UFC 262:ムニスがレジェンドのソウザに一本勝ち

UFC PPV コメント 試合結果
UFC 262:ジャカレ・ソウザ vs. アンドレ・ムニス【アメリカ・テキサス州ヒューストン/2021年5月15日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC))】
UFC 262:ジャカレ・ソウザ vs. アンドレ・ムニス【アメリカ・テキサス州ヒューストン/2021年5月15日(Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC))】
日本時間5月16日(日)、アメリカ・テキサス州ヒューストンのトヨタ・センターを舞台にUFC 262が開催され、プレリムのトリを飾ったジャカレ・ソウザとアンドレ・ムニスのミドル級マッチは、ムニスがベテランのソウザからタップを引き出すという印象的な一本勝ちを収めた。

【プレリム】
ミドル級マッチ
●ジャカレ・ソウザ vs. アンドレ・ムニス○
1ラウンド(3分59秒)サブミッション(アームバー)


アンドレ・ムニス

「信じられない。今回の試合を受けたとき、誰も自分が勝つなんて信じなかっただろうし、賭けてもいなかったと思う。誰にもベットされていないと分かっていても、それでも必死に取り組んできた。家から離れているし、娘とは特に4カ月も会えていない。トレーニングに集中するためにすべてを捨ててきたから、娘たちの誕生日も逃した。MMAの中でも最高レベルの柔術家と対戦することになったから、今までの2倍くらい柔術の練習に励み、準備を整える必要があった。俺はジャカレの大ファンなんだ。ずっと彼のキャリアを追いかけてきたから、彼に勝ったなんてまだ実感がない。今日、自分が成し遂げたことがまだ信じられない。彼の腕を折りたいなんて思ってもいなかったんだけど、そういう状況だったのが残念。今回の勝利にはとても満足している。ボーナスがもらえるといいね。今まで誰もやったことのないことを成し遂げたんだ。レジェンドに一本勝ちだ。ボーナスに値すると思う。誰が相手でも一本を取るのはいいこと。黒帯が相手ならもっといい。レジェンドが相手なら・・・信じられない。今、自分がどう感じているかをうまく言葉にできない。ジャカレの1日も早い回復を願うばかりだ。自分の戦略は、最初はグラウンドでの戦いを避けてラウンドごとにしっかり戦っていくことだった。メディアデーで、彼を相手に自分のグラウンドゲームを試してみるつもりかと聞かれ、俺はそうすると答えた。最高の相手と対戦するために一生をかけてトレーニングしてきたし、ついに、UFCで最高のグラップラーの1人と対戦する機会を得た。ジャカレよりも多くサブミッションで勝っているのはチャールズ(オリベイラ)だけだ。自分自身を試さないといけなかった。自分の黒帯が本物かどうかを確かめる必要があった。それを今日、このヒューストンで世界中に証明できた。彼の手が自分の腕に挟まっていたから、腰を横に倒して彼が腕を取れない角度を作った。その結果、一本を取れた。これから少し休みをとって家族と過ごすつもりだけど、準備はできている。次のチャンスを待っている。この試合が終わったらランキング入りするかもしれない。トップ15が空いているはずだから、この最高のパフォーマンスを見せた俺はそこにふさわしいと思っている。どうなるかはそのうち分かるさ。何であれ、俺の覚悟は決まっている。対戦相手は選ばない。今日、UFCで柔術の大御所と対戦してそれを証明したし、とにかくチャンスがほしいだけ。今年中に少なくともあと1回は戦いたい。ケガもなかったしね。でも結局はUFCのオファー次第。価値のあるものを用意してくれるなら、今年にあと2試合するのは全然問題ない」


フェザー級マッチ
○ランド・バンナータ vs. マイク・グランディ●
判定2-1(29-28、27-30、30-27)


ランド・バンナータ

「自分としては90点くらいの試合ができたと思っている。今まで集めてきた改善点をしっかり生かすことができた試合だったね。ペースはもう少し早くても良い気がする。フィニッシュにもう少し固執してもいいのかもしれない。相手がダメージを受けた際にはもっとアグレッシブに攻めることも必要かもしれないな。体力的には最高の状態にいるし、減量もまったく問題なく乗り越えることができた。俺がレスリングを苦手だと思っている人も多いようだが、俺はグラウンドでも十分に危険な存在だ。相手のテイクダウンもほぼディフェンスすることができた。相手も自分の思うように試合ができなくてフラストレーションが溜まったはずだ。何より試合に勝てて嬉しいよ。約2万人のファンの前で良い試合ができたと思う。また夏には試合したい」


