日本時間2017年6月26日(月)、アメリカ・オクラホマ州オクラホマシティにあるチェサピーク・エナジー・アリーナで開催されたUFCファイトナイト・オクラホマシティで無敗の新鋭ジャスティン・キッシュと女子ストロー級ランキング13位のフェリス・ヘリッグが対戦した。
左右のパンチで距離を詰めたキッシュがヘリッグを首相撲にとらえると、強引な首投げを狙ったが、フェリスがこれを潰すとすぐに相手の背後に回り込むも、キッシュは暴れて立ち上がる。双差しの状態で相手に食い下がるヘリッグは小外掛けでテイクダウンを奪ってじりじりとポジションを進め、残り時間2分30秒でフルマウントの奪取に成功、パウンドを嫌がり背中を見せたキッシュの背後に回り込んだ。ヘリッグはチョークにはこだわらず、強引なエスケープを試みるキッシュに対し、丁寧にトップポジションをキープしていたものの、残り時間1分、キッシュはヘリッグを前に落とすと攻防をスタンドに戻し、その後、ヘリッグのタックルを強引に潰して上を取った。
右手に力を込めながら前に出るキッシュに対し、ヘリッグは足を使いつつ力みのないワンツー、そこからの返しの左フックで手数を稼ぐ。第2ラウンド残り2分を切り、強引に首相撲を狙うキッシュをうまく、もろ差しでとらえたヘリッグがテイクダウンを成功させ、相手をしっかりと寝かしつける。残り時間50秒、キッシュの無謀なブリッジにあわせて足を越えたヘリッグだったが、キッシュは相手の一瞬の隙をとらえて振り向き、ヘリッグのアームバーを潰してトップポジションを奪い返した。
疲れの見えるヘリッグが必死の両足タックルを成功させた第3ラウンドは、すぐにポジションをマウントまで進めたヘリッグが無理にパウンドを打つことはなく、しっかりと相手に密着し、立ち上がろうと暴れたキッシュの背後にまわってがっちりとチョークを食い込ませる。しかし、苦しそうな表情を見せたキッシュはここも強引に背中をマットにつけて、相手のチョークを振りほどいた。なんとか絶体絶命のピンチを脱したキッシュだが、この攻防でこれまでの爆発力を使い果たした様子で、動きの落ちたキッシュをヘリッグがしっかりとコントロールしながら要所でパウンドを落とし始める。体力を消耗しするキッシュはもがきながら劣勢なポジションから脱出を試みたものの、ヘリッグが丁寧に組み手を変えながら、最後まで相手に反撃の糸口を与えなかった。
パワーに勝るキッシュを的確なテクニックを駆使して翻弄したヘリッグが大差のユナニマス判定(30-26、30-26、29-27)でキッシュを下し、UFC3連勝を記録している。ジ・アルティメット・ファイター(TUF)出身の人気ファイターであるヘリッグはアレクサ・グラッソ戦に続き、2人の“無敗”ファイターに土をつけたことになる。
この結果、イリノイのヘリッグは13勝6敗、カリフォルニアのジャスティン・キッシュは6勝1敗となった。
柔よく剛を制す、ヘリッグがキッシュを完封
UFCファイトナイト 試合レポート