となる。そして2018年の初めから6連勝を遂げている。
格闘家からコーチに転身したマルティン・カンプマンの下で、マドセンはラスベガスのエクストリーム・クートゥアとUFCパフォーマンス・インスティチュートの両方を使い、UFCデビューに向けて準備を整えてきた。オリンピック選手の中にはケージへの移行に苦戦する者も時々いるが、マドセンはここまで良い面を多く見せており、毎回やるべきことをやってきた。
今週末のコペンハーゲンでは、25歳のイタリア人、ダニーロ・ベルアルドと対戦する。ベルアルドはUFCデビュー戦となった6月のファイトナイト・ストックホルムでヨエル・アルバレスに黒星を喫している。だがそれまでは6連勝していた実力者であり、16戦という経験値を持ったベルアルドはこれまでマドセンが対峙(たいじ)した中では最も熟練した1人となる。
マットからMMAへと転向するハイレベルのレスラーとしてはやや年齢が高いものの、大学レスリングのディビジョン1で活躍後にMMA入りする若者たちより、さらに上のレベルで戦ってきたのがマドセンであり、UFCに至るまでの道のりもとんとん拍子だった。
このデビュー戦でも無敗記録を更新し続けることができるなら、マドセンがライト級ライキングの中で大きな後押しを受けたとしても驚きではない。“ジ・オリンピアン”のお手並み拝見といこう。