2021年サブミッショントップ10

UFC
UFCファイトナイト・ラスベガス42:オクタゴン【アメリカ・ネバダ州ラスベガス/2021年11月13日(Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)】
UFCファイトナイト・ラスベガス42:オクタゴン【アメリカ・ネバダ州ラスベガス/2021年11月13日(Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)】
2021年のベストサブミッションと言えば? 非公式ながらも今年の名試合の数々を振り返ったランキングをご紹介。



第10位ジュリアン・マルケス(対マキ・ピトーロ/UFC 258)
負傷によって2018年7月以来オクタゴンを離れていたジュリアン・マルケスが、マキ・ピトーロとのミドル級マッチで劣勢からのエキサイティングな勝利を決めた。第3ラウンドでサブミッションを決めたのだ。

ピトーロは試合が始まるや否やマルケスを追い回し、何度かきつい打撃を放った後、2人はフェンス際でクリンチ状態になった。ピトーロは強烈なエルボーを入れ、戦いをマットに持ち込む。そこからはハワイ出身のピトーロの独壇場となり、マルケスがギロチンチョークを決めかけるまでは立っている時もグラップリングによって相手を消耗させていた。ピトーロは抜け出したものの、ラウンド終了直前にハードショットを数発食らっている。

第2ラウンドの序盤にマルケスがローキックを繰り出したことでアクションは一瞬止まり、その後はピトーロが2度のテイクダウンを奪うまで応酬が続く。マルケスがまたもギロチンチョークを仕掛け、これを逃れたピトーロだったが、マット上でポジションを確保するまで苦戦。その後はラウンド終了まで上から戦いをコントロールしていた。

最終ラウンドが始まると、マルケスはピトーロに向かって猛撃しながらギロチンチョークの隙を探す。しかし、ピトーロは難局をうまく切り抜け、再びマットへと戦いを持ち込んだ。すぐにチョークに入ったピトーロだが、マルケスもこれを抜け出して攻撃に転じる。残りわずか1分、打撃によってピトーロを崩したマルケスはマット上でアナコンダチョークを決め、第3ラウンド4分17秒時点でピトーロにタップアウトさせたのだ。



第9位ハムザト・チマエフ(対リー・ジンリャン/UFC 267
無敗の非凡なウェルター級ファイター、ハムザト・チマエフがまた完璧な勝利を決めた。リー・ジンリャンとの戦いが始まって数秒でバトルをコントロールしたチマエフは、第1ラウンドの後半でリーをサブミットして戦績を10勝0敗としている。

チマエフはラインキング11位のリー(18勝7敗)を開始早々にテイクダウンし、グラウンドでの揺るぎない戦いを経て、ラウンドが折り返し地点を迎える前にリーを打ちのめす。さらに一連の打撃を繰り出すと、リアネイキドチョークで試合終了。第1ラウンド3分16秒での出来事だった。



第8位クレイ・グイダ(対レオナルド・サントス/UFCファイトナイト・ラスベガス44)
あわやフィニッシュの状況から反撃したクレイ・グイダが、ブラジリアン柔術の黒帯であるレオナルド・サントスとのライト級マッチの第2ラウンドでサブミッション勝利を決めている。

試合開始早々にボディキックで39歳のグイダを痛めつけたサントスは、さらに攻撃を続けてあらゆる角度から打撃を浴びせた。しかし、レフェリーのキース・ピーターソンがバトルを続行させたのを受けてグイダは体勢を立て直し、息切れしているサントスを追い始める。相手の状況を察知したグイダはサントスにプレッシャーをかけ、残り時間1分で猛撃を加えだした。何とか踏ん張ろうとしたサントスだが、グイダのグラウンド&パウンドによってラウンドの終了のホーンまで戦いはマット上にとどまっている。

第2ラウンド開始とともに自分のコーナーを飛び出したグイダはサントスをカンバスに引き倒し、膝を食らわせた末にリアネイキドチョークへ。これにはたまらず、サントスが第2ラウンド1分21秒でマットを叩いている。



第7位イスラム・マカチェフ(対ドリュー・ドーバー/UFC 259)
ライト級コンテンダーのイスラム・マカチェフがこれまでで最も見事なものの一つに数えられるパフォーマンスを見せたのが、第3ラウンドでドリュー・ドーバーを仕留めた試合だった。

戦いが始まってすぐに、マカチェフは最初のテイクダウンを奪う。忍耐強くポジションを取りにいったマカチェフは、残り90秒でサイドコントロールの形に入った。ドーバーはスクランブルで逃れようとするものの、マカチェフがそうはさせず、アームバーによってホーンが鳴る前に試合は終了寸前というところまでいっている。

第2ラウンドが始まってすぐにバトルの舞台はマットへ移動し、マカチェフが巧みなグラップリングでその場を支配した。第3ラウンドも同様だったが、相手をフロアに倒したマカチェフは、今度はアームトライアングルを決めて第3ラウンド1分37秒でタップを奪っている。



第6位ビセンテ・ルーケ(対マイケル・キエーザ/UFC 265)
ウェルター級タイトルに着実に近づいていくビセンテ・ルーケは、マイケル・キエーザに卓越したサブミッション勝利を収めて連勝記録(かつ連続フィニッシュ記録)を4に伸ばした。

