UFC 278:ウスマン vs. エドワーズ2、7年を経て再び交わる道

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UFC 268:カマル・ウスマン vs. コルビー・コビントン【アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク/2021年11月6日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)】
UFC 268:カマル・ウスマン vs. コルビー・コビントン【アメリカ・ニューヨーク州ニューヨーク/2021年11月6日(Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC)】
UFCがソルトレイクシティを再訪し、UFC 278:ウスマン vs. エドワーズ2が実施される。イベントの大トリを飾るのはウェルター級王者カマル・ウスマンとレオン・エドワーズによるファン待望のリマッチだ。元ミドル級チャンピオンのルーク・ロックホールドが2年の休止期間を経てパウロ・コスタと対峙する試合にも注目が集まるかたわら、UFCのレジェンドであるジョゼ・アルドがメラブ・ドバリシビリとのバンタム級マッチで連勝記録を4に伸ばすための賭けに臨む。今週末に開催されるこのイベントで特に注目すべき点を下記にご紹介。

【カマル・ウスマンがレオン・エドワーズとの再戦でウェルター級タイトル防衛へ】
ウェルター級王者にしてパウンド・フォー・パウンドのランク1位であるカマル・ウスマンは、すでにUFC史上最高のファイターの一人との評判を確かなものにしている。ウスマンは階級のトップに上がってくるすべてのコンテンダーを倒すだけではなく、彼らに2度目の黒星をつけ始めているところだ。

王座奪取に2度失敗した者のリストにはホルヘ・マスヴィダルやコルビー・コビントンといったトップコンテンダーたちがいる。その次に控えるのが、今回ウスマンと対戦するレオン・エドワーズだ。ウスマンは2015年7月にヘイダー・ハッサンを倒してジ・アルティメット・ファイター(TUF)で優勝した5カ月後に、エドワーズとの最初の試合で勝利している。

一度目の対戦では、ウスマンがレスリングゲームでエドワーズに大きな差をつけた。ウスマンは13回中6回のテイクダウンに成功し、コントロールタイムは11分近くにおよんでいる。一方のエドワーズは意気をくじかれるような敗北の後に無敗の状態をキープしており、これまで10試合で9勝、ノーコンテンスト1回を記録してきた。

過去2年間、2人のファイターのいずれも見なかった者ならば、今回の再戦が7年前と同じ展開になると考えるだろう。しかし、エドワーズは優れたストライキングでよく知られており、テイクダウンのディフェンスとグラウンドゲーム全般で成長したと主張してきた。一方のウスマンはほぼスタンドアップのファイターとして進化し、ホルヘ・マスヴィダル、ギルバート・バーンズといったライバルたちを相手にフィニッシュを決めた、スタンディングをアドバンテージとする選手だと考えられている。

エドワーズに勝利を収めれば、ウスマンは6回連続のタイトル防衛を成功させ、オクタゴンで16連勝を決めることになる。16連勝という記録を現在有しているのは、元ミドル級チャンピオンのアンデウソン・シウバのみだ。実に大きなものが懸かったこの試合に挑むは、実質的に生まれ変わったと言える2人の新たなファイター。最初の対戦からしばらく、ソルトレイクシティでのこの一戦に注目だ。

【元ミドル級王者ルーク・ロックホールドがパウロ・コスタとの対戦で復活】
2年にわたって競技から遠ざかっていたルーク・ロックホールドが、UFC 278のセミメインイベントでオクタゴンに戻ってくる。対戦相手は元ミドル級タイトルチャレンジャーのパウロ・コスタだ。当初は2021年11月に復帰を予定していたものの、椎間板ヘルニアの影響でショーン・ストリックランドとの試合を断念せざるを得なかった。

UFC 194:アルド vs. マクレガーで王者になったロックホールドは、そこから4戦中3戦でマイケル・ビスピン、ヨエル・ロメロ、ヤン・ブラホビッチにノックアウトされた。しかし、2年の休止期間に身体を完全回復させたロックホールドは、185 lbs(約84kg)にウェイトをカットしてより快適な状態を作り出し、パフォーマンスと耐久性で大幅な向上があったことを示そうとしている。

コスタのようなノックアウトアーティストと戦うとなれば、耐久性が非常に重要になる。コスタはこれまで13勝のうち、11試合でノックアウトを決めており、その中にはUFCデビューを果たしてからの4戦連続フィニッシュも含まれている。しかしながら、ロックホールドと同様に、ここ2戦ではうまくいっていない。ミドル級の頂点に君臨するイズラエル・アデサニヤやマービン・ヴェットーリに敗れたコスタは、再びタイトルを目指すべく、喉から手が出るほど白星を欲している。

