UFCが大麻に関するアンチドーピング政策の改訂を発表

UFC
オクタゴン【Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images】
オクタゴン【Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images】
UFCは15日(金)、アンチドーピング政策に関するいくつかの重要な変更を発表した。そこには大麻と、自然に存在するカンナビノイドの取扱いに関する改訂が含まれている。

最も重要なのは、大麻に含まれる精神活性成分であるカルボキシ-THC(テトラヒドロカンナビノール)がしきい値と判定限界を超えて陽性反応を示した場合でも、アスリートがパフォーマンス向上目的で故意に使用したという付加的証拠が存在しない限りは、UFCのアンチドーピング政策違反とはみなされなくなった点だ。

政策の下で、それ以外の全ての“植物性”カンナビノイド(大麻草から自然に派生するもの)についても禁止物質ではなくなった。

「われわれはアスリートたちがマリファナの影響を受けた状態で競技に参加することは引き続き防ぎたいと考えているが、カルボキシ-THCの尿中レベルは競技外での使用後の数値に大きなばらつきがあることが分かり、また競技内の障害との科学的相関が極めて低いことが分かった」とアスリートヘルスおよびパフォーマンス部門UFC上級副社長のジェフ・ノビツキーは述べた。「THCは脂溶性のため、いったん摂取されると体内の脂肪組織や器官に蓄えられて、血液循環の中に戻されることがある。その結果、摂取から長時間の経過後に尿中にカルボキシ-THCが現れることがある。従って、アスリートにとって競技内の障害を示す理想的なマーカーではない」

ノビツキーはさらに付け加えた。「結論を言うと、われわれはマリファナに関して、これまで歴史的にしばしばTHCの陽性反応が出た際にそうだったような試合の数日前や数週間前の摂取量ではなく、試合当日の量を重視しているということだ。UFCアスリートは引き続き、さまざまなアスレチック・コミッションの定めたマリファナルールに従う必要がある。しかし、われわれはこれが幅広い議論の始まりとなって、そのグループのこの件に関する変更につながることを望んでいる」

マリファナの使用後に起こる機能障害を立証する難しさを示す例として、2017年7月にアメリカ運輸省が出したマリファナの影響を受けた状態での運転についての報告書がある。その中でTHCが持つ特異的性質が強調されており、これまでは血中レベルが伝統的に障害の基準として使用されてきたものの、認知機能障害との完全な相関はないことが明らかになった。どのような薬物検査プロセスが最も正確で、少ない観血によってマリファナの引き起こす障害を立証できるかの研究は継続される。

さらにUFCは禁止リストから、大麻草に含まれるその他全ての“植物性”カンナビノイドを削除した。こうしたカンナビノイドはUFCアスリートが広く使用するさまざまなCBD(カンナビジオール)製品からしばしば見つかっており、それらが重大なパフォーマンスアドバンテージにつながるとの証拠は存在しない。研究所はこれらの化合物の検査を行わず、競技に参加するUFCアスリートにとって健康や安全上の影響はない。

UFCアンチドーピング政策のさらなる改訂として、認可サプリメントの登録認証機関として『Informed Choice(インフォームド・チョイス)』が追加された。また、UFCアスリート向けに安全と保護が確認された400以上のサプリメントが追加されている。

全てのUFCアスリートは以下の登録認証機関が承認したサプリメントだけを使用するよう指導される。

(1)NSF Certified For Sport (NSFサーティファイド・フォー・スポーツ)
(2)Kolner Liste(Cologne List/ケルナー・リスタ、コロウン・リスト)
(3)Informed Sport(インフォームド・スポーツ)
(4)HASTA(Human and Supplement Testing Australia/ヒューマン・アンド・サプリメント・テスティング・オーストラリア)
(5)BSCG (Banned Substance Control Group/バンド・サブスタンス・コントロール・グループ)
(6)Informed Choice(インフォームド・チョイス)

認定サプリメントあるいは他の環境的コンタミネーション(食物、水や処方薬)によって陽性反応が出たとしても、意図的なドーピングを示す証拠が他にない場合、そのアスリートがUFCアンチドーピング政策の下で制裁を受けることはない。

UFCチーフビジネスオフィサーのハンター・キャンペルは次のように述べた。「2015年7月にUFCアンチドーピング政策を立ち上げて以来、今回が3度目の改訂となる。これが生きて呼吸する文書であるという新たな一例であり、明確な科学によってオクタゴンで戦うUFCアスリートたちをさらに保護できるような改訂がなされることで、これからも進化と適応を続けていくだろう」
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