日本時間7月8日(土)に開催されるジ・アルティメット・ファイター(TUF)リデンプションフィナーレに石原“夜叉坊”暉仁が出場し、グレイ・メイナード(米国)と対戦する。今回は試合直前の石原選手に意気込みを伺った。
ロボブ戦は「単純に舐めていました」
Q: 石原選手にとっては2016年11月にUFCファイトナイト・ベルファストでアルテム・ロボフ戦(結果は石原の判定負け)以来、230日ぶりの試合となります。今振り返ってみて、あの試合をどんな風に受け止めておられますか。
石原: 単純に舐(な)めてましたね。準備はしていたつもりだったけど、今は素直に格闘技を舐めていたと、そう思えます。恥ずかしい試合だったし、このままでは日本に帰れないと思って、あれ以来、頑張ってやってきました。
Q: 中継画面ではロボフ陣営にコナー・マクレガーがいることが明らかに目立っていて気になったのですが、石原選手は試合中にマクレガーの存在があるがゆえに、気が散ったりしませんでしたか(ロボフはSBGアイルランド所属でマクレガーとは同門)。
石原: それ以前にオレが舐めすぎていたことが問題なんで、あの試合ではオレはロボフに活を入れられたのだと思っています。仮にあの時オレがロボフに勝っても、その後、(ロボフの次の対戦相手だった)カブ・スワンソンと当てられたら、オレは絶対に負けていたと思う。だからあの試合で活を入れてもらって、よかったと思っています。ただ、試合中にマクレガーがどこにおるのかはよく分かったし、確かに存在感はすごかったですね。
Q: ちなみに先日、マクレガー対フロイド・メイウェザー戦が正式発表されましたが、この試合についてはどんな風に思っておられますか。
石原: マクレガーでなければ引き起こせないことだし、やっていることのスケールがすごいですよね。歴史を、世界を動かしている感じがします。
Q: ただ勝敗についてはボクシングルール戦ですからメイウェザー有利は動かないような気がするのですが・・・。
石原: いやあ、オレはMMAが本当に強いと信じているので、マクレガーの勝ちもあると思っています。というか、ボクシングのレジェンドを引っ張り出したという時点で、マクレガーの勝ちなんじゃないですかね。
レジェンドを倒し、世代交代を証明する
Q: さて今回の対戦相手はレジェンドのメイナードです。
石原: これまでもオレはレジェンドファイターとの対戦が多いんです。それはオレがある意味、新世代の象徴だからなのかなと思っています。だから「レジェンドをゴミ箱に放り込む」こと、それがオレに求められている仕事だと思っています。相手にとってはこれがUFCでのラストファイトになるかもしれない(メイナードは過去6戦で1勝5敗と負けが込んでいる)。だからメイナードには完璧な状態に仕上げてきてほしいですね。完璧なメイナードを、オレがしっかりと倒して世代交代を証明したいと思っています。
Q: メイナードはレスリングが強みですが、押さえ込まれても大丈夫ですか?
石原: 大丈夫っすよ! オレはチーム・アルファ・メールですから! ナンバーワンのチームで、泣きながらハードトレーニングしてきたんですよ。
Q: ところで、海外のインタビューで、石原選手お得意のビッチという言葉に禁止令が出たと聞きました。
石原: そうなんですけどね。でも求められているし、言えば盛り上がるし、禁止されているということが広まればそれも面白いし、だからまあ、これからも全然、言う方向で。
Q: 米国では放送禁止用語ですので、言葉自体は中継ではピー音で消されているはずです。
石原: それがいいんじゃないですか!
UFC新オーナーに遭遇! 石原の感想は・・・
Q: 石原選手はUFCのアスリート・リトリート(5月にラスベガスで開催されたUFCファイター参加による懇親・研修イベント)に参加されていました。ご感想をお聞かせください。
石原: UFCのスケールの大きさに驚きました。スヌープ・ドッグがプライベートライブをしたり、Reebokが服や靴を一式プレゼントしてくれたりして、自分がUFCファイターなんだということを再認識させてくれるイベントでしたね。モチベーションもアップしたし、アスリートとしての自覚も高まりました。
それと、トレーニング施設やリハビリ設備などがそろっているパフォーマンスセンターも見学したんですけど、デカすぎて本当にすごいです! あれをタダで使っていいというのはやばいです。
Q: ちなみに、新オーナー(アリ・エマニュエル、ピート・ホワイトセル)も参加していたはずですが、どんな感じの方でしたか。
石原: それ、誰か分かんないんですよ! 見てるはずなんですけど。
Q: 石原選手の試合の前日には桜庭和志選手のUFC殿堂入り表彰式が行われます。桜庭選手との交流や、記憶に残っている試合はありますか。
石原: オレ、PRIDE世代でもないんで、ホンマに何もないんです。ただアメリカにいたら、日本人だというだけで「おまえ、サクラバとは知り合いか」とかしょっちゅう聞かれるんで、やっぱりすごい人だったんだろうなと実感しています。
Q: では桜庭対ホイス・グレイシーの90分マッチも見ていない?
石原: 全く知らないですね。何なんですか、90分って。やってられないでしょう、90分って。
Q: いや、本当にやったんですよ。
石原: 無理無理。ほんで見てられないでしょう。
UFCファイトナイト・ジャパンには「メインイベントで戦える選手として凱旋したい」
Q: 9月に行われるUFCファイトナイト・ジャパンへの出場は希望されていないとのことですが。
石原: オファーがあれば相手次第で出るかもしれないけど、今はまだオレの出番じゃない、と思っています。そもそも日本大会のメインイベントが日本人じゃないのはおかしいと思いませんか。オレはもっと強くなって、メインイベントで戦える選手として日本大会に凱旋(がいせん)したい。メインイベントで、これがオレのホームタウンなんだと大きな顔で試合をしたいんです。今回は、UFCの費用で帰国して、宣伝活動にすべてをかけるというのが理想ですね。
Q: 最後に読者にメッセージをお願いします。
石原: 前回は恥ずかしい試合をしました。今回は自分自身、しっかり練習してきたので、自分でもワクワクしています。1ラウンドからフル回転でぶっとばし、レジェンドをゴミ箱にぶち込みます。応援よろしくお願いします!
【文 高橋テツヤ】
TUFリデンプションフィナーレ見どころ:覚醒した石原夜叉坊がメイナードに引導を渡す!
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