誰のものでもない「オレの旅」へ、アレックス・カサレス直撃インタビュー!

UFCファイトナイト
アレックス・カサレス【UFC】
アレックス・カサレス【UFC】
現在フェザー級ランキング15位にいる前途有望な“ブルース・リーロイ”ことアレックス・カサレスには、3月13日(日)に開催されるUFCファイトナイト・ラスベガス50でランキング12位のソディック・ユサフと対戦し、勝つことでトップ10に飛び込める大きなチャンスがある。

カサレスはUFCキャリアの初期に中国、日本、シンガポールで行われたUFCイベントに出場しており、そのエキサイティングなファイティングスタイルと熱い人柄でアジアのファンの心をつかんだ。日本では2013年にカン・ギョンホ、2014年に金原正徳と対戦している。彼が初めて登場し、UFCの契約を手にしたジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン12から11年が過ぎ、真の輝きを見せているカサレスは現在5連勝中だ。

――今週末の戦いに向けたメンタリティは

いいよ、すごく普通だ。特に変わったことはない。

――今回のUFCファイトナイトで対戦するソディック・ユサフについて

タフな男で、いいファイターだ。でもそれは他の対戦相手でも同じこと。UFCにいる人はみんな常に戦う意欲に満ちている。彼は強そうに見えるけど、オレは今までだってそういう相手を経験している。

――試合の準備で重視するのは対戦相手か、それとも自分自身か

オレは自分自身のことに集中する方だな。自分がオクタゴンで何をしたいかを考える。だって、これはオレの旅なんだから。大事なのは行き先や終わり方じゃない。そこに着いたときにオレがオレ自身でいられるかどうかだ。他の誰かのまねをして成功するより、その方がいい。

――ブルース・リーの哲学を大事にしていたキャリア初期からの見方の変化は

人生の他のものと同じように彼の哲学に対する受け止め方も変わったよ。長く生きるにつれて、人は重ねてきた経験についてより深く理解するようになる。あるときはただのきれいな歌に聞こえたものが、その時に置かれた状況によって、あるいは脳が発達して理解できるようになるとか、それを受け入れられるように心を開いたことによって、次の日にはもっとずっと深い意味を持つことがある。だからどんなシナリオだとしても、経験に対するオレの見解は広がっていくはずだし、オレはすべてにおいて深い意味合いを見つけられるようになっていると思う。

――現在ブルース・リーの他に人生の哲学としているものについて

水が感情を記憶するっていう江本勝博士の実験はすごく興味深かった。ポジティブやネガティブな考えとか行動が、分子構造を変化させるんだ。水を凍らせて電子顕微鏡で写真を撮ると、ポジティブな承認を受けた水は雪のような結晶構造になる。ネガティブな行為や言葉を受けた水は形にならず、崩れたまま。オレたちの体は4分の3が水でできている。地球もそうだし、ほとんど全部の生き物がそうだ。だから、ネガティブな考えを持てば持つほど、オレたちの環境は物質的にすごくネガティブな場所になってしまうかもしれないんだ。考え方を変えることによって、文字通りに気持ちを変えることができる。

オレはビーガンだ。できるだけ危害を加えないように気をつけている。それには科学による裏付けもあるんだ。食物として動物を殺すことに気付かないふりをしたり、もっとひどいのは快楽のために狩猟をしたり。そういうことが繰り返しネガティビティを生み出している。食べ方によってオレたちがある感情を抱くのはそのせいだと考えている。

――今の自分から昔の自分に一番大事なことを言うとしたら?

全員の言うことに耳を傾けたりするな。オレたちは自分を信じないことで、自分自身に限界を作ってしまうんじゃないかと思う。結局、特にMMAのようなスポーツでは、そこにいるのは自分だけ。オレが高校でレスリングをしているときのことさ。オレは自分が楽しんでいて、あまり真剣になっていない感じのときの方が成功できるように感じていたから、コーチたちはフラストレーションを感じただろう。言われるがまま戦いの場に立つんだとしたら、自分自身で考えていないし、自分の心に従っていない。そういうやり方でも成功できるのかもしれないけど、ハッピーにはなれないだろ。

――日本での思い出について

ウルトラスーパー・カルチャーショックさ! 東京は美しい場所で、皆すごくいい人たちだった。食べ物がおいしかったし、文化が好きだ。そこにいるのが、ただ好きだった。礼儀正しいファンが新鮮で良かったな。皆がファイターに敬意を持ってる。彼らは“自分ではやらない。だから、勝敗関係なくオクタゴンに上がる人を尊敬する。彼らはこちらの楽しみのために、自分でやるとは想像もできないことをやっているんだから”って分かってるんだ。

――MMAでの目標は?

自分にできるベストになること。ただ戦い、その瞬間にいるって感じ。この瞬間だけがリアルなのさ。もちろん、試合になれば勝つために努力してる。相手をサブミットしようとか、とにかく自分にできることをやろうとしてる。だけど、心では、見返りは関係ない。その瞬間にやるべきことをやる。オレにとって大事なのはそれだ。本当の意味で楽しめる時間は今だけで、それ以上なんてない。オレたちが世界を作っているのであって、オレたちが世界そのもの。だから、自分を自分が見たい世界にするんだ。


アレックス・カサレスは日本時間3月13日(日)に実施されるUFCファイトナイト・ラスベガス50:サントス vs. アンカラエフのメインカードでソディック・ユサフと拳を合わせる。
Facebook X LINE

オクタゴンガール
オフィシャルショップ
FANTASY