UFC 215見どころ:DJが連続防衛記録更新に挑む!

UFC PPV 見どころ
UFCファイトナイト・カンザスシティ:デメトリアス・ジョンソン【2017年4月15日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFCファイトナイト・カンザスシティ:デメトリアス・ジョンソン【2017年4月15日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間9月10日(日)開催予定のUFC 215のメインイベントでは王者デメトリアス・ジョンソンに挑戦者レイ・ボーグが立ち向かうUFCフライ級タイトルマッチが行われる。



ジョンソン、アンデウソンの記録更新へ

UFC公式パウンド・フォー・パウンド・ランキング(全選手の体重が同じであると仮定した総合ランキング)でコナー・マクレガー、ジョン・ジョーンズを抑えて1位に立ち、米大手スポーツ専門局『ESPN』が主催する2017年ESPY賞でもマクレガーを抑えて年間最優秀ファイターを受賞と、まさにUFCの頂点に君臨するフライ級チャンピオンのジョンソンは現在、アンデウソン・シウバと並ぶ10回連続タイトル防衛成功のレコードを保持している。つまり、今回の試合に勝てば連続防衛記録を更新することになるのだ。

ジョンソンがこの大一番に戦う相手が、バンタム級トップランカーのT.J.ディラショーになるのではないか、との報道が流れたのは夏の初め頃のことだった。UFC会長のデイナ・ホワイトも、この試合を実現させようとジョンソンに働きかけていたとされる。実現すればスーパーファイトになるかと思われたこの試合を、しかしジョンソンはきっぱりと断っている。

「何のために階級があり、ランキングがあるのか」とジョンソンは言う。「バンタム級ファイターがフライ級に体重を落としてきて、ランキングを飛び越えて挑戦するというのは、スポーツの原理原則に反することなんだ」

「僕はベストを尽くしている。後はファンの見方の問題なんだ」

UFC 215を目前に実施された電話会見で、ジョンソンは自らの考えを再度強調している。

「ベルトを取ってチャンピオンになることが一番難しいことだと思っている人がたくさんいる。違う。連続でタイトルを防衛すること、毎回計量に合格し、試合にきっちり出場すること。本当に大変なのはそうしたことなんだ」

ではジョンソンはスーパーファイトを実現させ、実力にふさわしい人気を獲得したいとは思わないのだろうか。

「ある人にこう言われた。10回連続防衛はまあできる。11回もできそうだ。でも15回までいけば、もはや誰にも届かない伝説になるってね。だから、それをやってみようかなと思っている。僕はまだ31歳で、体調もいい。バンタム級ファイターとの試合は何も急ぐことはない。僕が35歳、36歳になって、減量に飽きた頃にやればいいんじゃないか。今はフライ級での記録を高めていくことに興味があるんだ」

「誰と対戦しても、僕はいつでもフィニッシュを狙って戦っている。流して判定勝ちを取りにいってもいい場面でも、僕はフィニッシュを狙い、最後の1秒でアームバーを極(き)める。僕としてはベストを尽くしてる。後は世間が、安っぽいドラマばかりをめでるんじゃなくて、ちゃんと目を見開いて、本物の才能を見定めることができるかどうかが問題なんだ」

虎視眈々(こしたんたん)のボーグ、意に介さぬジョンソン

対戦相手のボーグはまだ24歳になったばかり、レスリングやボクシングを経てMMAに転向してきたのではなく、13歳の頃からMMAファイターとしての練習を積んできたというオールラウンド戦士だ。今回勝てばUFC最年少チャンピオンの記録を樹立する。トレーニングパートナーはジョンソンと2度の対戦歴があるジョン・ドッドソン、コーチは策士グレッグ・ジャクソンだというから一筋縄ではいきそうにないが、ジョンソンは意に介さない。

「僕とドッドソンの試合映像を50回でも見て分析すればいい。彼は僕の作戦を分かっていたのに、それでも僕は彼を完封したんだ。ドッドソンほどの強打者と戦った直後でも、僕の顔はきれいなままだった」

「グレッグが今回何をたくらんでくるのか、僕も楽しみにしている。彼の作戦を封じてやろうじゃないか」

汚名返上を期す女王ヌネス

UFC 215のセミメインイベントではUFC女子バンタム級王者アマンダ・ヌネスにワレンチナ・シェフチェンコが挑む。

UFC 196(2016年3月)ではノンタイトル戦で拳を合わせており、ヌネスがユナニマス判定勝ちを収めたのだが、試合は接戦だった。ヌネスが最初の2ラウンドを制していたものの、第3ラウンドにヌネスがスタミナ切れを起こすと、そこからシェフチェンコが大逆襲に転じ、これが5ラウンド戦だったら結果は違っていたのではないか、と強く思わせる内容だったのだ。そして今回は5ラウンドのタイトルマッチである。完全決着を見ることができそうだ。

このカードは当初、7月のUFC 213で組まれていたのだが、ヌネスの体調不良(副鼻腔炎)により、試合当日になって急きょ中止になった。ただ、リングドクターはヌネスの出場にゴーサインを出していたとの報道もあり、ホワイトが「ヌネスの欠場は体調面10%、メンタルが90%だ」などと語ったこともあって、王者の慎重すぎる欠場判断には批判の声も上がっていた。

大会前の電話会見でヌネスは次のように反論している。

「ファイターなら誰だって100%のコンディションで試合に臨みたいはず。あの時の私は正しい決断をしたと思っている。私がメンタルで弱気になっていると言う人がいるけれど、それは違う。今回も、他の選手との試合ではなく、あえてワレンチナとの仕切り直しを組んでほしいと私が希望した。それは、ワレンチナこそ挑戦資格があるトップコンテンダーだから。もう時間を無駄にしているヒマはない。私は体調100%でケージに入り、きっちりと自分の仕事をする」

エンターテインメントな側面が強調されがちの近年のMMAで、スポーツとしての価値観を体現し続けるジョンソンとヌネスが、アスリートの矜恃(きょうじ)とチャンピオンの誇りを胸に、大一番に臨む。

アンダーカードも多士済々

今大会は北京五輪レスリング金メダリストのヘンリー・セフード、アテネ五輪レスリング銀メダリストのサラ・マクマン、元ライト級王者ハファエル・ドス・アンジョス、元フライ級トップコンテンダーのウィルソン・ヘイス、そして元ライト級トップコンテンダー、ギルバート・メレンデスのフェザー級転向初戦と、トップファイターがずらりと顔をそろえるアンダーカードも品質保証付きだ。新しい公式ユニフォームもお目見えのUFC 215を見逃すな!

【文 高橋テツヤ】
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