宇野薫に聞く! UFCファイトナイト・ジャパンの見どころ徹底解説【中編】

UFCファイトナイト 見どころ
TUFリデンプションフィナーレ:グレイ・メイナード vs. 石原“夜叉坊”暉仁【アメリカ・ネバダ州ラスベガス/2017年7月7日(Photo by Brandon Magnus/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
TUFリデンプションフィナーレ:グレイ・メイナード vs. 石原“夜叉坊”暉仁【アメリカ・ネバダ州ラスベガス/2017年7月7日(Photo by Brandon Magnus/Zuffa LLC/Zuffa LLC via Getty Images)】
第5試合:中村K太郎 vs. アレックス・モロノ

Q: 中村選手は宇野選手と同じく、リアネイキドチョークを得意技にしています。

宇野薫: 僕にとって中村選手は道場の後輩で、かつて一緒に練習をしていた関係なのですが、今ではすっかり抜かれてしまい、彼は今では本を出すほどの絞め技のエキスパートになっています。中村選手のチョークの特徴としては、ポジション取りがとてもうまいということがあります。しっかりと相手のバックについて、高さも合わせるのが絶妙ですし、相手が立ち上がったり振り落とそうとしたりしても、しっかり相手をホールドしていて、落ちないようにバランスを保っている。相手はなかなか逃げられないでしょう。本当に精度が高くて”裸締め十段”と呼ばれるだけのことはあります。

Q: 中村選手は網膜剥離(もうまくはくり)のため、今回は11カ月ぶりの試合になります。打撃のある格闘技の選手にとっては気掛かりな点ですよね。

宇野: 僕は網膜?離の経験はないのですが、また目への打撃をもらったらどうしよう、という恐怖心は想像を絶するものがあると思います。医師のゴーサインは出ているとは思いますが、対戦相手だけではなく、そうした恐怖心との戦いもあるのではないかと思います。

第6試合:廣田瑞人 vs. チャールズ・ローザ

Q: ベテランの廣田選手ですが、改めて、宇野さんから見た廣田選手の強さとはどのようなところにありますか。

宇野: 廣田選手と僕は『Team OTOKOGI』というプロ向けの練習チームで一緒に練習したことがあります。廣田選手はストライカーですから、打撃が強いことは言うまでもないのですが、実は寝技についても、その強さや精度が格段にアップしているのを、僕は一緒に練習していて実感しました。

Q: では一本勝ちも期待できるということでしょうか。

宇野: ええ、チャンスがあれば、全然期待できると思いますよ。廣田選手はオールラウンダーだと僕は思っています。それに加えて、フェザー級としては破格の身体の強さも大きな特徴です。小さい頃に相撲の経験もあるようで、腰が強いんですよ。

Q: 卓越した実力にもかかわらず、UFCではちょっと不思議なくらい、勝ち星が付いてきていないように見えます。

宇野: 先に1発被弾してしまい、リズムを崩して自分のペースに戻せないまま負けてしまうことが多いように感じます。だから、打ち合いの時に大きな1発をもらわないように注意して、自分のリズム、自分のペースを守って戦うことが大切なのではないでしょうか。そのためには、打撃勝負ではなく、あえてグラウンドで試合を進めるのも、対戦相手の裏をかくという意味でも、一案かもしれません。

第7試合:石原“夜叉坊”暉仁 vs. ロランド・ディ

Q: 次に登場するは石原”夜叉坊”選手です。人気者の石原選手ですが、プロの目から見て、ズバリ石原選手の実力をどのように分析されますか。

宇野: 石原選手の強みは何といっても、UFCでの試合や、UFCファイターであることを楽しんでいるところにあると思います。外国人選手には多いのですが、日本人選手にはあまりいないタイプです。楽しめるということは、要するに臆することなくポテンシャルを十二分に発揮できるということになりますから、やるべきことがクリアになる、本番に強い、当て勘が良くなるといったことにつながりやすく、これはとても大切なことなんです。さらに、チーム・アルファ・メールという最高の環境で、軽量級のそうそうたるメンバーと練習を積んでいることも、彼の大きな財産になっているはずです。

Q: 過去2戦はアルテム・ロボフ、グレイ・メイナードに連敗していますから、今回は何としても失地回復を図りたいところですよね。

宇野: 石原選手のUFCキャリアは、調子よく連勝で始まりましたから、その後は格上の相手と当てられてしまったという面は確かにあるのですが、試合を見る限り、石原選手のスタイルが相手に読まれていて、そこを攻略されてしまっているように感じます。なぜ連敗したのか、どこをどう変えるべきかなどについては、おそらくチームで明確にしていることと思いますので、今回は戦略に沿って確実に勝つという戦い方をしても良いのではないかと思います。またそうすることで、石原選手の戦い方に幅が広がり、今後のさらなるステップアップにつながるのではないかと思いますよ。

第8試合:グーカン・サキ vs. ルイス・エンリケ・ダ・シウバ

Q:かつてK-1で活躍し、日本でも有名なグーカン・サキ(トルコ)がUFCデビューを飾ります。キックボクサーとしてはGLORYでチャンピオンになるなど、地位を確立した選手ですが、ここにきてのMMA挑戦、いったいどうなってしまうでしょうか!

宇野:サキ選手がどこまでやれるのかは、正直いって見てみないと分からない面はありますが、これまでにMMAに転向したK-1スター選手の中には、マーク・ハント、ミルコ・クロコップ、アリスター・オーフレイムなど、実際に成功している選手も多いですよね。もともとMMAは8割近くが打撃戦ですから、キックボクシングに絶対的な強みがあれば、後は自分のペースで戦うことができさえすれば、チャンスはあると思います。

【文 高橋テツヤ】
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