キワの攻防を制された廣田、ボルカノフスキーに敗れる

UFCファイトナイト 試合レポート
UFCファイトナイト・オークランド:アレックス・ボルカノフスキー vs. 廣田瑞人【ニュージーランド・オークランド/2017年6月11日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
UFCファイトナイト・オークランド:アレックス・ボルカノフスキー vs. 廣田瑞人【ニュージーランド・オークランド/2017年6月11日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
日本時間2017年6月11日(日)、ニュージーランド・オークランドのスパーク・アリーナで開催されたUFCファイトナイト・オークランドのメインカードのオープナーには“パグナス”こと廣田瑞人が登場し、オーストラリア在住のアレックス・ボルカノフスキーと対戦した。

広めのスタンスでどっしりと構えた廣田が積極的に左を狙いながらフェイントを入れた第1ラウンド、ボルカノフスキーは左右のコンビネーションで突進し、廣田を金網に押し付ける。しっかりと相手を差し上げてテイクダウンを防いだ廣田だが、相手を突き放したところでボルカノフスキーの右フックを被弾。後方に倒れ込む廣田にボルカノフスキーがパウンドと共に襲いかかった。猛烈なパウンドに防戦一方となった廣田の万事休すかと思われたが、ガードを固めつつ足関節からスクランブルに持ち込むと立ち上がることに成功する。ボルカノフスキーが間髪入れずに再びテイクダウンを成功させた後、廣田が金網を背に立ち上がったが、今度は離れ際にボルカノフスキーのスピニングエルボーを浴びてしまう。その後は廣田もスタンドの攻防を維持しながらコンパクトな左を主軸に手数を出し始めたとはいえ、劣勢の印象はぬぐえない。

第2ラウンドが始まってもボルカノフスキーの圧力は弱まらない。タイミングの良いタックルで距離を詰めると、再び離れ際のスピニングエルボーを命中させて廣田をグラつかせる。ラウンド中盤を過ぎて、明らかに手数の減り始めたボルカノフスキーに対して廣田がようやく前に出ながらジャブを突くシーンが見られるようになるが、ボルカノフスキーはガードをしっかりと上げながら、的確にカウンターのチャンスをうかがった。残り時間25秒、廣田の右に合わせてボルカノフスキーが右のオーバーハンドを強振したところ、左のガードの下がった廣田の側頭部を直撃、再び廣田が崩れ落ちる。追撃のパウンドを放つボルカノフスキーに対して両足を効かせながら防ぐ廣田にとって苦しい第2ラウンドが終了した。

最終ラウンドは廣田がワンツー、そしてニータップからのオーバーハンドと先手を取ると、ボルカノフスキーはすぐに胴タックルで飛び込んで廣田を金網に押し付ける。この離れ際でもボルカノフスキーのスピニングエルボーが廣田の顔面をかすめたものの、廣田は表情を変えずにジリジリと前に出る。残り時間3分、意表を突く胴タックルから万全のもろ差しを作った廣田が小外掛けでテイクダウンを狙ったが、ボルカノフスキーはこれを暴れて振りほどき、すぐに鋭いジャブからタックルにつなげて廣田に主導権を譲らない。ペースの落ちたボルカノフスキーは次第に下がるシーンが増え始め、残り時間1分、再び廣田が胴タックルを成功させるもテイクダウンをあきらめて自ら距離を取った。廣田は手数の出ないボルカノフスキーを下がらせはしたものの、これといった決定打を繰り出せぬまま、試合終了を告げるブザーが鳴った。

第1ラウンドからノックダウンを奪われて劣勢を強いられながらも逆転を狙って最後まで前に出続けた廣田だったが、その願いはかなわず、ジャッジ3名が30-27と評価する苦しい内容で黒星を喫している。

この結果、12連勝を達成したボルカノフスキーは通算15勝1敗、廣田は19勝8敗2分けとなった。
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