2021年ノックアウトトップ10

UFC
UFC 269:オクタゴン【アメリカ・ネバダ州ラスベガス/2021年12月11日(Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)】
UFC 269:オクタゴン【アメリカ・ネバダ州ラスベガス/2021年12月11日(Photo by Chris Unger/Zuffa LLC)】
最高のノックアウトはあらゆる人々の心を盛り上げる。今年の最もビッグなノックアウトと言えば? 2021年を彩った卓越したファイターたちのパフォーマンスをランキング形式で振り返り。



第10位ダスティン・ポワリエ(対コナー・マクレガー/UFC 257)
元UFCライト級暫定王者のダスティン・ポワリエはUFC 257で実現したコナー・マクレガーとの再戦を前に、6年は長いと話していた。その発言は正しい。アイルランドのスーパースターとの2度目の対戦は、最初の1回とはまったく違う様相を呈していた。第2ラウンドのテクニカルノックアウト勝利によって、ポワリエがマクレガーとの戦績をイーブンとしたのだ。

「満足だ。驚いてはいないさ」と言うポワリエは、2014年9月に第1ラウンドでマクレガーに倒されていた。

「俺は仕事を懸命にやってきた」

一方、これが2020年1月にドナルド・セラーニに勝利して以来の試合だったマクレガーは「ダスティンはひとかどのファイターだ」と話している。

「俺には活発さが必要だ。この仕事じゃ、受け身ではやってられない」

最初にポワリエの顔面に一発入れたのはマクレガーだったが、短いやり取りの後、開始30秒でポワリエがテイクダウンを奪う。マクレガーが立ち上がると、2人はフェンス際の攻防の中で相手の肩を打った。残り3分の時点でマクレガーはまだつかまれていたものの、数発の膝を食らわせて残り90秒でフリーに。マクレガーが繰り出した強烈な右にポワリエがフックで応え、ラウンド終了まで2人は一進一退の競り合いを続けた。

第2ラウンドではポワリエがマクレガーの足を狙い、一方のマクレガーは目を見張るほど正確なパンチを打っていく。ポワリエも手数を減らすことなく攻め続け、左からの攻撃でマクレガーをフェンスに押しやると、今度は両手に切り替える。右からの痛打でアイリッシュマンを崩したのに続き、再び右からの強烈な一撃が入り、レフェリーのハーブ・ディーンが第2ラウンド2分32秒で試合を止めた。

「これで1勝1敗だ。またやらなきゃならないかもな」とポワリエは予言めいた言葉を残している。



第9位デリック・ルイス(対カーティス・ブレイズ/UFCファイトナイト・ラスベガス19)
デリック・ルイスがUFCファイトナイトのメインイベントでカーティス・ブレイズを相手に自分のリズムをつかむには、少し時間がかかっている。しかし、第2ラウンドで鮮やかな一撃を決めたときに、試合は終わった。ヘビー級コンテンダーであるルイスは4連勝を飾り、UFC歴代最多ノックアウトでビトー・ベウフォートに並んでいる(その後、ルイスは歴代ノックアウト記録を更新)。

ヒューストンを拠点とするルイスは試合が始まってブレイズが距離をつめてきた際に、まずは右腕をお見舞い。しかし、そこからはブレイズが優勢になる。ラウンドの後半でルイスが何度かキックを繰り出してブレイズを押しとどめるも、“レイザー”ことブレイズは狙い通りのパンチとキックによってストライキングで着実に相手を追い詰めていく。ただし、想定外のアイポークによってバトルは一時的にストップしていた。

第2ラウンドもまずギアを上げたのはブレイズだったが、テイクダウンの試みはルイスによって回避される。イリノイ州出身のブレイズがバトルをコントロールし始めたと見えたところで、ルイスの右腕によるたった1回のショットがブレイズの動きを止め、ルイスがブレイズをカンバスに縫い留めた。さらに2発が振り下ろされたところでレフェリーのハーブ・ディーンが試合をストップ。第2ラウンド1分26秒で時計は止められた。



第8位クリス・バーネット(対ジアン・ヴィランテ/UFC 268)
その夜、クリス・バーネットは集まった観衆たちの大歓声によってマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)の天井を吹き飛ばした。スピニングホイールキックでジアン・ヴィランテを倒したバーネットは、ヴィランテの打撃をすべて帳消しにして第2ラウンド半ばでフィニッシュを決めている。