ミドル級マッチ
○ジョーダン・ライト vs. ジェイミー・ピケット●
1ラウンド(1分04秒)TKO


ジョーダン・ライト

「前戦ではキャリア初の黒星を喫してしまったが、今日は前回のようなミスをすることなく最高のパフォーマンスができたと思っている。プレッシャーを与えつつ、相手が隙を見せたら全力でフィニッシュを狙うのが作戦だった。相手がしつこくテイクダウンを狙ってきたので、頭が下がった瞬間に一発かサブミッションを決めようと考えていた。判定でもサブミッションでも勝利できればすべて良しだと思っている。またすぐに試合したいね。家族と少し時間を共にして、またすぐにジムに戻るつもりだ。今日は特にファンがいてくれて楽しかったよ。オクタゴンに向かう時も多くのファンに声をかけてもらえたのがすごく嬉しかった」


女子フライ級マッチ
○アンドレア・リー vs. アントニーナ・シェフチェンコ●
2ラウンド(4分52秒)サブミッション(アームバー)


アンドレア・リー

「気分は最高だわ。試合中もセコンドの声をしっかり聞くことができたし、コーチ陣の指示通りの動きができた。連敗が続いていたこともあって、試合前は随分と考えこんでしまった。今日はそんな不安も全部払拭できているような試合内容だった。UFCでは初めてのフィニッシュだし、特にアントニーナのような素晴らしい相手からフィニッシュを決めることができて嬉しく思う。アームバーのポジションに入ってからは絶対に決めると自分に言い聞かせていた。足も疲れてきていたし、第2ラウンドで試合を決めたかった。自分がテキサス州出身ということもあり、地元で勝利できて本当に嬉しく思う」


【アーリープレリム】
女子フライ級マッチ
●ジーナ・マザニー vs. プリシラ・カショエイラ○
2ラウンド(4分51秒)TKO


プリシラ・カショエイラ

「このためにトレーニングしてきた。今回のように落ち着いて試合に臨めたことは一度もなかったわ。この5カ月、必死にいろんなことに取り組んで、この5カ月、とても多くの汗をかき、かなりの犠牲を払ってきたからね。この15分を過ごすために5カ月間もトレーニングするのよ。その5カ月間の努力を無駄になんてできないわ。これほど落ち着いていられたことは一度もないと思う。いつも気持ち悪くてしょうがなくなっていたんだけど、それもなかった。自分でも不思議なんだけど、トレーニングをしっかりやったと分かっていたから、それが落ち着きにつながったんだと思う。これまでは試合中にグラウンドになると、ワレンチナ(シェフチェンコ)との試合を思い出してパニックになっていたの。今回はグラウンドに入ったときに柔術トレーナーの声が聞こえてきて、とにかく落ち着いていればいいんだってことに気づけた。トレーナーが“プリシラ、落ち着け。やるべきことは分かっているだろ”って言っているのが聞こえたの。そう、トレーニングはしてきた。だからなんとか立ち上がってガードから彼女にエルボーを打ったら、きっちり決まった。向こうが受けたと思ったから、ここが勝負だと思った。相手のテイクダウンを邪魔して、そこで、彼女が私の試合に乗ってきたんだと気づいたんだけど、彼女はタフな人。もう少しアゴが柔らかいかと思ったんだけど、そうじゃなかったし、とてもハードだったから、とにかく打ちまくっていった。向こうは感じているはずなのに向かってくる。思っていた通り、簡単にはいかないと分かっていたけど、なんとか勝てて神に感謝している。私は信念を失わなかったし、自分の出番がきたと思っているわ。今回は9日前のオファーだったけど、その中でやれることはすべてやった。UFCはきっと次の試合を用意してくれるはずよ。だって私にはその準備ができているから。すごく自信に満ち溢れているの。ここからはとにかく勝つだけだと思っている。もう少ししたらトップ15に入って、その次にトップ10、それからワレンチナ、覚悟しておいて!」


