日本での戦いを経てUFCへ! ビクター・ヘンリーを直撃インタビュー

UFCファイトナイト
ビクター・ヘンリー【UFC】
ビクター・ヘンリー【UFC】
日本時間12月19日(日)に実施されるUFCファイトナイト・ラスベガス45への参戦が決まったビクター・ヘンリー。ラオーニ・バルセロスと一戦を前に、日本でのキャリアや、UFCでのプランについて話を聞かせてくれた。

――どのような経緯で日本でのキャリアをスタートさせたか

初めての敗北を経験した後で、ジョシュ・バーネットからGRANDSLAMで所英男と対戦してみないかって言われたんだ。彼がどんな人物で、これまで誰と対戦してきたかを知って、“ああ、やろう!”って答えたよ。彼はオレよりずっと経験豊富だって分かったからね。全てが不利な状況だった。けどオレは自分のファイトキャリアが始まった時から、物事はそう簡単にいかないって思っていたんだ。そんな人生はオレらしくない。オレは多くの困難と向き合い、多くのキラーと対戦しなきゃならないんだ。楽な戦いなんてさせてもらえない。みんなオレのことが好きだからさ。

だから日本に着いて、ショップのイサミに行き、所のキャリアのハイライトを見た時、“ワオ、何てクレイジーなんだ。オレはあんなヤツと戦うんだ”って思った。幸運にもオレが勝ったんだ。そしたら彼が自分のシャツをプレゼントしてくれて、それを今でも持っているよ。

それからすぐに、GRANDSLAMからまたジョシュに連絡があったんだ。今度の相手は上田将勝だった。どんなヤツだろうと思って調べてみた。へえ、ジェンス・パルヴァーに勝ってるんだ。OK、それじゃあ彼とも戦ってやろうじゃないか! ってことで日本で戦い始めることになったんだ。難しい戦いを引き受ける男なんだってことをみんなに知ってもらう必要があった。上田に勝った時、日本のファンはオレのことを“ただの生意気なアメリカ人じゃねえな”と思ってくれた。“こいつは傲慢(ごうまん)じゃない。謙虚に、かつ激しく戦うヤツだ”ってな。

――日本で戦うことを初めて知らされた時に思ったこと

ずっとPRIDEを見ていたから、日本に行くってのはオレの中で大きなインパクトがあったよ。母はオレが日本に行くことについて少しためらっていたけど、“母さんはいつまでもオレのことを養い続ける気なの?”って説得した。オレはどうにかして名前を売らなきゃならなかったんだ。

初めて日本に行った時は、文化がオレの知ってるものとは全然違っていた。けどそれが大好きになって、“これならやっていけるな!”って思ったよ。オレは何が何でもそこで力を見せ、成功しなきゃならなかったんだ。

――今までで最も厳しかった対戦相手

日本だと、2戦目にやった上田が一番タフだったな。彼が何をしようとしているのかは分かっていたんだけど、体がうまく動いてくれなかった。言い訳じゃないぜ。その試合のために必死でトレーニングしたんだ。できることをやり尽くしたし、病気もケガもしていなかった。なのに、あの第1ラウンドでトライアングルをかけて、彼の喉が音を立てるのが聞こえても、フィニッシュできるほど強く締め上げることができなかったんだ。

それから石渡伸太郎との試合もハードだったな。第2ラウンドの終わりか第3ラウンドの最初で、耳の後ろをガンガンやられて、第4、第5ラウンドのことは覚えてすらいないんだ。ノックアウトされたと思ったんだけど、ジョシュから“いや、おまえは大丈夫だ。試合は終わった”って言われてさ。覚えてないから、それをタフな試合と言えるかどうかは分からないけどな!

――日本で一番の思い出は

誰かに初めてゴーゴーカレーに連れてってもらった時。オレの人生が一変したんだ。日本に行ったら必ず、試合後にそれを食べることにしている。せっかく行ったのに減量しなきゃいけなくて、ゴーゴーカレーの横を通り過ぎなきゃならない時は最悪だよ。今度オレが日本に行ったら、滞在中に最低4回はゴーゴーカレーを食べに行くから。断言しておくぜ。それぐらいうまいんだ。

――UFCに出場することになった経緯

おかしいんだけどさ、ちょうど焼き肉を頬張っている最中に電話が来て、“2週間でウエイトを調整できるか?”って言われたんだ。やってみせようって言ったら、“相手はこの人だ”って。まあ、いつもそんなものさ。相手はタフガイで、タフな戦いになる。で、人々はたいていオレの勝利を疑う。以前と同じように、オレはそこに行って自分がしたいと思う戦いをするまでだ。

――対戦相手について

バルセロスは強いよ。彼はノックアウトパワーを持っている。彼はタフでビッグだ。今までにもオレはそうしたものを全部経験している。彼が今まで試合で見たことのないような何かを繰り出してくるとは思わないな。もちろん、どんな試合も初めてで、どれも違うけど、オレは彼を倒すツールを持っていると思うぜ。オレには自分のゲームプラン、オレのスタイルがある。もしそれがうまくいかなければ、オレはプランB、プランCへと切り替え、またプランAに戻せるマーシャルアーティストだと思う。バルセロスはただ者じゃない。彼は経験もあるし、強い連中を相手にいい形で勝っている。UFCロースターの中だとオレたちは年配の部類だけど、彼がスローダウンしているとは思えないし、当然オレだってそんなことはない。

――2022年のUFCでのプランやゴール

どんどん試合をして、階段を登りたいな。タフなのは分かっている。ランキングでラオーニの上の人たちを見ると、なかなかの名前がそろっているよ。カイラー・フィリップスは前に戦ったことがあるし、マルロン・ヴェラ、ペドロ・ムニョスは仲のいい友人だ。オレが自分の目標にたどり着くためには、その中の1人、あるいは全員と戦わなきゃならない。

UFCに行くことがゴールじゃないんだ。ゴールはここに来て、残り、ベストになること。UFCのドアを開けて通っただけで満足する人も多いはず。オレはそうじゃない。オレは自分の名前を歴史に刻みつけたいし、人々に語り継いでほしいんだ。

――バンタム級ランキングで先日に活躍したジョゼ・アルドについて

オレたちは経歴が似ているんだろうな、きっと。ジョセ・アルドは偉人の1人だ。彼の最新の試合を見たよ。まだまだやれるね。特にペドロ・ムニョスとの試合が良かった。あれほど長く戦い続けた体で、あのスピードであんな動きをするなんて、本当にすごい。今でも彼は驚異のアスリートだ。いつか彼と戦うことがあるなら、相当タフな戦いを強いられるだろう。

――日本のファンに一言

みんなに会えなくて寂しいよ。戻るのが待ち切れない。その時は誰か1人選ぶから、一緒にゴーゴーカレーに行こうぜ!
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