「世界にインパクトを、日本に活気を」RTUに臨む金髪の侍、中村倫也

ROAD TO UFC
ROAD TO UFC:公式計量に臨んだ中村倫也【シンガポール・シンガポール/2022年6月9日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)】
ROAD TO UFC:公式計量に臨んだ中村倫也【シンガポール・シンガポール/2022年6月9日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)】
UFC 275を前に実施される『ROAD TO UFC』のバンタム級トーナメントに臨む中村倫也は、シンガポールで着実に戦いの準備を整えている。7日(火)にインタビューに応じた中村は、日本よりも調整はやりやすいと感じていると明かした。

「移動することで雑音が減るじゃないですか。より自分の中に入っていけるというか、入りやすいという感じですね」

戦いを前に、中村が集中するのは対戦相手ではなく、自分自身だ。相手に集中するのか、自分に集中するのか問われた中村はこう答えている。

「もちろん自分の中に入って、いかに深く入る込めるかのゲームだと思ってます。スポーツ全般そうですけど。相手に意識がいっているうちは二流です」

インドネシアのググン・グスマンと戦う試合で、中村がやりたいことはもうはっきりと見えているという。

「何パターンもあるんですけど、パターンAというか一番王道のパターンはテイクダウンして上から肘、パウンドで削って嫌がって後ろ向いたところを首締めるのか、腕をきめるのか、そのまま殴り続けるのかっていう、それだけですね」

対戦相手については「パターンが多くないんで、体は強いと思うんですけどやりやすいと思いますね」と評する中村。

自分に集中することで、トップアスリートが集う現地の雰囲気にも影響を受けないという効果もあったようだ。

「もっとあがるかなと思ったんですけど、実際は自分の中にフォーカスがいっているんで。朝食のときもグローバー・テイシェイラに”お前試合出るんだろ”って声かけられて、”そんなにメシ食うのか”みたいな(笑) (面識は)ないっす(笑)このケビン・ランデルマン・ヘアスタイルが呼せつけちゃったのかな」

RTUに挑む中村の髪型は、本人が言うようにケビン・ランデルマンを彷彿(ほうふつ)とさせる短い金髪。前回の試合(POUND STORM)で、”スケール感の大きさにつぶれかけて内蔵から体をこわした”という中村は、たくさんの人々の力を借りて試合出場にこぎつけたことから、髪に”3本の矢”をイメージしたラインを入れたという。そこから気分を変えるべく丸刈りにして金に染めたものの、特に意味はなく、髪型にはついては”迷走中”とのことだ。

同じくRTUに出場するチームメイトであり、奇しくも金髪で空港に現れた(そしてお互い驚いた)宇佐美正パトリックとの試合順について、中村はこう話している。

「オーディションの最終戦とかもそうですけど、パトが前線でバチバチに殴り合ってから僕のレスリングの試合がくるじゃないですか。今回は逆なんで気が楽ですね。めちゃめちゃプレッシャーかけようと思ってます。逆に、いつも勢いづけてくれるんで、僕もつなげられたなと思います」

トーナメントの勝者にはUFCとの契約が与えられる。中村は日本にUFCを持っていきたいという思いをこう語った。

「生で見て、やっぱり目指したい、ここに立ちたいと思う子たちが増えると思うし、サラリーマンの方たちでも誰でも、日常に心の底から活気が戻ってきたりするものだろうし、そういう意味で本当に日本を元気にできるコンテンツだと思います。後世につなぐ、日本を元気にするという意味で、パトリックと一緒にUFCを日本に持っていきたいと思ってます」

「皆で束になって世界に食ってかかるって気持ちですね」

世界中に配信されるこの試合で中村が目指すのは、自分というファイターを通じて日本への注目を集めることだ。

「侍が来たぞ、と思わせたいです。どんなことが起こっても動じずに、相手をどう仕留めるか集中しているその集中力とか、積み上げてきたものっていうのは、何かを得ようとして見てくれればちゃんと伝わるものだと思うんで。それくらい極限まで積み上げきた自信はありますし、もっと深く入っていけると思うので、そういう意味で侍が来たと思わせたいです。ヤベエのが来た、でも何でもいいです。日本に注目してもらうきっかけのファイターにもなりたいですね」

中村は最後に、日本のファンに向けて「いつも応援いただきありがとうございます。日本を元気にすべく、後世につなぐべく、作り上げてきたものを全力で披露しますので、応援のほどよろしくお願いします!」とメッセージを送った。
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