常に未来のコンテンダーの一角だと評されながらも実際にそこまで到達したことのなかったギルバート・バーンズは、過去15カ月を費やして自身をウェルター級における興味深い選手へと変貌させた。
その間、ブラジル出身の33歳は4勝0敗をマークしている。ライト級で2勝した後、ウェルター級でアレクセイ・クンチェンコとグンナー・ネルソンを相手にショートノーティスで連勝を飾り、“スーパーサブ”と呼ばれるに至った。成功を続け、最後に敗北を喫した相手がダン・フッカーである点が、今に至るまでのバーンズのUFCキャリアへの人々の見方を変え、この複数回のブラジリアン柔術世界チャンピオンが数年にわたって競技の最前線にいた事実を印象づけており、ここへきてついにすべてがかみ合ったようだ。
再びウェルター級に戻ることはバーンズにとって大きなプラス要素となる。バーンズはライト級で決して計量に失敗したことはないものの、155パウンドのリミットに収めるためにいつも苦労していた。そんなバーンズは素早さと力強さを備え、トップコントロールに優れており、対戦相手にテイクダウンやクリンチの試みを避けさせないだけの打撃も有している。
とは言え、今週末はバーンズにとって大きな試練となる。バーンズがオクタゴンで対峙するのは2度のタイトルチャレンジャーであるデミアン・マイアだ。マイアは3連敗で2019年を迎えた後、3連勝を記録して2020年の初戦に臨む。元ミドル級の選手であるマイアには大きな体格と力があり、筋力ではバーンズをしのいでいる可能性があるばかりか、グラップリングの能力ではUFCの誰にも引けを取らない。
ショートノーティスでクンチェンコにプロ初黒星をつけたのは、バーンズのブレイクスルーでありながら十分な注目を浴びなかった。コンペンハーゲンで高い評価を受けるネルソンを沈めたのも、本来ならこれ以上なく見事なショーだった。しかし、バーンズがブラジリアでマイアのカムバックの歩みを止め、自身の戦績に5連勝を書き加えることができれば、今度こそ人々はバーンズを現在のトップ10ウェルター級ファイターであり、真の脅威だと見なさざるを得ないだろう。