フライ級に新たなファイターがやってくる。UFCが21歳のムハマド・モカエフと契約した。ダゲスタン共和国出身でイギリス・マンチェスターを拠点とするモカエフは、アマチュアとして23勝0敗をマーク。2018年と2019年には連続してIMMAFワールドチャンピオンシップのジュニアバンタム級タイトルを獲得した。2020年にプロに転向すると、その初年度にすべてフィニッシュで4勝を挙げている。
「ムハマドは私がしばらくの間注目していたフライ級ファイターだ」とUFCのマッチメーカーであるミック・メイナードは語っている。
「彼は弱冠21歳にして経験が実に豊富で、アマチュアとプロを合わせてほぼ30試合を戦ってきた。彼は負けたことがなく、ダイナミックで高いカリスマ性がある。ムハマドは自分をフライ級のハビブ(ヌルマゴメドフ/ダゲスタン出身)だと思っている。彼はこの若く、面白いディビジョンにうってつけだ」
モカエフは紆余曲折を経て総合格闘技の道に進んだ。モカエフとその父であるムラドは路銀もないまま衣服を詰めたかばん一つでロシアを逃れ、2012年の夏にリバプールの難民センターに28日間滞在。そこからウィガンに居を移している。
しばらく後、モカエフの父は路上にたむろする良くない集団から遠ざけるべく、息子をウィガン・ユース・ゾーン(地元の青少年団体)に毎日通わせるようになった。そこでモカエフはレスリングに出会う。やがてモカエフはレスリングのイギリスチャンピオン、そして、ブラジリアン柔術のヨーロッパ王者へと成長する。
アマチュアの世界で成功したモカエフに注目し、成功し続けるよう鼓舞したのが元UFCライト級チャンピオンのハビブ・ヌルマゴメドフだった。Brave CFでプロとしてのキャリアを開始してバンタム級とフライ級の両方で戦ったモカエフには、UFCでジョン・ジョーンズの記録を破って最年少王者になるという野心がある。
それを実現するためのタイムリミットは約2年。だが、その自信とこれまでの実績からすれば、決して不可能ではないはずだ。
UFCが無敗のフライ級ファイター、ムハマド・モカエフと契約
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