序盤は横方向の動きを活用したキエーザがルーケに追う展開を強い、ルーケが接近した際に巧妙なテイクダウンを奪う。さらにマットでキエーザがチョークを決めかけるものの、ルーケはそこから逃れて状況をひっくり返し、第1ラウンド3分25秒でダースチョークによって相手を沈めた。



第5位アマンダ・ヌネス(対ミーガン・アンダーソン/UFC 259)
女子格闘界のG.O.A.T(史上最高の選手)がUFC 259のセミメインイベントで再び魅せた。アマンダ・ヌネスが第1ラウンドでミーガン・アンダーソンをサブミットし、女子フェザー級タイトルを防衛している。

開始1分で右腕がアンダーソンを刺す。ヌネスはそこからマットでのバトルに持ち込んだ。その後に続くタイトなアームバーでアンダーソンはタップアウトを余儀なくされ、タイトル戦は第1ラウンド2分03秒で終了した。



第4位ブランドン・モレノ(対デイブソン・フィゲイレード/UFC 263)
ドローになった2020年12月以来のリマッチで新たな歴史を作ったのは、第3ラウンドでサブミッションを決め、デイブソン・フィゲイレードを破ってフライ級のタイトルを獲得したブランドン・モレノだった。モレノはこの試合によって、メキシコ出身で初めてUFCタイトルを獲得した選手となった。

27歳でメキシコ・ティファナ出身のモレノは「このためにものすごくハードにやってきた」と話している。

第1ラウンドは圧倒的にモレノ優勢だった。テンポが速く、自信に満ちた攻撃はフィゲイレードの不意を突いたように見えた。残り時間が2分を切り、攻勢を増したフィゲイレードだったが、モレノのジャブにダウン。ここでフィニッシュを決めようとするモレノだったが、チャンピオンは立ち上がってこのラウンドを終わらせている。

第2ラウンドの初めにまたも強烈なジャブを食らいながらも、フィゲイレードはテイクダウンを決めてマットでの争いに持ち込む。しかし、優れたデイフェンスによって難を逃れたモレノは体勢を立て直してフィゲイレードを捉え、今度は自分がテイクダウン。このラウンドの最後までフィゲイレードをグラウンドにとどめた。

第3ラウンドは激しい打撃の応酬から始まるも、2分を数えたところでモレノがフィゲイレードをテイクダウンし、後ろをとってリアネイキドチョークに入る。3分以上が残っている状態でフィゲイレードにとっては厳しい状況であり、結局、第3ラウンド2分26秒でのタップアウトを強いられた。



第3位ビセンテ・ルーケ(対タイロン・ウッドリー/UFC 260)
試合が続く限りワイルドな展開となったUFC 260のセミメインイベントで、ビセンテ・ルーケは元ウェルター級王者のタイロン・ウッドリーを第1ラウンドでサブミットした。

コーナーから出てきたウッドリーは右手の大きな一振りを外した後に、ルーケをフェンスに追い込んだ。クリンチでお互いのポジションを入れ替えていた2人だが、それを解消してからはウッドリーが最近の試合で見せた以上のアグレッシブさを披露。2分強を残した時点でウッドリーが右腕をもってルーケを追い詰めるも、ルーケは自身の腕でこれに応戦。足元をぐらつかせながら反撃したウッドリーだが、戦いをマットに移したルーケが第1ラウンド3分56秒でダースチョークを決めている。



第2位アンソニー・ヘルナンデス(対ホドルフォ・ヴィエラ/UFC 258)
アンソニー・ヘルナンデスがミドル級に驚きをもたらした。それまで無敗だったホドルフォ・ヴィエラを、第2ラウンドでサブミットしたのだ。

ヴィエラは20秒でヘルナンデスをマットに倒し、そこからマウントを取って相手を苦しめる。ヘルナンデスがそこを脱出してからは、ヴィエラがヘルナンデスをフェンスへと押しやった。2分を切って2人が一度離れると、ヘルナンデスが打撃を次々と繰り出す。翻弄されたヴィエラは反撃のチョークを試み、再び2人が距離を取った後、今度はヘルナンデスが相手をストップ寸前まで追い詰めるも、ラウンド終了の合図がヴィエラを救った。

ヘルナンデスは第2ラウンドでもその勢いを保ち、消耗したヴィエラに揺さぶりをかけ続ける。エルボーを入れてヴィエラをマットに倒したヘルナンデスは、第2ラウンド1分53秒で実績のあるブラジリアン柔術の黒帯ファイターをギロチンチョークで仕留め、総合格闘技界を驚かせた。



第1位アンドレ・ムニス(対ジャカレ・ソウザ/UFC 262)
ミドル級の出世頭であるアンドレ・ムニスは有望株からコンテンダーへと成長を遂げたのかもしれない。そう思わせるのが、長年の傑出した選手であるジャカレ・ソウザを第1ラウンドで沈めた試合だ。

試合が始まって1分、ソウザはムニスを押し倒し、ハードな打撃を浴びせ始めた。何とか立ち上がったムニスはお返しにテイクダウン。ソウザはすぐさま立ち上がったものの、ムニスはほんの短い間にも集中を解かなかった。再びバトルをマットに移したムニスは相手の腕を固め、すべてを終わらせる。ソウザはその中で腕を骨折していた。第1ラウンド3分59秒でアームバーが決まったというのが公式な記録だ。

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