最近は共に勝利から遠ざかっている両者だが、ベストの力を発揮できればトップクラスの選手であり、実力のある選手が多いUFCミドル級におけるタイトル争いの一角であることは間違いない。

【バンタム級の頂点へと歩み続ける元フェザー級王者ジョゼ・アルド】
UFC 278のメインカードに組まれた試合で、元フェザー級チャンピオンのジョゼ・アルドがメラブ・ドバリシビリとの重要な一戦に挑む。2人とも、目指すはタイトルマッチだ。

バンタム級転向から最初の2戦を落としたアルドはその後次第に足場を固め、マルロン・ヴェラ、ペドロ・ムニョス、ロブ・フォントに対する3連勝でランキング3位のコンテンダーにまで駆け上がった。

とは言え、35歳の元チャンピオンには、ミスが許されなくなりつつある。UFC 278での敗北は、バンタム級タイトルに向けたラストチャンスの扉を閉ざすかもしれない。それでも、アルドの卓越したテイクダウンディフェンスや今も進化中のスタンドでの戦いは、ジョージア出身のドバリシビリにとって大きな脅威になるだろう。

トップ5入りを狙ってやってくるランキング6位のドバリシビリは、バンタム級のベルトの現所有者であるアルジャメイン・スターリングのチームメイトだ。昨秋にマルロン・モラエスとの試合で技能賞(パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト)を獲得したドバリシビリは、ダメージを受けてからも戦い続け、UFCで自身初のテクニカルノックアウト勝利を決めるという力を見せつけた。今週末の戦いは3ラウンドのみであり、ブラジルから来たストライカーであるアルドが早い段階でテイクダウンを重ねられなければ、ドバリシビリの見事なカーディオとレスリングが危険な要素になるはずだ。

どちらが勝つにしろ、彼らはこれからしばらくの間はテレビに注目していくだろう。こちらもタイトル戦を目指すコーリー・サンドヘイゲンとソン・ヤドンが、9月に拳を合わせることになっている。その後、10月にはUFC 280:オリベイラ vs. マカチェフのセミメインイベントでスターリングがT.J.ディラショーとのタイトル防衛戦に臨むのだ。同じ夜にトップコンテンダーのピョートル・ヤンがショーン・オマリーに挑む。

バンタム級の険しい山の頂上付近では大きな動きが起こっている。今後行われるどの試合の勝者にも、タイトル戦出場の可能性はある。もちろん、アルドを含めてだ。世界最高のバンタム級ファイターになることを渇望している2人による熱戦にご期待あれ。

【無敗記録の更新を目指すアレクサンドル・ロマノフ】
同じくメインカードに組まれているのが、ヘビー級ランキング13位のアレクサンドル・ロマノフが17勝0敗という記録をさらに伸ばそうとマルチン・ティブラに挑む一戦だ。2020年にUFCにやってきたロマノフはすぐさま自分が世界でも最も優れたヘビー級ファイターたちの一員であることを知らしめてきた。

ロマノフはデビュー戦でロッキー・マルティネスを圧倒し、第2ラウンドでサブミッション勝利を収めている。まずファンたちの目を引いたのは、ロマノフの足さばきだ。ジャンピングニーを何度も試みたロマノフは、常に相手にプレッシャーをかけていた。

4月に行われた前戦UFCファイトナイト・ラスベガス53:フォント vs. ヴェラの計量では、階級の限界値である265 lbs(約120kg)より35 lbs(約16kg)近く低い数字だったロマノフ。チェイス・シャーマンに対するウェイト上の不利をものともせずに突進したロマノフは、開始から20秒で電撃のようなテイクダウンを決めている。

ロマノフはマット上でもシャーマンを苦しめ、重圧をかけながら苦もなくポジションを整えると、最終的にはフルマウントの形まで持っていった。破壊的なグラウンド・アンド・パウンドで追いつめられたシャーマンには防戦しか選択肢がなく、その腕を取ったロマノフがアームロックで試合を終わらせている。

ヘビー級のエリートファイターになるための青写真をすでに描いているロマノフは、ティブラを相手とした試合で初めてランキング内の選手とのバトルを経験することになる。序盤からテイクダウンを成功させて早々に6勝目を挙げることができれば、ロマノフのトップ10入りは確実であり、より多くのトップ選手たちとのバトルが組まれるようになるはずだ。


UFC 278:ウスマン vs. エドワーズ2が開催される日本時間2022年8月21日(日)は、アメリカ・ユタ州ソルトレイクシティのビビント・アリーナで繰り広げられるバトルの数々をどうぞお見逃しなく!
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