試合開始から最初の5分はキックの応酬に費やした2人は、第2ラウンド序盤も変わらない状況だった。その中でバーネットが身をひるがえし、劇的な勝利を決めてアリーナを熱狂の渦に。試合後にジョー・ローガンと話す機会を得たバーネットは、自分の勝利に対するMSGの熱狂をいったん沈め、引退するヴィランテへの敬意を表した。

UFC初勝利を挙げた“ビーストボーイ”は、オクタゴン上でも、マイクを持っても、胸に刺さるパフォーマンスを発揮している。



第7位テランス・マッキニー(対マット・フレボラ/UFC 263)
LFAで勝利してから8日、ニューカマーのテランス・マッキニーはショートノーティスで受けたオクタゴン初戦で実に見ごたえのある戦いを披露した。UFC史上4番目に速いフィニッシュ――7秒でのノックアウトをマット・フレボラから奪ったのだ。

2人のライト級ファイターが戦いの中に身を躍らせてすぐ、2人のグローブがぶつかった。そして、マッキニーが繰り出した1-2によってフレボラが倒れる。さらに集中砲火が浴びせられるのを見たレフェリーのジェイソン・ハーソッグによる判断で、試合は第1ラウンド7秒で終了。UFCライト級史上、最短で決着がついた一戦となった。



第6位フランシス・ガヌー(対スティペ・ミオシッチ/UFC 260)
多くの人々が予想したより3年以上は長くかかったかもしれない。しかし、今のフランシス・ガヌーはUFCヘビー級チャンピオンだ。UFC 260のメインイベントで、スティペ・ミオシッチを第2ラウンドでノックアウトしたことによってつかんだ栄冠だった。

2人が最初に拳を合わせた2018年には、ミオシッチが5ラウンドをかけてガヌーを退けた。そこから5戦を経て、デンジャラスなノックアウトアーティストから円熟した総合格闘家へと成長したカメルーン出身のガヌー。とは言え、ヘビー級タイトル防衛者を入れ替えたのは、やはり“ザ・プレデター”のパワーだった。

ガヌーは開始2分でオーバーハンドによって先制したものの、王者はこれを苦にすることなく、そのしばらく後にテイクダウンを試みる。ガヌーの方もこれを防ぎ、グラウンドで何度か打撃を出した末に、2人が立ち上がってからはヘッドキックを放っている。ミオシッチの攻撃は主にレッグキックで構成されており、このラウンドはガヌーのものとなった。

ミオシッチは第2ラウンドの早い段階で左からの一撃によって体制を崩すも、反撃に立ち上がり、強烈な右をガヌーに浴びせる。しかし、ガヌーの短い左の一撃で再び倒れ、続く打撃よってレフェリーのハーブ・ディーンが試合を第2ラウンド0分52秒でストップした。



第5位イグナシオ・バハモンデス(対ルーズベルト・ロバーツ/UFCファイトナイト・ラスベガス34)
第1ラウンド序盤の、オクタゴンのセンターでの長いジャブの応酬とレッグキックの数々を経て、イグナシオ・バハモンデスとルーズベルト・ロバーツは質の高いショットと安定したペースでバトルを続けていた。その場をコントロールし始めたのはバハモンデスで、プレッシャーを与えてロバーツを後退させる。だが、ここでロバーツがチリ出身の若きバハモンデスの片足をつかみ、相手を防戦に追い込んだ。体勢を立て直したバハモンデスは再びリードし、リズムに乗って多彩な攻撃をラウンド終了まで繰り出し続ける。

第2ラウンド開始時点でも状況はそれほど変わらなかった。バハモンデスが冴えわたるパンチとキックを取り混ぜつつ前に出て、さまざまなスタンスとレベルから攻撃を加える。落ち着きを保って反撃し、ジャブでバハモンデスをオープンにしたロバーツだったが、UFC2年目で24歳の誕生日を目前にしたバハモンデスの手はとまらず、ロバーツの正面から高火力の攻撃を続行。両眉の端に切り傷ができて顔を血に染めてこそいたものの、バハモンデスがバトルをコントロールした状態で最終ラウンドに向かっている。

第3ラウンドの序盤、バハモンデスは右ストレートをロバーツのボディに叩き込み、パニックからのテイクダウンを試みたロバーツを交わした。相手を立たせたバハモンデスはまた攻撃。このシークエンスが繰り返される。ラスト10秒の報せを聞いたバハモンデスはきれいなスピニングホイールキックをロバートのあごに決め、ノックアウトで試合を締めくくった。