フェザー級マッチ
●ケビン・アギラー vs. タッカー・ラッツ○
判定3-0(27-30、28-29、28-29)


タッカー・ラッツ

「常にああいうフィニッシュを狙っている。ケビンを対戦相手に選んだ時点で、彼の忍耐力の高さを考えればかなり厳しい戦いになるだろうとは思っていた。その中で、圧倒的な勝利を上げられたことで目標を達成できた。チームも自分も、今日の戦いぶりには満足している。自分でもとても良かったと思った。打撃とテイクダウンをうまく組み合わせていけたと思うんだけど、第3ラウンドは少しショットをばらしてしまった感じになったから、そこの部分はこれから取り組んでいかないと。マウントからの展開はもう少し攻撃的に行くべきだとも思うけど、それ以外は自分の打撃にとても満足している。元LFAチャンピオンで昔は誰もがノックアウトされていたようなベテランを相手にして圧倒的な勝利を収めたことはUFCの初戦だった自分にとって、これから世界トップの人たちの中に混じって戦っていける自信になったし、自分の力を今日、証明できたと思っている。最高だったよ。観客がいるのは、自分の試合では2019年末以来のことだから、彼らのエネルギーを感じられて最高だ。ものすごく楽しかったしね。できれば退屈な試合が続いて、ケビンと俺がボーナスを手に入れられるといいんだけど。自分が試合に勝っているとは思っていた。29-28の判定が複数あったのが少し残念。ラウンドを落とすのは絶対に嫌なんだけど、この試合の良い点を生かしてポジティブに考えていきたい。今までの試合の中で一番楽しかったかもしれない。素晴らしい日だ。妻が9月に1人目の子供、男の子を出産することになっているから、年内に最低でもあと1回、もしくは2回(の試合を)したい。妻にあまり負担をかけたくないけど、最終的にはベルトを手に入れて上にいきたいと思っているから、早く手に入るなら何よりだ」


ライト級マッチ
○クリストス・ジアゴス vs. ショーン・ソリアーノ●
2ラウンド(0分59秒)サブミッション(ダースチョーク)


クリストス・ジアゴス

「出だしは思っていたよりも少しスローだった。向こうは予想よりも多くパンチを打ってきたけど、ほとんど受けなかったと思うから、よく分からない。少し打たれたし、序盤はテイクダウンがうまくいかなかったけど、プランを信じて前進し続け、試合の流れを待つしかなかった。とにかく待つだけだと思っていたし、アイポークはあまり感じていなかったんだけど、全体的にほとんど感触がなかった。序盤に相手をロックしたときも、自分の手の感触があまりなくて、流れに身を任せていくしかなかった。序盤にわりと大きめのパンチを受けたけれど、集中力を維持して戦うしかなかった。気分は良いよ。あれからかなりたくさんの時間をリングで過ごしてきた。それで自分が安全な形で試合に臨んでいることに気づいた。つまり、これまでは少し安全にいっていたけど、今回は安全に行きたくなかったから、爆発力を持って前進するようにしたんだ。チャンスはつかまないといけないし、つかまなければチャンスを完全に失ってしまう。今回の試合でそれをしたくなかった。フィニッシュを狙ってもいた。コーチには“今回はボーナスを狙う。フィニッシュするつもり”と伝えてある。それに、頭の中にはいくつか関節技のパターンを思い描いていたけど、最終的にはダース(チョーク)を決めた。ダースチョークは得意だし、それで試合を決められて興奮している。大部分はリアクションしたと言わざるを得ない。向こうが膝をついた瞬間、ダースチョークに慣れている俺の体は自動操縦されているかのような感じだったのさ。何発か大きなパンチを打たれて、ああ、俺は今、戦いのさなかにいるんだなという実感があった。自分の体はある意味、勝手に動いたんだ。キャンプでは何度もシミュレーションしていたし、体に慣れていたんだと思う。ただ試合に臨んで成し遂げただけさ。観客に喜んでもらえるとうれしいからね。妻、弟、義理の妹も来てくれていて、みんなで俺を応援してくれている。友達も何人か来てくれたし、やっぱり観客がいるのはいいね。みんなを楽しませることが大好きだし、そのためにこのスポーツを始めたから、今日、テキサスでそれをかなえられてうれしい」

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