最近のデイナ・ホワイトのコンテンダーシリーズ卒業生の中でも特に目を引くパフォーマンスに、驚異的な結末をもたらしたバハモンデス。記憶に残るUFC初勝利だった。



第4位ローズ・ナマユナス(対ジャン・ウェイリー/UFC 261)
ファイター紹介の間、ローズ・ナマユナスは「アイム・ザ・ベスト(私が1番)」と叫んでいた。78秒後、ナマユナスはそれが真実であることを証明している。ジャン・ウェイリーをノックアウトして、UFC女子ストロー級のタイトルを奪い返したのだ。

2人のファイターが相手の様子を伺いつつ動いてオクタゴンに馴染んだ時、ナマユナスの鮮烈な左キックを頭部にくらったジャンはマットにたたきつけられた。さらにナマユナスが拳を浴びせるのを見たレフェリーのキース・ピーターソンは、第1ラウンド1分18秒で子の試合に幕を引いている。



第3位コーリー・サンドヘイゲン(対フランキー・エドガー/UFCファイトナイト・ラスベガス18)
UFCファイトナイト・ラスベガス18のセミメインイベントに組まれた試合で、コーリー・サンドヘイゲンはバンタム級のトップ争いに名乗りを上げた。サンドヘイゲンはこの一戦で、フランキー・エドガーを第1ダウンでノックアウトしている。

エドガーのトレードマークともいえるプレッシャーから始まったこの戦いだが、パーフェクトにはまった右のジャンピングニーがそのあごに強烈な衝撃を与え、エドガーは顔からカンバスに倒れこむ。それ以上、サンドヘイゲンにやるべきことはなかった。レフェリーのキース・ピーターソンはこの試合を、第1ラウンド開始28秒で止めている。



第2位イリー・プロハースカ(対ドミニク・レイエス/UFCファイトナイト・ラスベガス25)
チェコのライトヘビー級コンテンダーであるイリー・プロハースカはUFCで2勝を挙げ、2回のノックアウトを決めた。その中で、プロハースカは2度のタイトル挑戦者であるドミニク・レイエスに第2ラウンドでの破壊的なノックアウトを味わわせている。

レイエスはサウスポーのスタンスで強力なスタートを切り、プロハースカの型破りなスタイルにもまったく惑わされていないようだった。だが、いったんプロハースカが自分の距離を見つけると、レイエスに接近してハードショットを打ちだす。レイエスはテイクダウンによって相手の勢いを一時的に削いだものの、スタンディングの体勢に移るとプロハースカが爆弾を落としはじめる。対するレイエスもひるむことなく打ち返し、両者が力強い打撃をやり取りする激しい第1ラウンドとなった。

第2ラウンドで何度かの強烈なパンチを受けたレイエスは流血しながらも引く気配がなく、“デニーサ”ことプロハースカが引き離すかに見えたときも反撃して相手にかけ値のない戦いを続けさせた。さらにレイエスは左腕でプロハースカにダメージを与え、テイクダウンからのギロチンチョークでプロハースカを仕留めかける。それを逃れたプロハースカはグラウンドで何度かの打撃を入れるや否や、右ひじと左ひじを使い、レフェリーのハーブ・ディーンが第2ラウンド4分29秒で時計を止めるに至っている。



第1位カマル・ウスマン(対ホルヘ・マスヴィダル/UFC 261)
昨年にホルヘ・マスヴィダルに判定勝ちを収めたUFCウェルター級王者のカマル・ウスマンが、UFC 261でマスヴィダルとの再戦に挑んだ。ウスマンが勝利を手にするには、今回は判定を必要としなかった。第2ラウンドで決まったノックアウトが、2人のライバル関係にはっきりとした幕を引いている。

開幕からレッグキックを浴びせたマスヴィダルだが、最初に大きく試合を動かしたのはウスマンのショットであり、チャレンジャーにきつい右を打ち込んでいる。この衝撃を逃れたマスヴィダルだが、膝を外した後にチャンピオンにテイクダウンされる。マスヴィダルはマウントを取られても激しく肘を繰り出し続け、残り1分で再び立ち上がった。ウスマンは鮮やかな打撃と膝でこれに応え、第1ラウンドを締めくくっている。

第2ラウンドが始まってもマスヴィダルは微笑みと自信を保っていたものの、ウスマンは圧倒的な右からの打撃でマスヴィダルをカンバスへ突き倒した。そこから数発の拳が入ったところで、レフェリーのハーブ・ディーンが終了を宣言。第2ラウンド1分02秒時点でのことだった。
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